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<Discussion>PCメーカー座談会、売り場で求められるアピールポイント

特集

2016/09/26 10:00

 国内外の10社がBCNで議論した「PCメーカー座談会」では、三つのテーマごと分かれて「ラウンドテーブル」を開催。Aグループでは「売り場で求められる消費者へのアピールポイント」というテーマでASUS JAPAN、デル富士通レノボ・ジャパンの4社が語り合った。

 

モノからコトに変わる課題

 売り場で顧客にPCをどうアピールするのか、各社とも共通の課題を抱える。例えば、強固なヒンジなどPC本体の構造やこだわりをアピールしたくても、A4サイズのノートPCが横並びで展示されているなかで違いが出しにくい。「2 in 1」モデルキーボードが外れてもBluetoothでつながるか、つながらないか、といった違いもなかなか打ち出せていないという。

 内閣府の「主要耐久消費財の買替え状況」(2016年3月)ではPCの買い替え理由の56.7%が「故障」になっている。買い替え目的の顧客が来店したとき、何か「新しい気づき」を得られる売り場づくりが求められている。

 この点は、メーカー別展示や周辺機器などのコーナーごとにマネジメントしている販売店サイドでも苦労があるようだ。エディオンヨドバシカメラでは「顧客がPCで何をしたいか」をテーマにしたコーナーをつくり始めている。別の家電量販店の担当者も「スティックPCやスマートウォッチのカテゴリー分類で、いつも議論になる」と語る。売り場からは「メーカーからもっとアイデアを出してほしい」という本音も出る。

 「モノ」の訴求から「コト」軸で提案する売り場づくりを推進するには、PCメーカー1社が声をあげたところでなかなか進まない。今こそ、家電量販店とPCメーカー全社が一丸となって取り組む必要があるだろう。

 ラウンドテーブルの議論では、PC単体の「コト」提案には限界があるので、Windows 10 Mobile搭載のスマートフォンとの連携や、オーディオ、周辺機器とのネットワーク提案を強化したいという意見も出た。
 

左からASUS JAPAN シンシア・テン システムマーケティング部部長、デル 田尻祥一 マーケティング統括本部ビジネス&コンシューマーマーケティング本部本部長、富士通 丸子正道 ユビキタスビジネス事業本部プロモーション統括部シニアマネージャー、レノボ・ジャパン 櫛田弘之コンシューマ製品事業部部長
 

思い切ったメリハリある展示も

 コト軸とは別の視点で面白い意見もある。PCスキルが高く価格志向の強い顧客向けに、手離れのよい「箱売り」のコーナーをつくったり、逆に、多少高価でも購入後のサポートを受けたい顧客向けに「プレミアム」コーナーをつくるといった意見だ。

 高単価で買い替えサイクルが3年と短いゲーミングPCは、これから盛り上がるコーナーとして販売サイドからの期待は高い。ほかにも、デジタル一眼の写真やビデオカメラ、スマホの動画編集を中心とした嗜好性の高いコーナーや、HEMSなど家庭内の電気代の節約を訴求するライフスタイル提案コーナーなどアイデアは尽きなかった。

 逆にいえば、メールやインターネットの閲覧といったライトユーザー向けのメッセージだけでは、消費者はスマホに逃げていくという危機感は、各社とも共通していた。

<Discussion>
・コンシューマPCに求められていることとは
・売り場で求められる消費者へのアピールポイント
・スマホ/タブレットとの差別化
・家庭内におけるPCの役割とは何か?

<Windows PCメーカー10社に聞く 4つの疑問>
・(1)今、求められるPCの機能は何か
・(2)PCの価格差を消費者は理解できているか
・(3)消費者に足りなかったメッセージは
・(4)今後の販促支援と宣伝展開のキーコンセプトは

家電販売店のPCバイヤーが考えるPCビジネスの将来>
・エディオン
・ビックカメラ
・ヨドバシカメラ
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年10月号から転載