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<Windows PCメーカー10社に聞く>(2)PCの価格差を消費者は理解できているか

特集

2016/09/26 10:30

 国内外の10社が一堂に介した「PCメーカー座談会」では、三つのグループに分かれ、それぞれ異なるテーマで議論した。この座談会の開催にあたり、事前に質問した「4つの疑問」の各社の回答を紹介する。厳しい市況が続くPC市場に打開策はあるのか。


■Windows PCメーカー座談会 2016秋
<Discussion>
・コンシューマPCに求められていることとは
https://www.bcnretail.com/market/detail/20160926_11879.html
・売り場で求められる消費者へのアピールポイント
https://www.bcnretail.com/market/detail/20160926_11884.html
・スマホ/タブレットとの差別化
https://www.bcnretail.com/market/detail/20160926_11885.html
・家庭内におけるPCの役割とは何か?
https://www.bcnretail.com/market/detail/20160926_11886.html


■Windows PCメーカー座談会 2016秋<PCメーカー各社に聞く4つの疑問>

(2)PCの価格差を消費者は理解できているか

◇ASUS JAPAN
PCは成熟市場で、約8割の世帯がPCを持っているというデータもある。ビジネスあるいはプライベートの中で、どのようにPCを使用すべきかは理解していると思う。一方、進化し続けているPCメーカーの技術について、ユーザーの知識が追いついていないのが現状だ。

◇NECパーソナルコンピュータ
CPU、メモリサイズといった機能差、性能差がどのように価格に反映されるかについては、昨今の消費者は非常に良く理解されている。また、メーカーのブランド価値をここにプラスして認めていただいていると感じている。これに応えられるだけのサービスや品質を今後も継続強化していきたい。

◇デル
各製品の価格設定に関しては、スペックの観点のみでなく、デザインも含めた製品価値をご理解頂けるようなプライシングをしており、一定の評価を頂けている結果が直近のシェア増に繋がっている。

◇東芝クライアントソリューション
ユーザーがPCに求める価値は、目的によって様々。現状、求める価値に見合ったPCは、性能や薄さ・軽さ、機能、サービス・サポート体制などを判断材料として選んでいただいていると思う。引き続き、価格差を価値として認めていただけるよう、より魅力のあるPCやサービス・サポートを提案し続けていく。

◇日本エイサー
細かくはご理解頂いていないと思う。PCメーカーとして、より分かりやすく、お客様がどの用途でPCをお使いになるのかを理解し、適正な性能と価格のPCを提案できるようにすることが必要だと感じている。

◇日本マイクロソフト
プレミアムPCのハイスペックがもたらす効率性、例えば、USB 3.0であればRAWファイルの転送時間が大幅に短縮されること、Windows Hello対応の生体認証センサーを搭載していればサインインの煩わしさから解放されることなどを、体感いただくことで理解いただけると考えている。

◇VAIO
価格差について疑問をお持ちのお客様がいることを意識し、わかりやすい言葉でご説明するよう心がけている。「VAIO Zが高い7つの理由」

◇パナソニック
やりたいことがとりあえず出来るというだけでは、現在の市場価格差は理解できない。いつでもどこでも何の制限にもとらわれず、お客様の要求に応える安心感に価値を認めてもらう必要がある。

◇富士通
国内メーカーと外資メーカーとの価格差や、CPU種別やHDD容量、Office搭載有り無しによる価格差は、お客様にご理解いただいていると感じる。しかしながら、富士通と他の国内メーカーとの価格差については、きちんと訴求できていない点が課題である。

◇レノボ・ジャパン
現在はインターネットを使いCPU、メモリ、画面サイズといった要素で価格比較が容易にできるので、その点では良く価格差を検討されていると思う。しかしプレミアムモデルなどの質感やデザインのこだわりなど付加価値部分までご理解いただくには店頭での展示の大切さを感じる。
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年10月号から転載