バッテリーのリチウムイオンってなに? 仕組みや特徴をわかりやすく解説
モバイルバッテリーを選ぼうとすると、ほとんどの製品に「リチウムイオンバッテリー使用」と書かれていることに気づく方は多いのではないでしょうか。ただ、「名前は聞いたことがあるけれど、実際にどんな仕組みなのかはよくわからない」「ほかの電池と何が違うの?」と感じている方も少なくありません。
そこでこの記事では、そもそもバッテリーとは何かという基本から始めて、リチウムイオンバッテリーの仕組み・メリット・注意点をできるだけ専門用語を使わずに解説します。あわせて、固体電池や準(半)固体電池などの今後のバッテリー業界の展望についても紹介。これからモバイルバッテリーの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
バッテリーとは、化学反応を利用して電気を蓄えたり、必要なときに取り出したりする装置のことです。コンセントから直接電気を使う家電と違い、バッテリーは内部にエネルギーをためておけるため、ノートパソコンやスマートフォンなどの持ち運びできる機器に欠かせない存在となっています。
仕組みを簡単にいうと、バッテリーの中では「電気を生み出す化学反応」が起きています。内部にはプラスとマイナスの電極があり、その間で起こる反応によって電気が流れる、というイメージです。充電とは、この反応を“元の状態に戻す作業”と考えるとわかりやすいでしょう。
また、バッテリーは電極に使われる素材の違いによって、性能や特徴、名称が変わります。たとえば、軽さに優れるもの、大きな電力を一気に取り出せるもの、長期間使えるものなど、それぞれ得意分野が異なるのです。
今回解説する「リチウムイオンバッテリー」も、こうした素材の違いによって生まれたバッテリーの一種です。まずは、「バッテリーとは化学反応を使って充電と放電を行うもの」という基本を押さえておきましょう。
バッテリーについて理解するうえで、押さえておきたいのが「一次電池」と「二次電池」の違いです。
一次電池とは、使い切りタイプの電池のことです。内部の化学反応が一方向にしか進まないため、一度電気を使い切ると元に戻せず、再充電はできません。身近な例としては、テレビのリモコンや時計に使われる乾電池が挙げられます。
一方、二次電池は、充電して繰り返し使える電池です。化学反応を逆向きにも進められる仕組みを持っており、電気を使ったあとでも、充電することで再びエネルギーをためられます。スマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーに使われているのがこの二次電池です。
両者の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
なお、リチウムイオンバッテリーは、この二次電池に分類されます。何度も充電して使えることに加え、小型でも多くの電気をためられるため、持ち運びが前提となる機器との相性が非常に良いのが特徴です。
このように、「使い切りか、繰り返し使えるか」という視点で電池を整理しておくと、リチウムイオンバッテリーの位置づけがわかりやすくなります。
リチウムイオンバッテリーとは、電池内部で「リチウムイオン」と呼ばれる粒子が移動することで、充電と放電を行う二次電池のことです。現在では、スマートフォンやモバイルバッテリーをはじめ、ノートパソコンや電動工具など、幅広い製品に使われています。
ここでは、リチウムイオンバッテリーがどのような仕組みで動いているのかや、メリット・デメリット、主な用途について詳しく見ていきましょう。
リチウムイオンバッテリーは、2つの電極のあいだをリチウムイオンが行き来することで、充電と放電を行う仕組みになっています。内部には「正極」「負極」と呼ばれる2つの電極があり、その間を電解液という液体が満たしています。
放電(電気を使うとき)には、負極にあったリチウムイオンが電解液を通って正極へ移動します。この移動にあわせて電気が外へ流れ、スマートフォンなどの機器が動きます。一方、充電するときは、外部から電気を送り込むことで、リチウムイオンが正極から負極へ戻っていきます。
イメージとしては、リチウムイオンがエネルギーを運ぶボールのように、電池の中を往復している状態と考えるとわかりやすいでしょう。この往復運動は何度も繰り返せるため、リチウムイオンバッテリーは充電して繰り返し使うことができるのです。
リチウムイオンバッテリーの最大のメリットは、小型・軽量でありながら多くの電気をためられる点にあります。同じ容量の電池でもサイズを小さくできるため、スマートフォンやモバイルバッテリーの薄型化・軽量化を実現できています。
また、高出力に対応しやすいことも大きな特徴です。一度に多くの電力を取り出せるため、スマートフォンの急速充電や、ノートパソコンの充電にも対応できます。
さらに、繰り返し使える回数が比較的多い点もメリットです。充電と放電を何度も行っても性能の低下が緩やかなため、日常的に使う場合でも長期間にわたって使用できます。
リチウムイオンバッテリーは「持ち運びやすさ」「パワー」「使いやすさ」のバランスに優れており、モバイル機器に非常に適したバッテリーだといえるでしょう。
リチウムイオンバッテリーには多くのメリットがある一方で、いくつか注意しておきたいデメリットも存在します。
まず挙げられるのが、価格が高めである点です。リチウムイオンは材料や製造工程が複雑なため、ほかの電池と比べると製品価格はやや高くなる傾向があります。
また、熱に弱いという特性にも注意が必要です。高温環境に長時間さらされると、劣化が早まったり、最悪の場合は発熱や膨張などのトラブルにつながったりすることがあります。
さらに、安全性への配慮が欠かせない点もデメリットのひとつです。リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高いため、強い衝撃や過充電、粗悪な設計によって事故が起きる可能性があります。実際、近年ではリチウムイオンバッテリーを原因とした火災やボヤ騒ぎが後を絶ちません。そのため、保護回路が備わっているか、認証を取得しているかといった点を確認することが大切です。
そのほか、処分がやや難しい点も覚えておきたいポイントです。リチウムイオンバッテリーは一般ごみとして捨てられないケースが多く、自治体や回収ボックスを利用する必要があります。最近では、一般ごみとして回収をする自治体も増えていますが、購入時には使い終わったあとの扱いまで意識しておくと安心です。
参考:10月から充電式電池を収集します | 世田谷区公式ホームページ
リチウムイオンバッテリーは、これまでに紹介したメリットを生かして、私たちの身近な製品から産業分野まで幅広く利用されています。特に「小型・軽量」「高出力」「繰り返し使える」という特性は、持ち運びが前提となる機器との相性が抜群です。
代表的な用途としてまず挙げられるのが、スマートフォンやモバイルバッテリーです。リチウムイオンバッテリーは限られたスペースでも十分な容量を確保できるため、薄型の端末でも長時間使用できるようになっています。実際、最新のiPhone Airは超薄型モデルにもかかわらず、ビデオ再生最大27時間という長時間使用も可能です。
さらに、リチウムイオンバッテリーは電動工具、産業用ロボット、電動アシスト自転車、電気自動車など、業務・産業用途にも広がっています。大きなエネルギーを効率よく扱えるため、近年では脱炭素や省エネの流れとも相まって、ますます重要性が高まっているのです。
このように、リチウムイオンバッテリーは「身近なガジェットから社会インフラまで支える存在」といえるでしょう。
バッテリーには、リチウムイオン以外にもさまざまな種類があり、用途や目的に応じて使い分けされています。ここでは代表的な「鉛蓄電池」「ニカド電池」「ニッケル水素電池」について、リチウムイオンバッテリーと比較しながら特徴を簡単に整理します。
まず鉛蓄電池は、古くから使われているバッテリーで、自動車のバッテリーが代表例です。構造がシンプルでコストが低く、大きな電力を一気に取り出せるのが強みですが、サイズが大きく重いため、持ち運び用途には向いていません。
次に、ニカド電池(ニッケル・カドミウム電池)は、かつて電動工具などで多く使われていた電池です。高出力で寒さにも強い反面、「メモリー効果」と呼ばれる容量低下が起こりやすく、現在では使用シーンが減っています。
最後に、ニッケル水素電池はニカド電池の欠点を改良したタイプです。繰り返し充電でき、乾電池サイズでも使えるため、充電式電池として家庭用機器で広く利用されています。ただし、エネルギー密度はリチウムイオンより低く、同じ容量でもサイズが大きくなりがちです。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
このように比較すると、持ち運びや性能が求められる用途では、リチウムイオンバッテリーが最適であることがわかります。
リチウムイオンバッテリーは高性能で便利な一方、発熱や発火といった安全面のリスクが完全になくなったわけではありません。こうした課題を背景に、現在はより安全性を高めた次世代バッテリーの開発が進められています。その代表例が全固体電池です。
従来のリチウムイオンバッテリーでは液体の電解液を使用していましたが、全固体電池ではこれを固体に置き換えます。液体が使われないことで、液漏れや発火のリスクが下がり、安全性の向上が期待されています。さらに、エネルギー密度の向上や長寿命化も見込まれており、将来的には電気自動車や大型蓄電システムへの本格導入が期待されています。
ただし、全固体電池は製造コストや量産技術の面で課題があり、すぐに一般向け製品へ広く普及する段階には至っていません。そこで注目されているのが、準(半)固体電池です。
準固体電池は、電解液を完全な固体ではなく、ゲル状や半固体状にすることで、安全性と実用性のバランスを取った技術です。従来のリチウムイオンバッテリーよりも発火リスクを抑えつつ、既存技術を活かしやすいため、近年ではモバイルバッテリーなど一部の製品で実用化が進んでいます。
このように、リチウムイオンバッテリーは完成された技術でありながら、安全性や性能をさらに高めるための進化が続いている分野だといえるでしょう。
リチウムイオンバッテリーは、化学反応を利用して充電と放電を行う二次電池の一種で、小型・軽量でありながら高い出力と容量を確保できる点が大きな特徴です。そのため、スマートフォンやモバイルバッテリーをはじめ、ノートパソコンや電動アシスト自転車、産業用機器まで、幅広い分野で使われています。
一方で、熱に弱いことや安全性への配慮が必要な点、処分に手間がかかる点など、注意すべきポイントも存在します。モバイルバッテリーを選ぶ際は、容量や出力だけでなく、保護回路の有無や認証マークの確認など、安全面もあわせてチェックすることが大切です。
また、現在はリチウムイオンバッテリーの課題を補う技術として、準(半)固体電池や全固体電池の開発も進められています。今後は、より安全で高性能なバッテリーが身近な製品に採用されていくことが期待されるでしょう。バッテリーの仕組みや特徴を理解しておくことで、製品選びの基準が明確になり、後悔のない選択につながります。
これからモバイルバッテリーを購入する方は、ぜひ今回の内容を参考に、自分の使い方に合った一台を選んでみてください。

そこでこの記事では、そもそもバッテリーとは何かという基本から始めて、リチウムイオンバッテリーの仕組み・メリット・注意点をできるだけ専門用語を使わずに解説します。あわせて、固体電池や準(半)固体電池などの今後のバッテリー業界の展望についても紹介。これからモバイルバッテリーの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもバッテリーとは

バッテリーとは、化学反応を利用して電気を蓄えたり、必要なときに取り出したりする装置のことです。コンセントから直接電気を使う家電と違い、バッテリーは内部にエネルギーをためておけるため、ノートパソコンやスマートフォンなどの持ち運びできる機器に欠かせない存在となっています。
仕組みを簡単にいうと、バッテリーの中では「電気を生み出す化学反応」が起きています。内部にはプラスとマイナスの電極があり、その間で起こる反応によって電気が流れる、というイメージです。充電とは、この反応を“元の状態に戻す作業”と考えるとわかりやすいでしょう。
また、バッテリーは電極に使われる素材の違いによって、性能や特徴、名称が変わります。たとえば、軽さに優れるもの、大きな電力を一気に取り出せるもの、長期間使えるものなど、それぞれ得意分野が異なるのです。
今回解説する「リチウムイオンバッテリー」も、こうした素材の違いによって生まれたバッテリーの一種です。まずは、「バッテリーとは化学反応を使って充電と放電を行うもの」という基本を押さえておきましょう。
一次電池と二次電池
バッテリーについて理解するうえで、押さえておきたいのが「一次電池」と「二次電池」の違いです。
一次電池とは、使い切りタイプの電池のことです。内部の化学反応が一方向にしか進まないため、一度電気を使い切ると元に戻せず、再充電はできません。身近な例としては、テレビのリモコンや時計に使われる乾電池が挙げられます。
一方、二次電池は、充電して繰り返し使える電池です。化学反応を逆向きにも進められる仕組みを持っており、電気を使ったあとでも、充電することで再びエネルギーをためられます。スマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーに使われているのがこの二次電池です。
両者の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

なお、リチウムイオンバッテリーは、この二次電池に分類されます。何度も充電して使えることに加え、小型でも多くの電気をためられるため、持ち運びが前提となる機器との相性が非常に良いのが特徴です。
このように、「使い切りか、繰り返し使えるか」という視点で電池を整理しておくと、リチウムイオンバッテリーの位置づけがわかりやすくなります。
リチウムイオンバッテリーとは

リチウムイオンバッテリーとは、電池内部で「リチウムイオン」と呼ばれる粒子が移動することで、充電と放電を行う二次電池のことです。現在では、スマートフォンやモバイルバッテリーをはじめ、ノートパソコンや電動工具など、幅広い製品に使われています。
ここでは、リチウムイオンバッテリーがどのような仕組みで動いているのかや、メリット・デメリット、主な用途について詳しく見ていきましょう。
仕組み
リチウムイオンバッテリーは、2つの電極のあいだをリチウムイオンが行き来することで、充電と放電を行う仕組みになっています。内部には「正極」「負極」と呼ばれる2つの電極があり、その間を電解液という液体が満たしています。
放電(電気を使うとき)には、負極にあったリチウムイオンが電解液を通って正極へ移動します。この移動にあわせて電気が外へ流れ、スマートフォンなどの機器が動きます。一方、充電するときは、外部から電気を送り込むことで、リチウムイオンが正極から負極へ戻っていきます。
イメージとしては、リチウムイオンがエネルギーを運ぶボールのように、電池の中を往復している状態と考えるとわかりやすいでしょう。この往復運動は何度も繰り返せるため、リチウムイオンバッテリーは充電して繰り返し使うことができるのです。
メリット
リチウムイオンバッテリーの最大のメリットは、小型・軽量でありながら多くの電気をためられる点にあります。同じ容量の電池でもサイズを小さくできるため、スマートフォンやモバイルバッテリーの薄型化・軽量化を実現できています。
また、高出力に対応しやすいことも大きな特徴です。一度に多くの電力を取り出せるため、スマートフォンの急速充電や、ノートパソコンの充電にも対応できます。
さらに、繰り返し使える回数が比較的多い点もメリットです。充電と放電を何度も行っても性能の低下が緩やかなため、日常的に使う場合でも長期間にわたって使用できます。
リチウムイオンバッテリーは「持ち運びやすさ」「パワー」「使いやすさ」のバランスに優れており、モバイル機器に非常に適したバッテリーだといえるでしょう。
デメリット
リチウムイオンバッテリーには多くのメリットがある一方で、いくつか注意しておきたいデメリットも存在します。
まず挙げられるのが、価格が高めである点です。リチウムイオンは材料や製造工程が複雑なため、ほかの電池と比べると製品価格はやや高くなる傾向があります。
また、熱に弱いという特性にも注意が必要です。高温環境に長時間さらされると、劣化が早まったり、最悪の場合は発熱や膨張などのトラブルにつながったりすることがあります。
さらに、安全性への配慮が欠かせない点もデメリットのひとつです。リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高いため、強い衝撃や過充電、粗悪な設計によって事故が起きる可能性があります。実際、近年ではリチウムイオンバッテリーを原因とした火災やボヤ騒ぎが後を絶ちません。そのため、保護回路が備わっているか、認証を取得しているかといった点を確認することが大切です。
そのほか、処分がやや難しい点も覚えておきたいポイントです。リチウムイオンバッテリーは一般ごみとして捨てられないケースが多く、自治体や回収ボックスを利用する必要があります。最近では、一般ごみとして回収をする自治体も増えていますが、購入時には使い終わったあとの扱いまで意識しておくと安心です。
参考:10月から充電式電池を収集します | 世田谷区公式ホームページ
主な用途
リチウムイオンバッテリーは、これまでに紹介したメリットを生かして、私たちの身近な製品から産業分野まで幅広く利用されています。特に「小型・軽量」「高出力」「繰り返し使える」という特性は、持ち運びが前提となる機器との相性が抜群です。
代表的な用途としてまず挙げられるのが、スマートフォンやモバイルバッテリーです。リチウムイオンバッテリーは限られたスペースでも十分な容量を確保できるため、薄型の端末でも長時間使用できるようになっています。実際、最新のiPhone Airは超薄型モデルにもかかわらず、ビデオ再生最大27時間という長時間使用も可能です。
さらに、リチウムイオンバッテリーは電動工具、産業用ロボット、電動アシスト自転車、電気自動車など、業務・産業用途にも広がっています。大きなエネルギーを効率よく扱えるため、近年では脱炭素や省エネの流れとも相まって、ますます重要性が高まっているのです。
このように、リチウムイオンバッテリーは「身近なガジェットから社会インフラまで支える存在」といえるでしょう。
その他の素材を使ったバッテリー

バッテリーには、リチウムイオン以外にもさまざまな種類があり、用途や目的に応じて使い分けされています。ここでは代表的な「鉛蓄電池」「ニカド電池」「ニッケル水素電池」について、リチウムイオンバッテリーと比較しながら特徴を簡単に整理します。
まず鉛蓄電池は、古くから使われているバッテリーで、自動車のバッテリーが代表例です。構造がシンプルでコストが低く、大きな電力を一気に取り出せるのが強みですが、サイズが大きく重いため、持ち運び用途には向いていません。
次に、ニカド電池(ニッケル・カドミウム電池)は、かつて電動工具などで多く使われていた電池です。高出力で寒さにも強い反面、「メモリー効果」と呼ばれる容量低下が起こりやすく、現在では使用シーンが減っています。
最後に、ニッケル水素電池はニカド電池の欠点を改良したタイプです。繰り返し充電でき、乾電池サイズでも使えるため、充電式電池として家庭用機器で広く利用されています。ただし、エネルギー密度はリチウムイオンより低く、同じ容量でもサイズが大きくなりがちです。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

このように比較すると、持ち運びや性能が求められる用途では、リチウムイオンバッテリーが最適であることがわかります。
今後の発展と準(半)固体電池
リチウムイオンバッテリーは高性能で便利な一方、発熱や発火といった安全面のリスクが完全になくなったわけではありません。こうした課題を背景に、現在はより安全性を高めた次世代バッテリーの開発が進められています。その代表例が全固体電池です。
従来のリチウムイオンバッテリーでは液体の電解液を使用していましたが、全固体電池ではこれを固体に置き換えます。液体が使われないことで、液漏れや発火のリスクが下がり、安全性の向上が期待されています。さらに、エネルギー密度の向上や長寿命化も見込まれており、将来的には電気自動車や大型蓄電システムへの本格導入が期待されています。
ただし、全固体電池は製造コストや量産技術の面で課題があり、すぐに一般向け製品へ広く普及する段階には至っていません。そこで注目されているのが、準(半)固体電池です。
準固体電池は、電解液を完全な固体ではなく、ゲル状や半固体状にすることで、安全性と実用性のバランスを取った技術です。従来のリチウムイオンバッテリーよりも発火リスクを抑えつつ、既存技術を活かしやすいため、近年ではモバイルバッテリーなど一部の製品で実用化が進んでいます。
このように、リチウムイオンバッテリーは完成された技術でありながら、安全性や性能をさらに高めるための進化が続いている分野だといえるでしょう。
まとめ

リチウムイオンバッテリーは、化学反応を利用して充電と放電を行う二次電池の一種で、小型・軽量でありながら高い出力と容量を確保できる点が大きな特徴です。そのため、スマートフォンやモバイルバッテリーをはじめ、ノートパソコンや電動アシスト自転車、産業用機器まで、幅広い分野で使われています。
一方で、熱に弱いことや安全性への配慮が必要な点、処分に手間がかかる点など、注意すべきポイントも存在します。モバイルバッテリーを選ぶ際は、容量や出力だけでなく、保護回路の有無や認証マークの確認など、安全面もあわせてチェックすることが大切です。
また、現在はリチウムイオンバッテリーの課題を補う技術として、準(半)固体電池や全固体電池の開発も進められています。今後は、より安全で高性能なバッテリーが身近な製品に採用されていくことが期待されるでしょう。バッテリーの仕組みや特徴を理解しておくことで、製品選びの基準が明確になり、後悔のない選択につながります。
これからモバイルバッテリーを購入する方は、ぜひ今回の内容を参考に、自分の使い方に合った一台を選んでみてください。





