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【PC初心者必見】Windows 10がサポート終了 10のままで大丈夫? 危険性は?買い替えの必要は? アキバの老舗PCショップに聞いてみた

 マイクロソフトのOS「Windows 10」は10月14日でサポートが終了した。IT業界では「EoS(End of Support)」と表現され、大きなトピックスの一つとなっていた。しかし、Windowsの大規模なバージョンアップはこれまでも定期的に行われてきたもの。「このままでも大丈夫なのでは?」と考える人も多いだろう。本稿では、「そもそもEOSって何?」といった素朴な疑問から、秋葉原の老舗PCショップ ドスパラ秋葉原本店スタッフの登坂さんに話を聞いてみた(BCN・寺澤 克)。

※この記事は、10月18日時点の情報をもとに掲載しています。
 
秋葉原の老舗PCショップ ドスパラ秋葉原本店に取材

サポート終了でセキュリティ面がネックに まだ使えるけどオススメはしない!

趣味はPCを自作すること! 登坂さん

──EoSが来てしまいました。そもそもEoSの後って具体的にどんなことが起こるんでしょう。

登坂さん(以下敬称略) 10には、元から入っているWindows Defenderというセキュリティソフトがあります。サポートが終了するとそれが、更新されなくなり、新たなウイルスに対応できなくなってしまいます(※)。

──セキュリティ面が脆弱になってしまう。それ以外にどんなことが考えられますか?

登坂 この先、他のソフトウェアがWindows 10に対応し続けるのか、が問題になるのではないでしょうか。マイクロソフトからの公式な発表はありませんし、各企業の対応も異なりますので、あくまで想定の話ですけどね。

──すると10自体はまだ使うことはできる?

登坂 はい、使い続けること自体は可能です。ただ、そういった状況ですので、これからのことを考えるとオススメはできません。
 

実はまだ更新できる!いつ終了するかわからないのでお早めに!

──では、11に更新したい!今からでも大丈夫ですか?

登坂 まだ11への無料アップデートは可能です(10月18日時点)。しかし、公式からの発表がなく、いつ終了するかわからない状況なので、早めに対応した方が良いでしょう。
 
まだダウンロード可能なページを確認できる
(Microsoftのホームページから引用)

登坂 無料でできる間は、わざわざインストールメディア(11をインストールできるUSBメモリ)を購入しなくても大丈夫です。手動で行う場合は、Windowsのホームページからデータをダウンロードして、手持ちのUSBメモリをフォーマットしてデータを入れれば、インストールメディアを作成することができます。あとは、10のプロダクトキーを忘れずに用意しておきましょう。

 対象のPCであれば、Windows Updateに案内の表示が出てくるはずです。プロダクトキーを入れてもライセンスが引き継げない、Windows Updateの画面から更新ができない、そういった状態なのであれば、ライセンスを買いなおす必要があります。
 

11への更新はそんなにかからない 1時間ほどあれば終わる!

──仕事が忙しい!などさまざまな事情でインストールできない人はいるかと思いますが、何かアドバイスは。

登坂 自宅にあるPCなら、寝る前やちょっと出かける前に、更新ボタンを押しておきましょう。すぐ11になっているはずです。

──では、面倒くさいという人は?

登坂 実は、そんなに面倒じゃないんです。アップグレードとはいうものの、1時間ぐらいあれば終わります。スペックによっては数十分ほどで終わることもありますので、そんなに身構える必要はありません。安心して更新してください。
 

システム要件を満たさないと更新できない 買い替えなら新品を買うのが無難

登坂 ただ、Windows 11にアップデートするには、システム要件を満たしている必要があります。皆さんのPCを確認してほしいのですが、CPUは、インテルなら第8世代以降(「Core i〇」以降の数字の先頭が8以上のもの)、AMDならRyzen2000シリーズ以降、ストレージは64GB以上、メモリが4GB以上のスペックを有するPCである必要があります。この点については「PC正常性チェック」アプリを使用すれば、対応可否が判定できます。

──更新できない場合は、PCを買い替えた方がいい?

登坂 そうなりますね。新品であればどれを買っても基本的には大丈夫です。ただ、どれを選べばいいかわからないときは、我々のようなPCショップのスタッフに聞いてみてください。用途に合ったPCを一緒に選んでくれます。
 

中古品で間に合わせると結局痛い出費になるかも…

──予算が限られている場合、中古の製品はどうですか?

登坂 たとえば、自分でパーツを買って組み上げるのであれば、多少勉強が必要になります。システム要件を満たすようにPCを組まないといけないですから。完成品の中古品の中でも2018年以降の製品なら、ギリギリですが要件を満たしたCPUが使われているはずです。ただ、今回のアップデートが可能であると考える、ギリギリのスペックでの中古品の購入はオススメはできません。

 Windowsの更新はだいたい5年周期でやってきます。11の要件をギリギリ満たすようなスペックの場合、次に来るであろう12の要件は満たせない可能性が高い。そこでまた買い替える必要が出てくるんです。あとは、ハードウェアの寿命もありますから、結局は今新品を買った方が、長い目で見て出費を抑えられるでしょう。
 

リーズナブルかつ人気なのは「Core i5 12400 or 14400」「Ryzen 5 5600 GT」

ドスパラ本店で人気の「Ryzen 5 5600GT」

──オススメのCPUなどはありますか。

登坂 当店でリーズナブルかつ人気なのは、「Core i5 12400」「Core i5 14400」「Ryzen 5 5600GT」あたりですね。これらのCPUは2万円ちょっとで購入できて、マザーボードは1万円しないで揃えられて、自作するならトータルでも10万しないで組めます。今使っているPCに付いているSSDやHDDを引き継いで使用しても良いですね。

 これらのCPUを搭載したモデルも価格はお手頃なので、気になる人は探してみてはいかがでしょうか。
 

最近のPCはかなり高性能! 手持ちのPCが古いならCPUグレードを落として買うのもアリ

──最近のPCはAI性能など高性能になっているモデルも多いですよね。

登坂 そうですね。実際に接客をしていると、手持ちのPCのCPUのグレードを落とせず、なかなか買い替えに踏み切れないといった方も見受けられます。例えば、第7世代のCore i7は4コア8スレッドでしたが、現行のCPUならi3でも4コア8スレッド、i7なら20コア28スレッドと高性能化が進んでいます。これは簡単に言うと、数倍以上の仕事が出来てしまうということです。

 高いグレードにこだわらなくても、今なら5万~10万円ぐらいでネットサーフィンから事務作業まで難なくこなせるモデルが購入できます。便利な最新機能を使いながら安全にPCを使いたい、という方はぜひ、買い替えも視野に入れてみてください。

──ありがとうございました!


※取材後、Windows 10のセキュリティの更新を1年間延長できる「拡張セキュリティ更新プログラム」について、マイクロソフトは一般消費者向けにも販売を開始しました。

〇取材したお店

ドスパラ秋葉原本店

住所:東京都千代田区外神田3-11-2 ロック2ビル 1F~3F/5F

営業時間:11~20時(中古品の買い取り受付は19時30分まで)

X公式アカウント:@dospara_honten
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