楽天が鳴り物入りで10月にスタートさせた楽天モバイル自前回線による携帯電話サービス。5000人を対象とした先行サービスに当たったので、人柱として立派に役目を果たそうと尽力しているわけだが、サポートが落語のようなお笑い状態になっている。

 舞台は、「オンライン相談(メッセージ相談)」とタイトルがついているチャットサポート。これが全くつながらずページが開かないのだ。運が良ければごく希につながることもあるので、ここぞとばかりに質問を書き込んだところ、以降全くつながらない。回答はおよそ3時間後に書いてくれたようだが、画面が開かないのでその回答を見ることができない。
 
アプリからチャットサポート画面を開こうとしてもこの状態が延々続く。
3時間放置したら開いたという報告も……

 結局、回答を読むことができたのは丸2日経ってから。運良くページが開いたからだ。ここを逃すとまたページが開かなくなるかもしれないと、すぐに「丸2日画面が開かず読めなかったがどうすればいいのか」を問い合わせたところ、また開けなくなってしまった。問い合わせの内容が内容だけに、てっきりメールや電話で回答してくるものと思ったが、甘かった。丸1日経ってようやくページが開いたと思ったら、質問した3時間後に書き込みがあった。

 「お問い合わせは下記内容で間違いないでしょうか」という確認だった。さらに、その2時間後「一定時間応答が無いようですので一旦失礼します」として、問い合わせ自体がクローズされてしまった。「おいおい」と、思わず画面に突っ込んでしまった。チャット画面が開けないからどうすればいいかをチャットで問い合わせたのが間違いだった。
 
「お困りですか? オンライン相談」のボタンが出れば、ほぼ確実にチャットサポート画面に到達できる
(左画面)。しかし、質問を書き込んでおよそ3時間後に質問内容の確認の逆質問。これを開くまでに丸1日か
かった。埒が明かないので、この件から電話サポートに切り替えた。ちなみに端末購入履歴表示での分割と
一括の表示にも不具合があった

 チャットサポートにこだわっているのは理由がある。端末申込時にサポートに電話で問い合わせた際、大いに懲りたからだ。加入前なので当然、他社回線から電話をしたわけだが、課金されている状態で20分も待たされたのがトラウマになっていた。通話が課金されながら、いつつながるか分からない状態で延々と待つのは、苦痛以外のなにものでもない。

 たまたま出勤前の時間。スピーカーで保留音を聞いているが一向につながる気配がない。そろそろシャワーも浴びないと間に合わない、ということで、スマートフォン(スマホ)をビニール袋に入れて風呂場に持ち込み、保留音を聞きながらシャワーを浴び始めた、まさにそのとき、オペレーターが電話に出た。全裸でややお湯を浴びた状態だ。

 慌ててスマホをとり、風呂場を出て居間に移動し、全裸でいろいろと問い合わせをするハメになった。もう全裸サポートはゴメンだ、ということで、あまり急がない質問はチャットを使おうとしていたわけだ。
 
携帯キャリア事業の開始会見で、世界初のフルクラウドのサービスがいよいよ日本で始まると
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 その後、楽天に総務省から指導が入り、電話サポートの接続確率は格段に高まった。10月24日以降、試した限りほぼ一発でつながっている。チャットサポートのトラブルについて聞いてみると、現象は把握しているようだった。

 しかし、サポートに電話を掛けると、必ず「公式アプリでは時間を気にせずお問い合わせができます。ご案内をショートメッセージでご送信いたします」という、チャットサポートに誘導するメッセージが流れる。

 ちぐはぐな対応が続いているが、楽天モバイルの無料サポーターを拝命した人柱同志の方々に対しては、「電話サポートを使った方が話が早いのでオススメ」する。ちなみに、「ご案内のショートメッセージ」なるものを送るよう申し込んでみたが、届かなかった。

 いくつか実験してみたところ、チャットサポートも「他社回線」のウェブからはつながりやすいことが分かった。今回、たまたまつながったのは全て他社回線のウェブ経由だったようだ。

 現在では、楽天回線でも、ウェブからなら比較的つながりやすくなっている。しかし、楽天が推奨しているアプリ経由だと、金輪際チャットサポートにつながらない印象だ。別の人柱からは、アプリからでも3時間放置していたら、画面が表示されたという報告もあり、つながらないわけではないようだ。
 
電車に乗って、回線チェックツールを開き、YouTubeのライブストリーミングに接続して回線状況を確認した。
左は楽天回線。右はau回線にローミングしている。回線切り替え時に動画が止まることもあったが、
短時間で復帰した

 肝心の回線品質については、基地局が手薄な場所でau回線に切り替わる仕様になっている。そのため、東京での私の日常的な行動圏内であれば、完全な圏外になることはあまりなかった。auに切り替わるのは、山手線の大崎駅付近、目黒駅付近、四谷からお茶の水駅付近、神田西口商店街など。ただ、ビルの中では時々圏外になることがある。特に、秋葉原のダイビル内では、圏外になることが多かった。

 また、テストのため、YouTubeでライブストリーミングを見ながらあちこち移動してみたが、auローミングに切り替わる時点でもストレスなく切り替わることが多かった。

 回線スピードについては、下りは速い。試してみた限り、26-35Mbpsは出ており、インターネットの利用にストレスはないだろう。しかし、上りが極端に遅く1Mbps程度しか出ない。写真などをアップロードするには、ストレスを感じるスピードだ。だが、この辺は徐々にチューニングされていくことだろう。通話品質に関しては、時々非常に音が悪いこともあるものの、だいたい良好。

 ただ、NTTドコモのスマホに電話を掛けると、留守電に切り替わる際に電話が切れてしまうという不具合が生じている。楽天側の問題なのか、ドコモ側の問題なのかは分からないが、留守電にはメッセージを残せない状況だ。
 
楽天の電話網は、汎用サーバーで構成された完全仮想化クラウドネイティブネットワークだ。
専用機電波の送受信機とアンテナのみ(楽天クラウドイノベーションラボ)

 多少の不具合はあるものの、数日使ってみた限り、楽天モバイルの自前回線はおおむね良好だ。いろいろと批判があるようだが、かなり健闘しているといえる。サービス開始当初のPHSに比べれば、天国のような回線品質だ。

 電話網で世界初の完全仮想化クラウドネイティブネットワークを商用開始したということを考えれば、満点ではないが、まず合格ラインにぎりぎりと言っていいだろう。サポートの不具合や、基地局設置が順調に進めば、本格スタートは意外に早く切れるかも知れない。(BCN・道越一郎)