2026.8.03 18:00
かしこく暮らすiPhoneの国内価格値上げと円安の仕組み
iPhone 17/iPhone 17e/iPhone 17 Proの価格
「円安」はiPhoneなど輸入品にはマイナスの影響
具体的な数字を挙げて説明しよう。2016年頃、円相場は1ドル=100円台で推移する時期があった。対して、直近の2026年7月は1ドル=160円台となっている。10年前と比べると、同じ1ドルを手に入れるために約1.6倍の円が必要になった。これが円安である。また、円安はすべての企業に同じ影響を与えるわけではなく、事業を展開する国や、輸出・輸入といった事業形態によって、メリットとデメリットが異なる。その影響を身近に示す例の一つが、今回のiPhoneの値上げである。
なぜ円安になると、日本で販売されるiPhoneが高くなるのか。1000ドルの商品を例にすると分かりやすい。1ドル=100円なら1000ドルは10万円だが、1ドル=160円になると16万円になる。
仮に日本での販売価格を10万円のまま変えなければ、1ドル=160円の時には625ドルにしかならない。海外企業から見れば、同じ商品を同じ価格で販売しても、ドル換算の売上は1000ドルから625ドルへ減少する。375ドルの目減りは相当なものだ。それを補うため、日本向けの販売価格を引き上げる必要が生じるのである。
ただし、実際の商品価格は為替だけで機械的に決まるものではない。消費税、物流費、部品価格、市場での競争、企業の販売戦略なども関係する。為替が100円から160円になっても、価格が必ず1.6倍になるわけではない。企業が戦略的に考え、利益の一部を減らして価格を抑えたり、急激な値上げによる販売台数の減少を避けたりする場合もある。
価格を上げれば販売台数が減る恐れがあるため、企業は廉価モデルの投入、容量や機能の見直し、下取りの強化、分割払いの充実などを進めると考えられる。消費者にとっては、表示価格だけでなく、使用期間や下取り価格も含め、支払う金額に見合う価値があるかを判断することが、これまで以上に重要になるだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
堀田 泰希
Yasuki Hotta
堀田経営コンサルティング事務所 代表者。研修講師。日本商工会議所一級販売士。大手家電量販企業幹部職として勤務。2007年独立して堀田経営コンサルティング事務所を開業。家電メーカー、専門メーカーをはじめ、大手家電量販企業など、家電業界の研修教育活動に取り組んでいる。
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