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知らなければ使えないがん患者を支える「アピアランスケア助成事業」

暮らし

2026/07/01 18:30

 【家電コンサルのお得な話・303】 アピアランスケア助成事業をご存じだろうか。この制度は、がん治療に伴う脱毛や肌、爪の変化、乳房切除など、外見の変化による苦痛を和らげ、患者が自分らしく社会生活を送れるよう支える取り組みである。医療用ウィッグや帽子、乳房補整具などの購入費を、自治体が助成する制度として広がっている。

大阪府摂津市の告知

全国の自治体に広がるアピアランスケア助成事業

 アピアランスケアは、単なる美容の話ではない。治療によって生じた身体的変化は、本人の心に深く影響し、外出しにくくなったり、人と会うことをためらったりする原因になる。病気そのものの治療とは別に、「日常をどう保つか」という課題に向き合うための制度である。
 
大阪府摂津市の助成制度の詳細

 私がこの事業に関心を持ったのは、妹が29歳でがんを患ったこと、そして私自身も大病と向き合っているからである。もちろん、それだけで患者の方々の苦しみを理解しているとは言えない。ただ、「病気は身体だけを苦しめるものではなく、心にも、生活にも、人との関係にも影響するもの」であることは多少なりとも実感している。だからこそ、治療の成否だけでなく、その人の日常生活にも目を向ける必要があると感じている。

 近年、この制度は全国の自治体に広がっており、大阪でも取り組みは進んでいる。大阪府は、がん診療拠点病院のがん相談支援センターや大阪府がん患者サポートセンターなどを通じ、相談や情報提供を行っている。

 一方、助成制度の実施主体は市町村ごとであり、支援内容には多少の差がある。また、領収書やがん治療を確認できる書類などの提出が、多くの自治体で求められているため、支援内容に加えて、書類の保管にも注意が必要である。

 がんとの闘いでは、身体の変化が心を傷つけ、心の負担が日常生活を狭めることもある。特に髪や乳房の変化は、単なる見た目の問題にとどまらず、その人らしさや尊厳、自分をどう受け止めるかに関わる重大な問題になりうる。

 この制度だけで患者の苦しみがすべて消えるわけではないが、それでも、医療用ウィッグや補整具によって、少しでも外に出やすくなる、仕事や学校など社会生活を続けやすくなるのであれば、その支援には大きな意味がある。治療を受ける人が、病気だけでなく外見の変化にも一人で悩まなくてよい社会であってほしい。

 知らなければ使えない制度である。まずは、自分が住む自治体のウェブサイトで制度の有無、対象品目、助成額、申請期限などを確認してほしい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。
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