従来のスマートフォンの常識を覆す可能性を秘めた「Natural AI Phone」。日本市場では、ソフトバンクがNatural AI Phoneの独占販売を開始している。開発を手がけるブレインAIジャパンは、アプリを操作するという従来の体験を捨て、「人間の意思をAIが実行する」新しいインターフェースの実現に挑んでいる。その背景には、約10年にわたるAIエージェント技術の研究と、「人間とコンピューターの関係を根本から再設計する」という強いビジョンがある。そこで共同代表の安本晃基氏に、AIフォン開発の狙い、生成UIがもたらすユーザー体験の変化、企業としての成り立ち、AIが人の時間と行動をどう変えていくのか、話を聞いた。(BCN・佐相 彰彦)
安本晃基
共同代表
安本共同代表(以下、敬称略) ブレインAIジャパンは、次世代AIスマートフォンであるNatural AI Phoneの開発・展開を担う企業として、日本市場におけるプロダクトの提供やパートナーシップを推進しています。私自身は日本法人の共同代表であると同時に、米国本社であるブレイン・テクノロジーズでプログラムディレクターも兼務しています。米国本社は主にソフトウェア開発を担当し、日本側が市場展開をリードする形で、日米一体となって事業を進めています。
もともと米国本社は2015年に設立され、約10年にわたって研究開発を続けてきました。「人間とコンピューターの関係を根本から見直す」というビジョンには、多くの支援者が共鳴しています。日本市場ではソフトバンクさんと強力なパートナーシップを結び、日本市場を出発点にAIの普及を進めています。
――なぜAIフォンの開発に踏み切ったのでしょうか。
安本 通常のスマートフォンは、アプリを探して操作する「人間がデバイスに合わせる」という仕組みです。ユーザーはやりたいことのためにアプリを選び、使い方を覚え、複数のアプリを行き来する必要があります。しかし本来は、「人間のやりたいことこそが中心」であるべきです。発想を転換し、ユーザーの意図をAIが理解して実行する世界をつくろうと考えました。ユーザーが操作するのではなく、AIが代行する世界です。
Natural AI Phone
――他のスマートフォンとの違いはどこにありますか?
安本 最大の違いは「生成UI(Generative UI)」です。これは、ユーザーの要求に応じて、その場で最適な操作画面をAIが生成します。例えば商品を探したい場合、複数のECサイトを行き来する必要はありません。AIが横断的に情報を集め、一つの画面で完結します。アプリという概念を裏側に隠し、ユーザーには結果だけを見せます。インターフェースの大きな進化だといえます。
アプリを開かず目的に応じた操作を
シームレスに実行
安本 私たちのAIは、いわゆる「パーソナルエージェント」を目指しています。使えば使うほど、ユーザーの好みや行動、文脈を学習し、自然に意思を理解できるようになります。例えば「この前の化粧水をもう一度買って」といった曖昧な指示でも、過去の記憶から適切な商品を選び出せるようになります。また、技術的には情報を圧縮・整理することで、ほぼ無制限に記憶を蓄積できる設計を採用しています。時間とともに、さらに深くユーザーに寄り添う存在になっていきます。
使えば使うほどNatural AIが
蓄積した記憶を活用
――ユーザーはAIに全て任せることに不安を抱かないでしょうか。
安本 そこは非常に重要なポイントです。私たちは「Human in the Loop」という設計を採用しており、重要なアクションは必ずユーザーが最終判断を行います。例えば購入や送信などはAIが提案し、ユーザーが確認して実行するという流れです。AIが勝手に動くことはありません。また、AIの記憶についても、ユーザーは内容を確認・削除・制御できます。あくまで主導権は「人間」にあります。
安本 日本は先進国の中でもAIの利用率が低く、「難しそう」「怖い」と感じている方も多いのが現状です。その大きな理由の一つが、使いこなすためのハードルだと考えています。特にプロンプト入力などは、多くの方にとってハードルが高い。だからこそ、「ナチュラルに使えるAI」を目指しました。AIを意識せず、誰でも自然に使える体験を提供することで、日本におけるAIの壁を取り払いたいと考えています。
――日本市場での普及に向けてソフトバンクとパートナーシップを組んでいますね。どのように生まれたのですか。
安本 きっかけは米国での展示会です。Natural AI Phoneにつながる「コンセプトフォン」を紹介した際、ソフトバンクさんのある担当者の方がそのビジョンに共鳴してくださいました。もともと似た構想を持っていたこともあり、非常にスムーズに話が進みました。現在は日本で独占販売を行っていますが、このパートナーシップによって市場への展開を加速していきます。
安本 実は、現時点の機能はロードマップの30%にも達していません。今後はさらに多くの機能追加と高頻度アップデートを予定しています。また、複数サービスの連携も拡大し、「アプリを切り替えない世界」をさらに完成度高く実現していきます。ユーザーのフィードバックを高速で取り込みながら、プロダクト自体を進化させ続ける方針です。
――AIは今後どのように進化すると考えていますか。
安本 これからは「エージェントAI」が主流になります。その中で重要なのは、どれだけ人間を理解し、寄り添えるかです。AIが細かな作業を肩代わりすることで、人間はより本質的な活動、つまり創造や問題解決に時間が使えるようになるはずです。最終的には、AIは単なるツールではなく、人生を豊かにするパートナーへと進化していくと考えています。
共同代表
人間が操作する時代は終わる 「Natural AI Phone」開発の原点
――まずブレインAIジャパンについて教えてください。安本共同代表(以下、敬称略) ブレインAIジャパンは、次世代AIスマートフォンであるNatural AI Phoneの開発・展開を担う企業として、日本市場におけるプロダクトの提供やパートナーシップを推進しています。私自身は日本法人の共同代表であると同時に、米国本社であるブレイン・テクノロジーズでプログラムディレクターも兼務しています。米国本社は主にソフトウェア開発を担当し、日本側が市場展開をリードする形で、日米一体となって事業を進めています。
もともと米国本社は2015年に設立され、約10年にわたって研究開発を続けてきました。「人間とコンピューターの関係を根本から見直す」というビジョンには、多くの支援者が共鳴しています。日本市場ではソフトバンクさんと強力なパートナーシップを結び、日本市場を出発点にAIの普及を進めています。
――なぜAIフォンの開発に踏み切ったのでしょうか。
安本 通常のスマートフォンは、アプリを探して操作する「人間がデバイスに合わせる」という仕組みです。ユーザーはやりたいことのためにアプリを選び、使い方を覚え、複数のアプリを行き来する必要があります。しかし本来は、「人間のやりたいことこそが中心」であるべきです。発想を転換し、ユーザーの意図をAIが理解して実行する世界をつくろうと考えました。ユーザーが操作するのではなく、AIが代行する世界です。
――他のスマートフォンとの違いはどこにありますか?
安本 最大の違いは「生成UI(Generative UI)」です。これは、ユーザーの要求に応じて、その場で最適な操作画面をAIが生成します。例えば商品を探したい場合、複数のECサイトを行き来する必要はありません。AIが横断的に情報を集め、一つの画面で完結します。アプリという概念を裏側に隠し、ユーザーには結果だけを見せます。インターフェースの大きな進化だといえます。
シームレスに実行
「パーソナルエージェント」として進化するAI
――AIによるユーザーの理解(記憶・学習)はどこまで進むのでしょうか。安本 私たちのAIは、いわゆる「パーソナルエージェント」を目指しています。使えば使うほど、ユーザーの好みや行動、文脈を学習し、自然に意思を理解できるようになります。例えば「この前の化粧水をもう一度買って」といった曖昧な指示でも、過去の記憶から適切な商品を選び出せるようになります。また、技術的には情報を圧縮・整理することで、ほぼ無制限に記憶を蓄積できる設計を採用しています。時間とともに、さらに深くユーザーに寄り添う存在になっていきます。
蓄積した記憶を活用
――ユーザーはAIに全て任せることに不安を抱かないでしょうか。
安本 そこは非常に重要なポイントです。私たちは「Human in the Loop」という設計を採用しており、重要なアクションは必ずユーザーが最終判断を行います。例えば購入や送信などはAIが提案し、ユーザーが確認して実行するという流れです。AIが勝手に動くことはありません。また、AIの記憶についても、ユーザーは内容を確認・削除・制御できます。あくまで主導権は「人間」にあります。
日本でAIが普及しない理由を壊したい
――なぜ日本市場に注力しているのでしょうか。安本 日本は先進国の中でもAIの利用率が低く、「難しそう」「怖い」と感じている方も多いのが現状です。その大きな理由の一つが、使いこなすためのハードルだと考えています。特にプロンプト入力などは、多くの方にとってハードルが高い。だからこそ、「ナチュラルに使えるAI」を目指しました。AIを意識せず、誰でも自然に使える体験を提供することで、日本におけるAIの壁を取り払いたいと考えています。
――日本市場での普及に向けてソフトバンクとパートナーシップを組んでいますね。どのように生まれたのですか。
安本 きっかけは米国での展示会です。Natural AI Phoneにつながる「コンセプトフォン」を紹介した際、ソフトバンクさんのある担当者の方がそのビジョンに共鳴してくださいました。もともと似た構想を持っていたこともあり、非常にスムーズに話が進みました。現在は日本で独占販売を行っていますが、このパートナーシップによって市場への展開を加速していきます。
AIが人間の時間を取り戻す未来像
――今後の展開について教えてください。安本 実は、現時点の機能はロードマップの30%にも達していません。今後はさらに多くの機能追加と高頻度アップデートを予定しています。また、複数サービスの連携も拡大し、「アプリを切り替えない世界」をさらに完成度高く実現していきます。ユーザーのフィードバックを高速で取り込みながら、プロダクト自体を進化させ続ける方針です。
――AIは今後どのように進化すると考えていますか。
安本 これからは「エージェントAI」が主流になります。その中で重要なのは、どれだけ人間を理解し、寄り添えるかです。AIが細かな作業を肩代わりすることで、人間はより本質的な活動、つまり創造や問題解決に時間が使えるようになるはずです。最終的には、AIは単なるツールではなく、人生を豊かにするパートナーへと進化していくと考えています。






