生活雑貨からコスメ、文具、DIY用品など、あらゆるジャンルの商品が揃う東急ハンズ。客層は国籍・年代問わず幅広く、特定の分野に特化した趣味人にとっても信頼できるトレンドの発信地だ。その熱気を生み出しているのが、知識豊富な販売員。彼らは、マニアにとっても頼れるアドバイザーになっている。そんな同店の魅力を煮詰めたような“濃い”売り場が、昨年3月に東急ハンズ新宿店に出現した。ジャンルを極めた販売員が店主を務める19の商店からなるショップインショップ「Hi! Tenshu」だ。

あらゆるジャンルの趣味人から注目を集めている東急ハンズ新宿店の「Hi! Tenshu」

 今回、お邪魔したのは多くのデジタルガジェットを集めた「デジモノガタリ商店」。店主の長野健介氏は、アウトドアからインドアまで幅広いアクティビティに精通する根っからの趣味人。とりわけ、デジモノは若いころから感度高く追いかけてきたという。
 
「デジモノガタリ商店」の店主・長野健介氏

 デジモノガタリ商店には、新宿店のバイヤーと長野氏がセレクトしたこだわりのアイテムが揃う。最新のトレンドはもちろん、長野氏が独自の目線でチョイスした一品、日本でなかなか手に入らないレアものなどもあり、その趣はさながら個人商店のようだ。家電量販店では、スペックやメーカーで商品が区分されていることが多いが、デジモノガタリ商店は陳列の自由度も高い。目当ての商品でなくても、こんなアイテムがあるのかと思わず興味を持って、立ち止まってしまう。
 
店主の趣味がにじみ出る個人商店のような売り場

 そんな好奇心をくすぐる売り場の魅力をさらに高めているのが、店主のトークだ。Hi! Tenshuでは特定のメーカーに肩入れしたり、売りを急かしたり、というようなことは一切ない。購入や利用に関するお客さんの悩みの相談に乗ったり、商品のブランドストーリーを語ったりと、“好き”が高じているのがよく分かる接客をしてくれる。リピーターが多数いるのもうなずける。

 長野氏が大事にしているのは、まず自分でも使ってみること。例えば、撮影用のドローンは価格が下がったとはいえ、初心者にとって購入ハードルが高い。長野氏は、実施に自分が撮影した映像を見せたり、使用時の注意点を示したりすることでお客さんの不安を解消する。「ときには、難しすぎる質問に一緒になって悩むこともある」と苦笑いするが、売り場でそんなレベルの話が出るのも信頼関係が構築できているからだ。
 
撮影用のドローンの購入ハードルは高いが……
 
店主が同じ商品で撮影した動画を見れば、具体的な利用イメージが沸く。
利用時の注意点なども教えてもらえるので安心

 東急ハンズが販売するスマートフォン(スマホ)周辺機器のバリエーションは幅広さが有名だが、デジモノガタリ商店はその中でも随一の品揃え。海外メーカーが販売する珍しいスマホケースやスマホの操作性を高めるポップクリップなど、最新のトレンドに触れることができる。
 
珍しい海外メーカーのスマホケースも揃う
 
同店の売り場から火が付いたというポップクリップ。
最新モデルは本体が分離することで無線充電Qiに対応している
 
Qiの充電器も豊富に用意

 デジモノガタリ商店以外にもHi! Tenshuには、トラベルやヘルスケア、掃除、寝具などさまざまなジャンルのこだわりアイテムとスペシャリストが揃っている。マニアの空間というとどうしても近寄りづらいものだが、東急ハンズ内のHi! Tenshuは全く敷居の高さが無い。興味本位で気軽に立ち寄れる。もしかすると、思いがけず新しい趣味の扉が開くかもしれない。(BCN・大蔵 大輔)