消せるボールペンという文房具の新ジャンルを開拓した、パイロットコーポレーションの「フリクション」シリーズ。日本では2007年10月に初代「フリクションボール」が発売され、10年以上のロングセラーヒットを記録している。ところで、みなさんはフリクションに対して、どんなイメージをもっているだろうか。もしかすると、それは「インクが薄い」「きれいに消せない」などのネガティブなものかもしれない。記者も同じ印象を抱いていたのだが、2月24日に開催された東急ハンズ主催の「文具祭り2019」で、最新のフリクションに触れ、イメージを覆された。いまのフリクション、すごいです。

発売から10年以上もヒットしているパイロットの「フリクション」シリーズ。
実はひっそりと飛躍的な進化を遂げていた

 まず、驚いたのがインクの濃さ。フリクションシリーズはフリクションインクという特殊なインクを採用しており、書いたあとで消すことができるのもこのインクのおかげ。ただ、通常のボールペンのインクと比較すると、どうしても色味が薄いという弱点があった。それが、この11年でインクの濃さが大幅に改善。くっきりとした文字が書けるようになった。公表はしていないが、担当者の話では初代より約30%濃いそうだ。

 ペン上部に備わった消去用ラバーの性能も昔のフリクションしか知らなければ、きっと驚くはずだ。初代のフリクションは、文字を消すためにラバーにそれなりの力を入れなければいけなかったし、なにより微妙に消した跡が残ってしまっていたが、最新のフリクションは軽くこすってもきれいに文字を消すことができる。ラバーの素材をコツコツと改良してきた成果とのことだが、これだけ変わったのなら「もっと主張すればいいのに…」と思わずにはいられない。なぜこんなにひっそりと進化させてしまったのか。
 
初代と比較してインクが約30%濃く、
なのに軽くこすってもきれいに文字が消せるようになった

 今回の「文具祭り2019」でもう一つ、新たな発見があった。それは“消せる”ボールペンがパイロット以外からも発売されていたことだ。2017年1月の発売なので、文房具ファンからすれば「なにを今更」と思われるかもしれないが、記者のように知らなかった人のために紹介しておきたい。三菱鉛筆の「uni-ball R:E(ユニボール アールイー)」だ。
 
2017年から消せるボールペン市場に参入した
三菱鉛筆の「uni-ball R:E」

 摩擦熱によってインクが無色になるという仕組みはパイロットのフリクションシリーズと同じ。異なるのは、文字を消すラバー部だ。uni-ball R:Eをよく見るとフリクションと異なり、ペンの先端のラバーにキャップがついていることがわかる。まだ参入から日は浅いが、試し書き・試し消ししてみると、十分なインクの濃さと文字の消えやすさが両立していることを確かめることができた。
 
消去用ラバーにキャップがついているのが特徴
 
インクの濃さ・文字の消えやすさ、ともに優秀!

 昨年11月には待望の3色ボールペンタイプを発売し、ラインアップも揃ってきたuni-ball R:E。圧倒的王者として君臨するパイロットにどのように立ち向かうのか、今後が楽しみな存在だ。文房具は使ってみないと価値が分からないというが、現在の“消せる”ボールペンはまさにそれ。とにかく文房具店のお試し紙に一本線を引いて、消してみてほしい。消せるボールペンを初めて使ったときの感動がプレイバックするはずだ。(BCN・大蔵 大輔)