ヤフーは、2月4日に発表した2019年3月期第3四半期決算説明会の中で、モバイル決済サービス「PayPay」に注力しながら、そこで得たデータを活用して「販促市場」を取り込んで新たなビジネスを展開する方針を明らかにした。広告市場と販促市場で23年に5000億円の売上を作り出す目標を掲げている。

ヤフーは「PayPay」を活用した新ビジネスを展開して23年に売上高5000億円を目指す

 具体的には、「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」「ショッピング広告」など従来のビジネスモデルに加えて、統合マーケティングソリューションの提供を強化。17年3月期の時点で3034億円だった売上高を、5000億円まで引き上げるという。

 決算説明会では、川邊健太郎社長が「これまで培ってきたeコマースは、オンライン上の生活をカバーしてきた。これからは、『PayPay』などのモバイルペイメントを活用して、オフライン上の生活もカバーできるようになる。オンライン・オフラインにまたがった形でビジネスを展開し、15兆円規模といわれる販促市場から新たな売り上げを上げていく」と説明する。
 
川邊健太郎社長

 新たなプロダクトについては、飲食・小売店用クーポンなどを考案しているという。例えば、「PayPay」とヤフーのIDを連動させてユーザーの購買データを分析し、ターゲットに合ったクーポンを配信する。受け取ったユーザーは、リアル店舗に行き、クーポンを使ってモバイルペイメントで決済する。このようなオンラインとオフラインを連携させた「統合マーケティングソリューション」で、オフラインの販促につなげる狙いがある。
 
認知から購入に至るまでの流れとビジネス効果を可視化し、
最大化させることで利益につなげる仕組み

 「PayPay」は、ヤフーとソフトバンクの合弁会社で、18年12月に実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」で話題になった。キャンペーンの効果から、ヤフー史上最速で400万人以上のユーザー数を獲得し、現在も成長を続けている。さらに、19年2月12日から第2弾の「100億円キャンペーン」を実施。利用者は、ますます増えていく見込みだ。
 
18年~22年は投資フェイズと位置付ける

 「PayPay」で大規模なキャンペーンが続けて実施されるのは、ヤフーが「PayPay」から得たデータを基にオフライン市場に進出しようとしているからだ。キャンペーンによって「PayPay」のユーザー数や加盟店数を増やすことは、新事業の土台づくりにつながる。川邊社長は、「18年から22年まで、構造変革期間として投資を続けるので、営業利益は1400億円以上の水準を維持。23年には過去最高益の2250億円を目指したい」と語った。

 なお、19年3月期第3四半期の連結決算は、売上高が7075億9000万円(前年同期比7.4%増)、営業利益が1196億7900万円(同19.0%減)、税引前四半期利益が1102億4300万円(29.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が701億7200万円(32.0%減)だった。