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ソフトバンク上場も波乱の船出、公開価格割れ招いた3つの要因

経営戦略

2018/12/19 12:35

 ソフトバンクは12月19日、東京証券取引所市場第一部に上場した。初値は、公開価格の1500円を2%程度下回る1463円。その後も上昇気配が見えず、11時30分時点で1300円台後半で推移している。

12月19日に東京証券取引所市場第一部に上場したソフトバンクの株価は
11時30分時点で公開価格を下回っている

 今年1月に東証一部上場の方針を発表し、資金調達額が史上最大規模として注目を集めたIPO(新規公開株式)。予定通り、年内に上場する運びとなったが、市場全体の投資マインドが低下していることに加えて、12月に発生したいくつかのマイナス要因も重なり、順調な滑り出しとはいかなかった。

 ソフトバンクにとっては、まさに試練といえる12月上旬だった。ブックビルディング期間の12月6日に全国でソフトバンクとワイモバイルの4G(LTE)携帯電話サービス、固定電話サービスで大規模な通信障害が発生。原因は、エリクソン製の交換機ソフトウェアの異常だったが、個人投資家の間で動揺が広がった。

 さらに、米中貿易戦争に端を発するファーウェイショックが追い打ちをかける。ソフトバンクは通信基地局にファーウェイ製を採用しており、5日に報道されたファーウェイの孟晩舟・最高財務責任者(CFO)逮捕のニュースは、通信障害にも関連性があるのではないかとの憶測を招いた。

 極め付きは、ソフトバンクとヤフーの共同出資会社であるPayPayのクレジットカード不正利用問題だ。4日から実施していた「100億円あげちゃうキャンペーン」は盛況のうちに終了したが、サービスの引き落としクレジットカードの登録がセキュリティコード入力に上限を設けていなかったために不正利用のターゲットにされた。

 上場を控えた前日には、親会社であるソフトバンク&SBIグループ株式ファンドの株価が大幅下落。19日現在も続落している。