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アップルのiPadからAirPodsシフト鮮明、au PAYのキャンペーン条件変更で

 スマートフォン(スマホ)決済サービス「au PAY」のキャンペーン条件の変更によって、消費者のニーズがタブレット端末で人気の高いiPadから、完全ワイヤレスイヤホンAirPodsにシフトしている様子が、全国の主要家電量販店ネットショップPOSデータを集計した「BCNランキング」の動きから明らかになった。


 au PAYの「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」は2月24日からステージ1の第3週目に入った。第1週は2月10日(月)と11日(火)の2日間、第2週は17日(月)の1日、第3週は24日(月)の1日という具合に、今のところ毎週月曜日に終了する形で推移している。

 キャンペーン期間中のタブレット端末販売台数の前年比推移を日次で追ったグラフを見てみると、第1週は前年比313.1%、第2週は316.9%と、キャンペーン実施日に3倍以上に上振れする傾向だった。しかし、第3週は180.1%とおとなしくなっている様子がわかる(といっても、約2倍近くの売れ行きなのだが)。

 直前の2月20日にau PAYアプリ上で告知された「1日当たり還元上限6000ポイント(ステージ期間中は最大3万ポイント)」の条件変更が大きく影響していると思われる。それまで15万円の買い物で3万ポイントの獲得が可能だったが、条件変更によって期間中の還元上限に到達するには、3万円の買い物を5日行わなければならなくなったからだ。

 BCNランキングの2月24日のタブレット端末機種別ランキングTOP10(販売台数ベース)を見ても、アップルの直販サイト価格で税別3万4800円の「10.2インチiPad Wi-Fi 32GB」が上位3機種を占めている。ワンマーク上の4万4800円の128GBモデルは4位、5位、8位といった具合で、au PAYで1日当たり還元上限の6000ポイントを獲得できる「3万円」ラインに、ユーザーは敏感に反応しているようだ。
 

 それでも、2月24日は令和初の天皇誕生日の振替休日で、前年が平日だったこととau PAYのキャンペーンが重なったことを考慮すれば、前年比はもっと伸びてもよかったと思われる。第2週(2月17日)に約半分にまで落ち込んだ需要の残りはどこにいったのか。

 BCNランキングの各カテゴリを調べてみると、完全ワイヤレスイヤホンを含む「ヘッドセット」の販売台数がキャンペーンの第3週(2月24日)に急増していることが分かった。
 

 ヘッドセットの販売台数がキャンペーンの第1週(2月11日)は前年比180.2%、第2週(2月17日)は144.5%とそれなりに伸びて、第3週でふたたび171.6%まで跳ね上がっているのである。

 ヘッドセットの中でも販売台数シェアの高いアップルのAirPods Proの価格は、税別2万7800円(税込3万580円)。この実に絶妙な価格が、au PAYユーザーの購買行動をiPadからAir Podsに変えさせたという一つの仮説が成り立ちそうだ。

 しかしながら、「10.2インチiPad Wi-Fi 32GB」の税別3万4800円も同じ3万円台の商品に違いないのだが、2万7800円のAirPods Proにシフトするあたり、6000ポイントの還元上限きっちり、つまり20%還元きっちりを狙ってくるユーザーの価格にシビアな行動を反映していると言える。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。