• ホーム
  • トレンド
  • au PAYのキャンペーン、「後出し」条件変更も改善せず、「正味1週間」化が濃厚に

au PAYのキャンペーン、「後出し」条件変更も改善せず、「正味1週間」化が濃厚に

 スマートフォン決済サービス「au PAY」の「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」は、当初の期間中の還元上限3万ポイントから1日当たり還元上限6000ポイント(期間中は3万ポイント)に条件変更して2月24日から第3週に突入した。しかし、結果は前週と同じ「当日終了」。キャンペーンの長期化による多くのユーザー獲得を狙ったKDDI(au)だが、「毎週月曜日だけ」の正味、約1週間のキャンペーンになりつつある。

第3週も当日に終了したau PAYの「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」

二度の条件変更

 同キャンペーンはau PAYアプリで買い物をすると20%相当の「au WALLETポイント」が付与される。2月10日~3月29日の7週にわたるロングキャンペーンを予定しているが、初週は月曜日と火曜日の2日、第2週は月曜日の1日、第3週も月曜日の1日だけで終了。この調子でいけば、正味、8日だけの実施に終わってしまう雲行きなのだ。

 キャンペーンは7週を次の三つに分類し、ステージごとにポイントの還元上限を設けている。ステージ1(2月10日~3月1日)が3万ポイント、ステージ2(3月2日~22日)が3万ポイント、ステージ3(3月23日~29日)が1万ポイントといった具合だ。毎週10億円相当の還元ポイントが用意され、それがなくなったらその週のキャンペーンは終了となり、次週から再開されるという仕組みだ。
 
BCNで作成した当初のキャンペーン概要図

 ところが、KDDIはキャンペーンが始まると後出しで条件を二度、変更した。一度は「翌日に終了しそうな旨を前日に告知する」としていたルールを、「当日の終了もある。その場合、終了しそうな当日の17時までに告知する」という内容に変更した。キャンペーンが第2週に突入する2月17日の2日前、15日に告知した。

 当日の終了もありうることから、17日の月曜日に買い物が集中。ユーザーの予想通り、当日の終了が告知された。平日の月曜日しか買い物できないことに対するユーザーの不満もあるが、気の毒なのは月曜定休のau PAY対応の加盟店も同じだろう。他の店と同じ条件でau PAYに対応させたのに、このままでは定休日を変えない限りキャンペーンによる集客数増などの恩恵を受けることができない。

 二度目の条件変更が、冒頭の還元上限3万ポイントから1日当たり6000ポイントへの変更だ。20日にau PAYアプリ上で告知された。KDDIはその理由を「2月10日(月)からのキャンペーン状況を考慮し、より多くのお客さまに本キャンペーンをご利用いただくため」としている。
 
BCNで作成した条件変更後のキャンペーン概要図

月曜だけじゃ「6000ポイント×5日」が不可能に

 1日当たり6000ポイントの還元上限が設けられたことで、期間中の還元上限に到達するためには、3万円の買い物を5日行わなければならなくなった。その分、より多くのユーザーにポイントが還元でき、キャンペーンの実施日も増やせると目論んだわけだ。

 だが、実際はKDDIの思い描いた通りにはならなかった。1日当たりの上限ポイントを引き下げたにもかかわらず、月曜日に終了せざるを得ない事態になってしまったのだ。
 
2月24日も月曜日だけで終了することになった

 KDDIは今、攻めるも地獄、引くも地獄の難しい選択を迫られているようだ。キャンペーンの特典内容の第1項目に記載してある「期間中、決済額に応じて最大7万円分のポイントをプレゼントします(最大20%還元)」が難しくなっているからだ。

 例えば、来週から始まるステージ2(3月2日~22日)の還元上限は3万ポイントだが、1日当たり6000ポイントの制限を設けたばかりに、これまでのように3月2日、9日、16日の月曜日だけで終わってしまったら「6000ポイント×3日=1万8000ポイント」しか獲得できない。

 あくまでも仮定の話ではあるが、ステージ2で最大3万ポイントを獲得するには、あと2日追加で開催しないと実現不可能となる。キャンペーン期間トータルで7万ポイントの獲得はさらにハードルが高い、というより、そもそも実現できるものなのか微妙だ。

 もう一つの可能性が、三度目の条件変更による1回当たりの上限ポイントのさらなる引き下げだ。3000ポイントや1000ポイントに引き下げれば、キャンペーンの開催日を増やすことはできるだろう。しかし、三度にわたる条件変更が、ユーザーや加盟店からの信頼の喪失やau PAYブランドの棄損につながることは間違いないだろう。

 大盤振る舞いの毎週10億円還元で新規ユーザー数の獲得を目論んでスタートした「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」は、舵取りが難しくなっている。(BCN・細田 立圭志)