2025年は昨年より早い時期からインフルエンザの流行が始まっています。新型コロナの感染者数も増えており、ウイルス対策への意識を強くしている方も多いでしょう。今回、紹介するのは新機軸の技術によって「水だけ」で効果的な除菌を実現する、プルガティオの空気ケアアイテム「moya(モヤ) Craft」です。
プルガティオの空気ケアアイテム「moya Craft」をレビュー。
独自技術がもたらす加湿&ウイルス除去の効果を検証
一般家庭向けのウイルス対策ができる家電製品といえば、空気清浄機や加湿器などが代表的です。よりしっかりとした対策をしている人ならオゾン発生器などを使っているかもしれません。moya Craftはこうした製品とアプローチ自体は同じですが、技術的なブレイクスルーでより効果的かつ安全な対策を可能にしています。
moya Craftとmoya Ultraの2機種を展開。
異なるのは、適用床面積だけで性能は変わらない
moya Craftがウイルスを除菌する仕組みは以下の通りです。
(1)注入した水道水から不純物を取り除いて純水にする
(2)純水からミストを発生させ、その中の粒子の小さいナノミストだけを取り出して放出する
(3)ナノミストをウイルスに付着させ、不活化する
ミストを放出するという点では、加湿器に近い構造の製品です。ただ、「水道水を純水にする」「ナノミストだけを取り出す」という部分がミソで、moya Craftならではのアプローチとなっています。同社はこの独自の工程を「ウイルスリダクションシステム」と定義しています。
安藤ハザマ技術研究所との共同研究結果。
純水がウイルス除去に高い効果を発揮する事実には、
きちんとしたエビデンスがある
次に、それならどのメーカーでも簡単にマネできてしまうのでは?…という疑問が浮かびますが、空間浮遊ウイルスを99.9%減少させるには、「純水で生成された超微細な粒子を放出させる」という条件が必要で、それを満たすのが非常に難しいとのこと。同社自慢のウイルスリダクションシステムがあって、初めて実現するものなのです。
正直、ウイルス除去の効果については発表されているデータ以上の根拠を示すことはできないので、本機のデザインや加湿器+αのアイテムとしての性能、使い勝手を中心にお伝えします。
まずは本体のデザインから紹介します。加湿器のような空調に関連する機器は見える場所に出しておく必要があるので、デザインも軽視できない重要な要素です。moya Craftは円柱形状の機器で、見た目は極限まで無駄を削ぎ落しています。素材はステンレスと樹脂を採用しており、上部のホワイトもしくはブラックの縁取りがワンポイントになっています。
moya Craftのタンク容量は4.5Lとかなりの大容量です。これだけの量になると、水を注入するのが大変そうですが、フタ全体を取り外してじゃばじゃばと入れることができる設計なので、非常に使いやすいです。また、フタの上にはセラミックの円盤を被せることで、デザインが犠牲にならないようにしているのも、よく考えられています。
水は上部から注入する。口が大きいので、準備もしやすい
注入口はセラミックの円盤のフタで閉められるようになっており、
見た目の良さも損なわない
ミストは本体上部から放出されますが、際立っているのはmoya Craftならではの技術によって生成されるナノミストです。粒子の細かいミストは蒸発しやすいことから物体の表面に残りづらいという特性があります。試しに眼鏡を放出口にさらしてみたところ、レンズはまったく曇りませんでした。
ナノミストはその性質から物体に結露ができにくい
眼鏡のレンズを至近距離でかざしても、
まったくレンズは曇らなかった
結露が発生しないということは、窓に近い場所においても水滴が付着する心配がありません。家電製品が多い部屋に設置する場合も、適切な距離をとる必要はありますが、故障のリスクを抑えることができます。
重要な加湿効果においても、いくつかのメリットがあります。例えば、ナノミストは粒子が軽いため、空気中を漂いやすく、部屋の隅々まで水分が均一に行き渡ります。肌に触れた際には角質の奥にまで浸透しやすいため、肌の乾燥対策という観点からも高い効果が期待できます。
最大のポイントであるウイルス対策効果については、短いレビュー期間では実感を得るまでには至りませんでしたが、ナノミストが細かいハウスダストに付着して落下させるという特性を考慮すれば、ある程度の効果は見込めることが推測できます。
ここに「純水がウイルスの減少に効果的」というmoya Craftならではのファクターが加わることで、確証とまでは言えませんが、筆者としては「確かに効果がありそうだ」という納得感を得ることができました。
アプリでは、手動モード・ウイルスリダクションモード・ウイルスリダクション+加湿モードの切り替え時にも使用します。さらに時間単位で細かくスケジュールを設定できるので、手間をかけずに、自分のライフスタイルに合った運用を実現してくれます。
本体は電源スイッチのみで、
基本的な操作はすべてアプリから行う
定期的に交換が必要な
「IonCellカートリッジ for moya Craft」の価格は6930円
ただ、個人での検証が難しいため、レビューにおいては、ウイルス減少効果がどうしても控えめな評価になってしまうということは付け加えておきます。公称通りの効果をもたらすデバイスだとすれば、金額に見合う恩恵を享受できる製品といえるかと思います。
既存の加湿器をはじめとしたウイルス対策アイテムに物足りなさを感じている方、小さい子どもや高齢の両親の健康と安全に万全を期したいという方であれば、試す価値はあるのではないでしょうか。「本当に効果はあるのか?」という興味も含め、これからインフルエンザの流行が本格的になるにつれ、さらに話題になりそうな予感です。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中
独自技術がもたらす加湿&ウイルス除去の効果を検証
ただの加湿器ではない?moya Craft独自の「ウイルスリダクションシステム」とは
プルガティオはもともと法人向けにウイルス・菌・カビに対応する空間技術の開発や関連製品の販売を行っていた企業で、今回のmoya Craftはその高い研究力を生かして開発されたコンシューマ向け製品です。一般家庭向けのウイルス対策ができる家電製品といえば、空気清浄機や加湿器などが代表的です。よりしっかりとした対策をしている人ならオゾン発生器などを使っているかもしれません。moya Craftはこうした製品とアプローチ自体は同じですが、技術的なブレイクスルーでより効果的かつ安全な対策を可能にしています。
異なるのは、適用床面積だけで性能は変わらない
moya Craftがウイルスを除菌する仕組みは以下の通りです。
(1)注入した水道水から不純物を取り除いて純水にする
(2)純水からミストを発生させ、その中の粒子の小さいナノミストだけを取り出して放出する
(3)ナノミストをウイルスに付着させ、不活化する
ミストを放出するという点では、加湿器に近い構造の製品です。ただ、「水道水を純水にする」「ナノミストだけを取り出す」という部分がミソで、moya Craftならではのアプローチとなっています。同社はこの独自の工程を「ウイルスリダクションシステム」と定義しています。
「純水で空間浮遊ウイルスが99.9%減少する」という目からウロコの発見
moya Craftの最大のブレイクスルーといえるのが、「純水で空間浮遊ウイルスが99.9%減少する」という発見です。ただの水でウイルスが除菌できるなんて眉唾モノでは?…という疑問は、多くの読者と同じく筆者も抱きましたが、大手建築会社である安藤ハザマの技術研究所との共同研究で明らかになったエビデンスのあるもので、信頼性は高いといえます。
純水がウイルス除去に高い効果を発揮する事実には、
きちんとしたエビデンスがある
次に、それならどのメーカーでも簡単にマネできてしまうのでは?…という疑問が浮かびますが、空間浮遊ウイルスを99.9%減少させるには、「純水で生成された超微細な粒子を放出させる」という条件が必要で、それを満たすのが非常に難しいとのこと。同社自慢のウイルスリダクションシステムがあって、初めて実現するものなのです。
加湿器としてのパワーも優秀!実はいろいろあるナノミストの利点
冒頭から学術的な内容が多くなってしまいましたが、ここからは小難しい理屈は一旦脇に置いて、スタンダードモデルである「moya Craft」を実際に使用して分かったポイントを、生活者の目線からレポートしたいと思います。正直、ウイルス除去の効果については発表されているデータ以上の根拠を示すことはできないので、本機のデザインや加湿器+αのアイテムとしての性能、使い勝手を中心にお伝えします。
まずは本体のデザインから紹介します。加湿器のような空調に関連する機器は見える場所に出しておく必要があるので、デザインも軽視できない重要な要素です。moya Craftは円柱形状の機器で、見た目は極限まで無駄を削ぎ落しています。素材はステンレスと樹脂を採用しており、上部のホワイトもしくはブラックの縁取りがワンポイントになっています。
moya Craftのタンク容量は4.5Lとかなりの大容量です。これだけの量になると、水を注入するのが大変そうですが、フタ全体を取り外してじゃばじゃばと入れることができる設計なので、非常に使いやすいです。また、フタの上にはセラミックの円盤を被せることで、デザインが犠牲にならないようにしているのも、よく考えられています。
見た目の良さも損なわない
ミストは本体上部から放出されますが、際立っているのはmoya Craftならではの技術によって生成されるナノミストです。粒子の細かいミストは蒸発しやすいことから物体の表面に残りづらいという特性があります。試しに眼鏡を放出口にさらしてみたところ、レンズはまったく曇りませんでした。
まったくレンズは曇らなかった
結露が発生しないということは、窓に近い場所においても水滴が付着する心配がありません。家電製品が多い部屋に設置する場合も、適切な距離をとる必要はありますが、故障のリスクを抑えることができます。
重要な加湿効果においても、いくつかのメリットがあります。例えば、ナノミストは粒子が軽いため、空気中を漂いやすく、部屋の隅々まで水分が均一に行き渡ります。肌に触れた際には角質の奥にまで浸透しやすいため、肌の乾燥対策という観点からも高い効果が期待できます。
最大のポイントであるウイルス対策効果については、短いレビュー期間では実感を得るまでには至りませんでしたが、ナノミストが細かいハウスダストに付着して落下させるという特性を考慮すれば、ある程度の効果は見込めることが推測できます。
ここに「純水がウイルスの減少に効果的」というmoya Craftならではのファクターが加わることで、確証とまでは言えませんが、筆者としては「確かに効果がありそうだ」という納得感を得ることができました。
アプリで最適化やスケジュール設定も可能
本体はきわめてシンプルなインターフェースのmoya Craftですが、アプリの機能は充実しています。購入したらすぐにやっておきたいのが、設置する部屋の広さの登録です。加湿量などを畳数に合わせてコントロールしてくれるので、効果を最大化することができます。アプリでは、手動モード・ウイルスリダクションモード・ウイルスリダクション+加湿モードの切り替え時にも使用します。さらに時間単位で細かくスケジュールを設定できるので、手間をかけずに、自分のライフスタイルに合った運用を実現してくれます。
基本的な操作はすべてアプリから行う
価格は約7万円。カートリッジは定期的な交換が必要
効果的なウイルス対策ができる、かつ加湿器としての性能も非常に高い機器であるmoya Craftの公式オンラインストア価格は6万9800円。通常の加湿器と比較すると、高級機の部類に入ります。水道水を純水にするために必要なIonCellカートリッジは定期的な交換が必要で、これも6930円とそれなりのお値段です。
「IonCellカートリッジ for moya Craft」の価格は6930円
ただ、個人での検証が難しいため、レビューにおいては、ウイルス減少効果がどうしても控えめな評価になってしまうということは付け加えておきます。公称通りの効果をもたらすデバイスだとすれば、金額に見合う恩恵を享受できる製品といえるかと思います。
既存の加湿器をはじめとしたウイルス対策アイテムに物足りなさを感じている方、小さい子どもや高齢の両親の健康と安全に万全を期したいという方であれば、試す価値はあるのではないでしょうか。「本当に効果はあるのか?」という興味も含め、これからインフルエンザの流行が本格的になるにつれ、さらに話題になりそうな予感です。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中





