東京国立博物館本館の体験型展示「日本美術のとびら」がリニューアル

イベント

2026/07/01 15:00

 国立文化財機構の文化財活用センターは6月30日に、東京国立博物館(東京都台東区)・本館の体験型展示「日本美術のとびら」をリニューアルオープンした。「日本美術のとびら」の新デジタルコンテンツとなる「とーはくワンダーウォール」では、東京国立博物館が所蔵する約12万件に及ぶ膨大なコレクションの中から、当日館内で鑑賞できる作品を「きょう、出会う一点」として来館者に提示してくれる。

リニューアル後の「日本美術のとびら」

「きょう、出会う一点」として来館者に提示

 「とーはくワンダーウォール」は、東京国立博物館が所蔵する壮大な文化財の世界への入口として、来館者の好奇心を喚起するとともに、鑑賞体験をより主体的で豊かなものへと導くインタラクティブコンテンツ。コンテンツ制作は、内田洋行とパワープレイスが担当している。

 東京国立博物館を訪れると、最初の展示として同博物館全体やこの後の展示室で待つ作品たちの魅力を伝える、約2分間の特別映像と出会える。映像は幅14mの大型スクリーンに映し出され、1872年の湯島聖堂博覧会から、2022年の創立150周年までの歴史を軸に、「松林図屏風」「古今和歌集(元永本)」「遮光器土偶」といった、東京国立博物館を代表する名品が数多く登場する。

 この映像を通じて、日本美術とアジア・世界の美術作品との深いつながりや、東博のコレクションの多彩さを感じられる。また、法隆寺宝物館や黒田記念館といった他施設も横断的に紹介されるため、館内を巡る楽しさ、国や時代、ジャンルの違う作品に新しく出会うわくわく感も味わえる。
 
東京国立博物館や収蔵作品を紹介する
特別映像のイメージ

 あわせて、来館者がスクリーンの前に立って、自身で操作することによって、「今日出会えるおすすめの1点」を提案してくれる、体験型デジタルコンテンツも用意している。同コンテンツにて提示される文化財は、来館者が必ず見られる、その日に展示されている約3000点の名品から抽出されており、同博物館のウェブ情報や所蔵品データベース「ColBase」の作品情報と連動しつつ、リアルタイムに選ばれて表示される。
 
体験型デジタルコンテンツの利用イメージ

 体験型デジタルコンテンツでは、東京国立博物館の研究員が選んだ「推しの名品」が表示される「研究員の推しと出会う!」、くじ引きのようにガラポンを回すことで、「見るべき1点」と出会える「一期一会ガラポン!」、散策がてら出会える、少し離れた展示館にある名品を提案する「東博をめぐってお宝と出会う!」、特に国宝・重要文化財の中から1点をピックアップする「国宝や重要文化財と出会う!」、サムライ、古典芸能、きものといった、「日本」と聞いてイメージされる展示作品と出会える「日本らしいお宝と出会う!」、日本美術・アジアの美術・世界の美術という3つのテーマから、1つを選んで作品を紹介する「博物館で世界と出会う!」の、6種類の切り口を用意している。来館者に対しては、これら6種類の切り口から、ランダムで4種類が表示される。
 
研究員の推しと出会う!
 
一期一会ガラポン!
 
東博をめぐってお宝と出会う!
 
国宝や重要文化財と出会う!
 
日本らしいお宝と出会う!
 
博物館で世界と出会う!

 なお、これらのコンテンツは日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応しているので、国内外の多くの来館者が楽しめる。

 ほかにも、文化財活用センターが企業などと連携してつくる文化財の複製の中から、屏風と掛軸の高精細複製品を季節にあわせて展示している。同展示では、最新のデジタル技術と伝統的な職人の技によって、本物そっくりに制作された高精細複製品を、ガラスケースなしで細部までじっくりと楽しめる。
 
高精細複製品の展示イメージ 
国宝「納涼図屏風」(左)と「焔」

 高精細複製の原本となる作品は、名品であるほど他館への貸し出し依頼も多いため、東京国立博物館で展示される機会は数年に一度ということもあるという。本物そっくりの高精細複製品を通じて、名品と確実に出会えるようになる。

 なお、8月30日までの期間は国宝「納涼図屏風」および「焔」が展示されており、9月1日~11月29日の期間は国宝「洛中洛外図屏風」と国宝「孔雀明王像」、12月1日~2027年2月末の期間は国宝「松林図屏風」と国宝「孔雀明王像」の展示を予定している。

 「日本美術のとびら」の開館時間は9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで)で、毎週金・土曜日および翌月曜日が祝・休日の場合の日曜日は9時30分~20時となる。休館日は月曜日(翌月曜日が祝・休日の場合は開館して、翌平日に休館)。

 入館にあたっては、東博コレクション展(平常展)の観覧料(一般:1000円、大学生:500円、高校生以下無料)または、開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)が必要となる。