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三重広域連携モデル「美村」スタート、5町でデジタル通貨「美村PAY」などを展開

暮らし

2023/01/22 10:30

 大日本印刷、三十三銀行、ヴィソン多気、MRT、オリエンタルコンサルタンツなどは1月19日に、デジタル田園都市国家構想・三重広域連携モデル事業を運営していくために、三重広域DXプラットフォームを設立したことを発表した。

三重県中・南部の5町を仮想自治体「美村」として魅力的な地域づくりを推進する

 三重広域DXプラットフォームは、三重県中・南部の多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町を連携させ、5町で一つの仮想自治体「美村(びそん)」と位置づけ、共通のデジタルシステムを活用した魅力的な地域づくりを推進し、ブランドとして育成・強化していく。

 三重広域DXプラットフォームにおいて連携する5町は、行政区域の枠を越えて連携することで、デジタル技術を活用した各種社会課題解決の取り組みを進めており、この取り組みをさらに推進すべく、2021年には多気町に開業した複合リゾート施設「VISON(ヴィソン)」を最大限活かして、5町を「美村」としてブランド化し、住民と観光客にとって魅力的な地域づくりの取り組みを強化する。
 
地域住民や観光客向けのコード決済が可能なデジタル通貨を発行

 具体的には、多気町・大台町・明和町・度会町において、地域住民や観光客などを対象にコード決済が可能な4町限定のデジタル通貨「美村PAY」を発行し、加盟店での買い物においてポイントを付与することで、地域での購買活動を促進し、地域で利益が還流する決済基盤の構築と地域事業の活性化を目指す。

 また、地域共通ポータルサイト「美村」を構築し、多気町・明和町・大台町・度会町の4町を対象に、地域の住民や出身者などに地域情報を発信するとともに、地域を活性化するイベントやサービスとの連携を促進する。イベントなどの情報発信機能と申し込みフォームを搭載することで、主催者の運用負荷を軽減するほか、地域で採れた農産物・海産物のお得な販売情報の発信機能を設け、デジタル地域通貨と連動することによって、地域住民などの手軽な購買行動につなげ、地産地消の需要促進を図る。さらに、庭の手入れや掃除・粗大ごみの搬送・子育てといった、地域の困りごとの発信と手助けしたい人とのマッチングを行い、共助活動の促進を目指す。ほかにも、更新した情報や地域事業者が発信するSNSのリアルタイム情報などを、デジタル地図上に表示する機能も構築する。

 あわせて、多気町・明和町・大台町・紀北町の4町を対象に、地域の魅力を発信する広域観光ポータルサイト「美村」を構築し、広域連携スーパーシティ推進協議会にも参画しているオール・ニッポン・レノベーションが、地域おこしに積極的に関わる“地域アンバサダー”とともに、地域の魅力あふれる情報発信を行っていく。体験型のアドベンチャー・ツーリズム、農産漁村に滞在するグリーン・ツーリズム、その土地の食文化に触れるガストロノミー・ツーリズム、健康の回復や増進を図るヘルス・ツーリズムといったテーマに沿った周遊モデルを発信するほか、地域アンバサダーがSNSで発信するイベント情報や、地域のディープな魅力・季節ごとの魅力などを発信する。また、インターネットのみで取り引きする旅行会社(Online Travel Agent)の予約エンジンを活用して、ポータルサイト「美村」から各施設やアクティビティを予約できる機能も準備し、デジタル技術の活用によって地域の広域周遊や滞在期間延長などの観光促進、観光客増加による地域への悪影響であるオーバーツーリズムの解消、旅の後の「旅アト」の関係人口/交流人口の増加を目指す。

 ほかにも、内閣府がスマートシティ推進に必要な要素などをまとめた「スマートシティ・リファレンスアーキテクチャ」を参考に、地域における複数分野のデータの連携・活用を目的に、デジタル庁の推奨仕様に準じた地域データ連携基盤を構築、検証していく。

 2022年度は、住民や観光客に対するユーザーインターフェースとして、「美村」ブランドで統一したデジタル地域通貨や地域・観光ポータルサイトの構築を進めるとともに、蓄積したデータを活用してポータルサイトの改善やサービスの利便性の向上を行う。

 2023年度以降は、観光・生活の両面からデジタル基盤を発展させて、マイナンバーカードを活用した地域の周遊促進・公助のデジタル化や、地域の新たな収益構造の構築を予定している。