台所道具の「使いやすさの理由」

時事ネタ

2022/05/07 19:00

【心がまあるくなる話・15】 私は職業柄、台所道具にとても関心があって、そういったお店を見かけるとつい、足が向いてしまう。今回のコラムでは基本になる道具の「使いやすさの理由」についてお話したい。
 


 子どもの頃から台所道具が大好きだった私は、今までいろんな台所道具を使ってきた。そして今、それを販売する仕事に就いている。好きなものに携わる仕事は楽しい。

 ただ、仕事となると知識も必要。知識だけでも説明はできるが、「使った実感」を伝えたいこともあって職場の道具もたくさん使ってきた。

 量産で作られたもの、手間のかかった手仕事の作家ものなど、私の台所にはさまざまな道具が並んでおり、幾度も使い比べをしてきた。

 量産品は価格帯の幅が広く選択肢もかなり広い。気軽に買い替えもでき、使いやすさを重視して一般家庭用に作られていることが多い。

 逆に作家ものは手仕事ということもあって、生産数が少ない分、入手が難しかったり、価格帯も高価になったりする。細部まで良質で高価な材料を使っていることもあり、作り手の温かさや、こだわりが感じられる。

 高価な分、使用時に気をつかい、ものによってはデザインが実用性に少し欠ける時もあるが、それでも美しい佇まいは「用の美」として暮らしに豊かさを感じさせてくれる。

 量産品と作家もの、どちらを選択するにしても日々使う道具を選ぶには基本、「使いやすさ」が重要になってくる。「使いやすさ」を考えれば、重さ、価格帯、扱いやすい素材などさまざまなことが挙げられるだろう。

 だが、私が考える「使いやすさ」とは、「手軽でストレスを感じないもの」である。例えば、私がお店で実感していることの一つに「年齢問わず、重いものは敬遠される」ということがある。重いものを持った瞬間に人は「ストレス」を感じるのだ。日々、使うものは少しでもストレスを感じてしまうと使うのが嫌になってしまう。

 また、重さだけでなく、同じ商品でも人それぞれ、使いやすいと感じる感覚やストレスの感じ方も違う。

 お客さまに満足していただくには、こういった心理的な要素を考え、「お客さま自身も気付いていない要望」を引き出すことが大切だ。

 使いやすい理由=「(お客さまが)ストレスを感じない」こと

 使ってみるまでわからない「ストレス」を与えず、使ってみるまでわからない「喜び(使いやすさ)」をこれからも提供していきたい。時代が変化し、モノが進化しても、この「使いやすさの理由」は変わらないのではないだろうか。(連載おわり・蓮花)

■Profile

蓮花(はすはな)
暮らしまわりを物語る「暮らしクリエーター」。日々の中で心がまあるくなるような暮らしに寄り添うモノを探し、毎日を手づくりしていくようなライフスタイルを提案している。

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