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ネット価格より店頭価格の方が安いことも、コロナ禍の買い物のコツ

時事ネタ

2020/11/08 17:00

【家電コンサルのお得な話・26】 新型コロナの影響で家電量販各社のEC売上が伸びているように、家電製品をネットで購入するのが一般的になりつつある。ただ、リアルよりもネットの方が安いとも限らないのが実情。信頼性の高い大手家電量販企業で購入する場合、ネット価格だけを確認して購入すると損をする可能性もある。家電製品を購入する際は、近くの店舗の価格も確認することをおすすめする。

ネット価格より店頭価格の方が安い場合も結構ある

 家電製品を安く買うポイントは次の2点。(1)ネット価格を持って店舗で価格交渉し、店舗で購入する、(2)価格交渉して安いと感じれば、その日に購入する、となる。

 家電量販店では、一般的に競合店のネット価格までは対抗するケースが多いため、各家電量販企業のネット価格を確認しから交渉材料にするといいだろう。

 最近では、ネット価格と店頭価格を同一にしている企業もあるが、価格が同一ではない企業も多い。そのため、ネット価格よりも店頭価格の方が安いケースも結構ある。ネット通販価格だけで判断せず、店舗の価格を確かめてから決めるといい。
 

 また、多くの家電量販企業で「電子棚札」の導入が進んでおり、基本的には全社で統一の配信価格が店頭価格となっていることが多い。しかし、電子棚札やネットでも訴求できない、例えば「会員セール価格」や「拡販指定商品の実売」など、配信対象外の価格もある上、店舗側の事情で価格変更もできるため、店舗価格を知ることには意味がある。

 さらに、電子棚札の価格変更は一般的に夜間に配信されることが多い。そのため、価格は1日単位で変わる可能性がある。家電量販店では、キャンペーンなど、期限付きの価格や競合対策も多いため、意外に思うかもしれないが、「価格が上がる(正確には元に戻す)」ということも昔から普通に行われている。

 そのため、購入を決意したものの、いったん家に帰って後日同じ店に行ってみたら、価格が高くなっていた(戻っていた)ということも十分にある。「購入を決意したその日が買い時」というぐらいの心構えの方が、後悔することも少ないだろう。

 また、買いたい商品を検索して絞り込むネットでの買い物とは違って、店舗で余った特典品を付けてくれたり、自分の知らなかった商品との出会いや発見もあるため、買い物が楽しめるという側面もある。ネット通販に慣れた今だからこそ、店舗にも出向いていただければと思う。

 家電量販店の販売員にも、「自分のお得意様」への強い思い入れがあるというもの。ネット通販の普及で販売員との関わりを疎ましく感じる方もいるだろうが、特定の販売員との関係性を継続して強めるのが、お得情報も含めて一番メリットがある方法である。

 家電量販の販売員と人間関係をつくって、プロの知識を持つ販売員を生活コンサルタントとして活用することをおすすめする。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。