東京商工リサーチは9月30日、「新型コロナ」関連による経営破たんの状況について発表した。9月30日は17時時点で、新型コロナ関連の経営破たん(負債1000万円以上)が5件(倒産4件、弁護士一任・準備中1件)判明し、2月からの累計は全国で541件(倒産481件、弁護士一任・準備中60件)に達した。月別では、6月に単月最多の103件発生。7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件と3か月ぶりに前月を上回り、6月と同水準の件数となった。

9月から増勢基調に転じる

 なお、集計基準外だが、負債1000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計26件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計567件に達した。1000万円未満を含めると9月は108件となり、6月(104件)を上回り最多となった。

 コロナ関連破たんは9月に入って再び増勢基調に転じている。政府や自治体の各種支援策などに依存している企業は少なくないが、環境悪化が長引き、追加融資やリスケの見直しの時期に差し掛かり、資金繰り支援効果が薄まっている点が懸念される。コロナ前の収益水準に回復するには時間が必要で、新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もある。

 都道府県別(負債1000万円以上)の状況をみると、東京都が131件(倒産123件、準備中8件)で、全体の4分の1(構成比24.2%)と突出している。以下、大阪府が56件(倒産48件、準備中8件)、北海道27件(倒産27件)、愛知県25件(倒産24件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で16都道府県となった。9月30日は、富山県、群馬県、栃木県、兵庫県、香川県でそれぞれ1件発生した。

飲食業、アパレル関連、宿泊業を直撃

 業種別(負債1000万円以上)では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が83件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が59件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が48件で、3業種が目立っている。このほか、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業や、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が30件に達し、飲食業界全体での需要低迷が影響している。

 負債額が判明した523件の負債額別(負債1000万円以上)では、最多が1億円以上5億円未満で209件(構成比39.9%)。次に、1000万円以上5000万円未満137件(同26.1%)、5000万円以上1億円未満88件(同16.8%)、10億円以上45件(同8.6%)、5億円以上10億円未満44件(同8.4%)の順となった。負債1億円未満が225件(同43.0%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

 新型コロナ関連破たん(負債1000万円以上)のうち、倒産した481件の形態別では、破産が425件(構成比88.3%)で最多。次いで、民事再生法が32件(同6.6%)、取引停止処分24件(同4.9%)だった。新型コロナ関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

 新型コロナ関連破たん(負債1000万円以上)のうち、従業員数(正社員)が判明した494件の従業員数の合計は1万592人にのぼった。494件の内訳では従業員5人未満が214件(構成比43.3%)と、約4割を占めた。次いで、5人以上10人未満が101件(同20.4%)、10人以上20人未満が80件(同16.1%)と続き、従業員数の少ない小規模事業者ほど、新型コロナによる影響が大きい傾向となっている。また、50人以上の破たんは8月、9月はそれぞれ1件にとどまり、小規模化が顕著となっている。