経済産業省は6月11日、キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス還元事業)が当初の予定通り、2020年6月30日をもって終了すると発表した。キャッシュレス還元事業の実施店舗には事業終了後、自治体の指定に沿って、ポスターやステッカーなど、店頭用広報ツールの廃棄を求めている。

延長はなく終了が決まったキャッシュレス・ポイント還元事業

 キャッシュレス決済の普及に向けての動きは、18年7月に立ち上がった。産学官からなる「キャッシュレス推進協議会」がキャッシュレス決済比率40%を目標に掲げ、当時、招致活動を行っていた「2025年大阪万博」に向けて25年に前倒しすると宣言したこと。大阪万博の開催決定と、この目標達成時期の前倒しを受け、さまざまな施策が始まった。店舗業務の効率化のため、すでに取り組んでいた大手でも、従来は現金が多く使われていた少額決済のキャッシュレス化に本腰を入れ始めた。
 
キャッシュレス決済導入店舗(中小・小規模事業者)に向けたキャッシュレス還元事業のリーフレット

 キャッシュレス還元事業は、19年10月1日に始まった消費増税税による需要平準化対策だが、目的をキャッシュレス決済の普及推進に絞り、恒久化してほしいという要望が出ていた。もともとキャッシュレス決済に消極的な企業は、事業期間中のみ、補助を受けてキャッシュレス決済サービスを導入し、以降は現金決済に戻すと推測されている。現金を手渡ししたり、現金を引き出すために銀行窓口やATMに並んだりしないですむキャッシュレス決済は、感染症対策につながるだけに本質的な定着を望みたい。
 
消費者に向けたキャッシュレス還元事業のリーフレット

 経済産業省によると、キャッシュレス還元事業における最終的な登録加盟店舗は約115万店にのぼった。事業所名、業種(カテゴリー)、還元率を記載した登録加盟店一覧は、都道府県別に特設サイト内(https://cashless.go.jp/consumer/index.html)に掲載している。

 国内鉄道大手のJR東日本は7月1日以降も、チケットレス・キャッシュレスで得するキャンペーンを実施し、さらなる普及・浸透を図る。他社も同様に、キャッシュレス決済限定キャンペーンを仕掛けるか、今後の動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)