NTTドコモは3月18日、5G(第5世代移動通信システム)の中期の事業戦略を、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置からネット配信で発表した。吉澤和弘社長は、「5Gの商用サービスを3月25日に開始して、新しい価値の創造と社会課題の解決につなげる」と語り、ネットワーク、デバイス、サービス、ソリューションの事業カテゴリに関する2、3年後を見据えた中期戦略を明らかにした。

商用サービスがスタートした5Gの事業戦略について語る
NTTドコモの吉澤和弘社長

2000万のスマホ契約目指す

 まずネットワークについては、新しい周波数帯をフル活用する高速大容量と、そのポテンシャルを最大限に引き出すためのネットワークの構築が重要とし、2023年度までに親局の基盤展開率を97%に高める。合わせて20年度当初に移動式の5G基地局(キャリー5G)を全国に33台配備する。

 スタート時の5Gエリアは、20年3月末に全国150カ所、500局。これを6月末に47都道府県の主要施設、21年3月末に全政令指定都市を含む500都市、21年6月末に1万局、22年3月末に2万局というロードマップを示した。現在の「点」に過ぎない5Gエリアを、「面」に拡大していく。中でもキャリー5Gは、都市部に限らずスタジアムなど5Gネットワークが必要な場所に柔軟に対応するために役立つ。

 通信速度は、20年3月末に下り最大3.4Gbps、上り最大182Mbpsであるのを、6月以降に下り最大4.1Gbps、下り最大480Mbpsにしていく。
 
 

 デバイスの取り組みについては、5G対応スマートフォン(スマホ)の契約数で23年度中に約2000万契約を目指す。吉澤社長は、「5Gに接続する機器を持っていないユーザーにもアリーナやスタジアムで体感できる5G環境を整備する」として、20年に茨城県のカシマサッカースタジアムと21年に有明アリーナでの環境整備を発表した。

 ドコモ初となる5G対応スマートフォンは、3月25日に「Galaxy S20 5G SC-51A」と「AQUOS R5G SH-51A」、4月下旬以降に「LG V60 ThinQ 5G L-51A」と「Xperia 1 II SO-51A」、5月下旬以降に「Galaxy S20+ 5G SC-52A」、6月下旬以降に「arrows 5G F-51A」の6機種を発売する。

 また、5G対応Wi-Fiルータとして5月下旬以降に「Wi-Fi STATION SH-52A」と、6月以降に東京2020五輪モデルの「Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition SC-52A」を発売する。
 
ドコモ初の5G対応スマートフォンも発表

 サービスでは、音楽やライブ、ゲーム、映像、スポーツなどで、8KVRライブやマルチアングル視聴、VRコンテンツなどを楽しめるようにする。ライブでは「新体感ライブCONNECT」として、スマホにレンズを装着する8KVRライブを用意する。また「dゲーム」は、スマホ端末で楽しめるクラウド型の100を超えるタイトルを提供する。
 
パートナーを5000社に拡大していく

 最後の法人向けの5Gソリューションは、現在、3300社を超えたというパートナーを22年3月までに5000社に拡大する。NTTドコモでは、パートナーと300以上の実証実験などを通じて活用モデルを創出してきたが、そのうち22のソリューションを提供していく。

 遠隔作業を支援するソリューションやメンテナンスなどで、業務時間を4分の1に短縮する効果を発揮したり、定年退職する熟練工の技術を承継するためのソリューションを展開したりする。サービスを提供するパートナー開拓と並行して、それを活用するフィールパートナーとのビジネスマッチングも活発化させる。

 NTTドコモの5Gの事業戦略から見えてきたのは、当初、法人向けソリューションからスタートして、5G対応端末が「点」から「面」で普及するにつれて、一般コンシューマ事業のサービスが充実していく形となりそうだ。