東京の桜が開花した。予想されていた13日は好天に恵まれたものの、靖国神社の標本木で2輪しか確認できず肩すかし。冷たい雨が降る翌14日、5輪の花を付け開花が宣言された。観測史上最速だ。今週末から来週にかけて満開が楽しめるだろう。だが今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、例年と違った桜になりそうだ。

靖国神社の標本木に咲く桜。
13日の時点では2輪しか確認できなかった

 感染拡大防止のため、多くの自治体で「花見」自粛の動きが広がっている。東京都でも花見のメッカともいえる上野公園を筆頭に井之頭公園、代々木公園などの都立公園で「飲食を伴う宴会等」の利用を控えるよう呼び掛けている。それ以外の場所でも、今年は、シートを引いて車座になって酒を酌み交わす「レガシー花見」を休んで、身を守るための安全な「花見改革」が必要だ。
 
このような花見の大宴会は今年は見られないだろう

 最も簡単なのは、散策しながら楽しむ「移動型花見」だ。会社の帰り、コンビニで買ったビール片手に満開になった花のトンネルをくぐって歩くのがこの時期のパターン。花見の名所に出かけても、同じようなことをおひとり様、あるいは数人で、歩きながら楽しめばいい。

 中国人を筆頭に訪日外国人でごった返す目黒川沿いも、今年は静かな桜が楽しめるかもしれない。とにかく中国は日本の桜が大好きだ。中国の友人には申し訳ないが、今年は日本の桜を全国の名所に設置されたウェブカメラの映像で楽しんでもらおう。
 
人気のない桜も、風情があっていいものだ

 レガシー花見は体に良くない。満開の時期、夜は肌寒い。花冷えともなればすぐに風邪をひく。そもそも飲みすぎてしまう。気の置けない仲間と酒を飲んでは酔っ払い、口角泡を飛ばしてはくだらない議論の応酬。大声で笑って歌って、濃厚接触もいいところだ。仕方ない。今年は諦めよう。しかし来年は、思いっきり体に悪く、濃厚な花見をしたいものだ。(BCN・道越一郎)