もう出ないかと思われていたApple(アップル)の携帯オーディオプレーヤー「iPod touch」の新モデルが今年5月、突如として登場した。全6色の第7世代iPod touchは、新たにARとグループFaceTime機能に対応。CPUやグラフィックス性能などのスペックも大幅にアップした。現在、最も軽量・スリムなiOS端末であり、最安モデルで比較すると、iPad/iPad mini/iPod touchの中で最も安い。

新しい第7世代iPod touch
 
本体サイズは7年前の第5世代から変わっていない

薄さは正義 最も軽くて薄いiOSデバイス

 2世代前となる、2012年10月発売の第5世代iPod touchの発売当時、iPhone/iPod touch向けOSのバージョンは「iOS 6」だった。最新は「iOS 12」で、今秋には、ダークモードなど、さまざまな新機能を加わった次期OS「iOS 13」がリリース予定。最新の第7世代以外、iPod touchシリーズは、「iOS 13」の無料ソフトウェアアップデートの対象外となる。
 
今秋リリース予定の次期OS「iOS 13」はiPhone 6s以降と、
iPod touch第7世代をサポート(画像はiPhone XS)

 家電量販店・ECサイトのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、モデルチェンジ効果で、19年6月の携帯オーディオに占めるアップルの販売台数シェアは前月の18.5%から34.8%に大幅に上昇。シェアだけでなく、販売台数も前月比238.8%、前年同月比190.3%と大きく跳ね上がった。

 7月も販売台数で前年同月比162.6%を記録し、2カ月連続の前年超え。「iPhone 7」に相当するスペックを備えた、新しい「touch」を求めていた人は意外に多かったようだ。なお、iPhone 7と異なり、iPod touchシリーズにはヘッドフォンジャックがあるため、有線イヤホンの愛用者はむしろ使いやすいだろう。
 

現行デザインはこれで最後? SIM付きを求める声も

 スマホが普及するにつれ、アカウント登録時などにSMS認証が必須のサービスが増え、音楽配信、動画配信、携帯向けゲームなど、モバイル向け決済サービス・コンテンツ環境は大きく変わった。全体の傾向として買い切り・ダウンロード型から、通信回線経由でストリーミング再生するサブスクリプション型にシフトし、クラウドサービスはごく身近になった。

 こうした状況にあわせ、iPod touchもSIMスロットを搭載し、スマホ同様、モバイルデータ通信に対応して欲しかったと落胆する声も上がっている。

 かつて、防水やFeliCa(おサイフケータイ)に対応していなかったiPhoneが日本ユーザーの要望を受けて対応したように、アップルの開発陣に要望を続ければ、SIM付きのtouchが登場する可能性はゼロではない。ただ、その場合、確実に外観デザインは変わるだろう。

 次のモデルチェンジがいつになるか分からないが、現状の「SIMなし」を貫き、最薄・最軽量に磨きがかかると、かつて「iPod nano」で業界内外にインパクトを与えた、「薄さは正義」とでもいうべきアップルらしさが際立ちそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。