リコーの高級コンパクトデジカメ「GR III」が売れている。コンパクトデジカメのうち、センサーサイズ1インチ以上に絞った製品の販売台数ランキングでは、3月現在でシェア19.2%の2位だ。ちなみに、1位はシェア23.2%でキヤノンの「PSG7X MARKII」。プレミアムコンパクトの定番ともいえる製品だ。GR IIIは、これにわずか4%差まで迫っていることになる。ほぼ4年ぶりの新製品だったこともあり、3月15日の発売ながら発売直後の初速がいきなりの高ランキングにつながった。販売金額シェアでみるとGR IIIは27.1%でトップ。税別の平均単価が10万4000円という価格が金額シェアを押し上げた。さらに、1インチ超のセンサーサイズ搭載モデルまで絞ると、3月にGR IIIが販売台数と金額ともに6割を超える構成比を獲得してトップシェアだった。


 スマートフォン(スマホ)と存在を賭けた争いを続けているコンパクトデジカメは、市場全体で台数が前年と比べて2割以上のマイナスという状況が続いており、縮小が著しい。しかし、1インチ以上の大きなセンサーを搭載したモデルは前年を上回る月も珍しくなく、過去12カ月のうち7カ月は前年を上回った。特に、この3月は122.5%と前年を大幅に上回った。メーカー別でこの1年ほど1インチ以上のコンパクトデジカメ市場は、キヤノンとソニーの一騎打ちの様相を呈していた。キヤノンは安定的に強さを維持しているが、ソニーはGR III発売効果でシェアを一気に食われ、リコーが1.2%差のところまで迫っている。
 

 実は小さめのセンサーを搭載した製品も伸びている。1/2.5インチ未満のセンサーを搭載するデジカメは、昨年7月から9カ月連続で前年を上回っていて堅調。ニコンの防水小型カメラ「COOLPIX W100」や、プリンタを内蔵する富士フイルムの「instax SQUARE SQ」シリーズが好調。センサーサイズが小さいカメラで個性的なものが、大きなセンサーサイズで画質や使い勝手を重視したモデルが売れている。画質か個性か……。コンパクトデジカメといえども、どちらかに振り切った製品ならまだまだ売れる。(BCN・道越一郎)


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