不動産広告では、徒歩所要時間を「距離80mにつき徒歩1分」で計算するルールになっている。急な登坂や階段、エレベーター待ちといった要因は考慮しなくていいため、実際にプラス数分かかる場合もある。

 アットホームが2019年1月に実施した「通園に関する実態調査」によると、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県在住の保育園に通う子どものいる家庭の親632人に聞いた、自宅から保育園までの通園時間の平均は12分だった。理想は「8.2分」で、毎日、片道3.8分、往復で7.6分、理想より多く時間を費やしている。
 

 一方、幼稚園に通う子どものいる家庭は、通園に平均15.2分かかり、理想の時間が「9.2分」と、保育園に比べ、プラス1分長かった。最近は、通勤に便利な駅徒歩7分以内(場所によっては5分以内)の物件が人気を集めている。しかし、保育園・幼稚園の通園時間の平均は10分を超えており、さすがに自宅から園までの距離まで考慮して探している家庭は少数のようだ。
 

保育園の立地は通勤時間に影響 通園時間を短くするために引っ越す人も

 預け先の保育園が駅の反対側にあるなど、通勤ルートから完全に外れている場合、平均と同じ通園12分の場合で、通勤時間は往復で1日24分、月~金の5日間で計120分、余分にかかってしまう。そのため、同調査では、保育園と幼稚園を合わせて12.8%が「通園時間を短くするために引っ越しを考えたことがある」と回答。そのうちの約半数、52.1%は実際に引っ越していた。
 

 「通園時間を短くするために引越しを考えたことがある」と回答した割合は、子どもが幼稚園に通っている場合で8.9%だが、保育園だと16.8%とほぼ倍増する。この調査結果をみると、なぜ、保育園ユーザーである共働き世帯、特に女性に「時短」が響くのか、おのずと分かるだろう。
 
2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」が決定しているが、
「希望者全入」や「保育士の待遇改善」を求める声も多い

 実家の助けを得られず、配偶者との間で公平な家事・育児の分担もできず、送り迎えとも母親が担っている場合、1日24分、1カ月480分(8時間)のロスタイムが生じる。ほかにも、子どもの世話や部屋の整理整頓・清掃などに時間が取られている。そうしたロスタイムを少しでも取り戻すため、自動調理鍋や電子レンジなどを活用した「ほったらかし調理」や、各種センサーの測定結果や位置情報、AIなどを活用した「おまかせ自動制御」に過分に期待してしまう。
 
毎回のゴミ捨てが要らない「クリーンベース」付きの「ルンバi7+」、
自動で一斉に開閉できる電動窓シャッターなど、共働き世帯を想定した家電や住宅設備が続々と登場している

 ダストボックスにたまったごみを捨てる作業をなくした、アイロボットのルンバの新製品「ルンバi7+」の自動ゴミ捨て機能は、さすがよく分かっていると感じた。AIが判別して自動で適用するため、面倒なパネル操作が要らなくなった三菱電機の最新冷蔵庫の高速フリージング機能「切れちゃう瞬冷凍A.I.」も魅力的だ。足りない「時間」を確保する最短裏ワザとして、今後、ますます家電や住宅設備のIoT対応・自動化に注目が集まり、やがて普及価格帯以上の製品では当たり前になるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)