家電量販店の実売データ集計した「BCNランキング」の2018年1月~12月の累計データによると、AppleのiPhoneの販売台数シェアは51.4%。1年間に売れたスマートフォンのおよそ2台に1台がiPhoneだったことになる。前年の48.4%から、5割の大台に2年ぶりに復帰。18年9月発表の新iPhoneの中ではやや小ぶりで、横幅70.9mmの「iPhone XS」が最も多く売れた。

2018年発表の新iPhoneのうち、最も売れた5.8インチのiPhone XS

値下げ待ちで買い控え? XS Max/XS/XR

 キャリア、容量を問わず、同一名称の製品を合算してシリーズ別に集計した、18年のスマートフォンの販売台数ランキングをみると(従来型携帯電話は含まない)、トップ3は、前年同様、iPhoneシリーズが占め、中でもシェア25.0%と、「iPhone 8」がダントツの人気ぶりだった。

 最新機種の「iPhone XS Max/XS/XR」は、1年を通じて売れ続けた4インチの「iPhone SE」以下にとどまり、シェアは「iPhone XS 」が3.2%、「iPhone XR」が2.7%、「iPhone XS Max」は1.4%。一方、ファーウェイの「HUAWEI P20 lite」をはじめとする、SIMフリーのAndroidがスマホ全体の2割弱まで拡大し、コストパフォーマンス重視の選択肢として、すっかり定着した感がある。
 

 新iPhone3機種のうち、最も大画面・大容量の「iPhone XS Max」の512GBをAppleのオンラインストアで購入すると、税別価格は16万4800円(消費税8%時:税込17万7984円)。有償サポートサービス「AppleCare+」を同時に購入すると20万円を超える。いくらハイスペックとはいえ、あまりにも高すぎると、発売早々、プライスダウンの期待が高まった。

 実際、「iPhone XR」は発売早々に値下げされたが、小幅だったため、割高感を解消するには至らず、新iPhone発売後も、在庫処分価格で値下がった「iPhone 8」が売れ続けている状況だ。ただ、18年の通年と、9月21日~12月31日の新iPhone発売後のiPhoneのモデル別販売台数構成比を比較すると、「ノッチありデザイン」の比率は高まっている。
 

 中国での販売不振を受け、新iPhone3機種全てで、あるいはiPhone XRのみ当初の計画より減産すると報じられた。かい離の程度は分からないながら、高級化したiPhoneに見合った収入のある家庭が多い日本ですら、売れ行きは、想定を下回っているのではないだろうか。

「docomo with」に加わった「iPhone 6s」が今年の隠れたヒットに?

 新iPhoneの発表に先立ち、ドコモは18年9月1日から、指定の機種を購入すると、通信料金から毎月1500円割り引くサービス「docomo with」の対象機種に「iPhone 6s(32GB)」を追加した。一括購入価格は税別3万9600円だが、29カ月以上、機種変更せずずっと使い続ければ、「端末を買い替えず、以前の端末を使い続けた場合」より支払額は少なくなる。
 
「docomo with」の対象になった2015年発売の旧機種「iPhone 6s」

 端末代と通信料金の損得計算に関しては、過去記事< 通信料金+端末のトータルコストで考える! 新しい買い方は計算必須=https://www.bcnretail.com/market/detail/20181221_98238.html>を参照していただきたい。

 18年のAppleのメーカー別販売台数シェアの推移をみると、最も低い月でも4割弱を占め、10月には57.8%を記録。2年前の16年と比較すると、シェアは微減傾向にあるものの、10月とその前後の月をピークに、12カ月のサイクルで上下し、トップを独走している。
 

 しかし、最新の「iPhone XS Max/Max」の価格設定からは、多くの人が使っているから、店頭で並んでいる端末で最も安いから、といった理由でiPhoneを選んだユーザーをふるいにかける、高級路線への転換を感じさせられた。今後は、ケースなどアクセサリーを定期的に変えて気分を一新し、気に入った同じ端末を長く使い続けるニーズも高まりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。