筆者はライター業である。電車で着席した時や待ち時間に仕事をする際、荷物になるノートPCではなく、タブレットとペン入力というスタイルに切り替えようと、セルラーモデルの10.5インチiPad ProとApple Pencilを買ったが、肝心のペンが使いこなせず、放置しているうちにデフォルトの替え芯を紛失してしまった。

 結局、指を使ったタッチ操作、ソフトウェアキーボードに落ち着いたが、仕事の生産性は下がってしまった。iPadのキーボード入力より、スマートフォンのフリック入力のほうが速く、つい、WebサイトやTwitterを見たり、他のアプリで遊んでしまうためだ。ペンとセットで使わない限り、タブレットは「創る・作る」ではなく、「見る・読む」ためのものだと実感した。
 
オールスクリーンにデザインを一新した11/12.9インチの新iPad Pro。
別売アクセサリのApple Pencilを利用すれば繊細なタッチのイラストも描ける

 やはりノートPCに戻そうと、新たにWindows 10を搭載した、非タッチパネル対応のコンパクトノートPCを購入したものの、膝の上に本体を置いた状態ではマウスが使いづらかったため、結局、移行していない。思ったようにカーソルを操作できないので、つい指で画面をタッチしてしまい、ハッとする場面もあった。
 
2in1PCなら多彩なスタイルで利用できる
(「ASUS Transformer Mini T103HAF」のプレスリリースより)

 もともと使っていた「Surface Pro 4」は、膝の上で使う場合、キックスタンドを手で押さえなければならず、使いにくいと思っていたが、電車内の混雑度や明るさに応じてスタンドの角度を調整でき、タッチ操作だけでも使えるので、モバイルPCとして打ってつけだったようだ。
 
持ち運びも便利。カフェで広げても使いやすい

PC、タブレット+ペンが隠れた才能を拓く

 いろいろと試行錯誤した中間報告として、「クリエイティビティは、PCでこそ発揮される」と訴えたい。業務内容や職位によっては、スマホやタブレットで代用できるかもしれないが、WordやExcel、PowerPointといった一般的なビジネス文書の作成、調査資料の検索・ダウンロード、文字入力は、PCが最もはかどるのは間違いない。同時に、「入力デバイス」の使いやすさも作業効率を大きく左右する。

 作家や脚本家の成果は、生み出した言葉が全て。そのため、昔の作家は文具にこだわったという。デジタル時代の今、PC本体や入力デバイスにこだわらずに、どうして生産性が上がるだろうか? 仕事を含め、クリエイティブワークのクオリティはツールに少なからず左右される。費用を投じても損はないカテゴリーだ。(BCN・嵯峨野 芙美)