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最近、マウス使ってますか? 売れ行きは横ばい、Bluetoothタイプは伸びる

時事ネタ

2017/12/09 17:00

 タブレット端末としても使える2in1 PCや、最近増えている極薄のA4コンパクトノートPCにはマウスは付属しない。USB拡張ドックやデジタルペンなどの純正アクセサリを用意し、必要なものだけ買い足してもらうというコンセプトだ。2in1 PCの場合、専用ペンが付属する場合もある。


 全国の家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、過去3年間、マウスの販売台数は、年間を通じてならすと、ほぼ横ばいで推移。月ごとの販売台数の推移をみると、12月など跳ね上がる月もあるものの、好調は続かず元の水準に戻るといった状況が続いている。
 

 売れ筋は、汎用性の高い2.4GHz無線タイプのワイヤレスマウスで、有線タイプを含めたマウス全体の販売台数の5~6割を占める。PC側が対応していればレシーバーが要らないBluetoothマウスの構成比も高まっており、2、3年前は10%台前半に過ぎなかったワイヤレスマウスに占める割合は、2017年1月以降は15.5~18.5%と、2割弱に迫っている。Bluetoothマウスの一部の機種は、Android搭載スマートフォンやゲーム機など、PC以外の機器でも使える。より汎用性が高く、活用シーンは多い。

Windows、Macに加え、Android搭載スマートフォンでも使いたいとなると、
マルチOS対応のBluetoothマウスがベストだ

Windowsにはマウスは必須、Macは不要

 数年前、プライベートで使うコンピュータをWindowsからMacに切り替えたプログラマの配偶者は、Apple純正Bluetoothキーボードとマルチタッチトラックパッドを揃え、それ以来、「マウスはオワコン(終わったコンテンツを意味するネット用語)」と主張している。会社では昔からトラックボールを使用しており、まったくの“ノーマウス”生活だ。

 販売データを見る限り、まだ「オワコン」と言い切るのは早い。この3年間、マウスがそこそこ売れ続けている要因の一つは、静音化や本体の薄型化、ハイエンドモデルの多機能化といった進化に加え、純正マウスが付属しないモバイルノートPCゲーミングPCが人気を集めているからだろう。タッチパネルやトラックパッドでは、文字やファイルの「コピー&ペースト」や細かいカーソル操作がやりづらいからだ。

 「文字列のコピペのしにくさ」は、タブレット向けOSとしてのWindows 10の弱点の一つだ。トラックパッドの使いづらさはPCメーカーの設計上の落ち度であり、タッチパッドだけで十分に操作できるMacを見習って欲しいところでもある。

 ベスト・バイを求めて新しいマウスを買い求め、実際に自宅で使っていると、配偶者からは「古い」といわれ、コピペ作業のために必須だと反論すると、コピペばかりの仕事にはオリジナリティがないと批判され、結論の出ない口論に発展した。コピペは、固有名詞の記載ミスの防止策であり、職業ライターの基本中の基本ともいえるテクニック。その点は譲れない。
 

会社・自宅用に、過去2年間に購入したワイヤレスマウス

 マウスがオワコンになる日、それは、文字入力時の予測変換の精度が高まり、固有名詞の誤記や誤った日本語がシステム上で自動的に検知され、「コピペ」が一切不要になる日だ。たとえ、PCを操作する上でマウスが要らなくなっても、スマホやタブレット、ソニーシャープなどが展開しているAndroid TV搭載テレビ、Amazonの「Fire TV」など、PC以外のモバイル機器・AV機器の入力デバイスとして残る可能性もある。むしろマウスは、これから数年間、モバイルノートPCの広がりにあわせ、大きく伸びると予測する。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。