シャープが東芝のPC事業買収の協議開始か

経営戦略

2018/01/30 11:46

 昨年11月のレノボと富士通によるPC事業の統合に続き、東芝のPC事業再編も動き出すのか。シャープが東芝のPC事業の買収に向けて協議に入ったと1月30日、日本経済新聞が報じた。「コメントは差し控える」(シャープ広報)、「これまで発表しているとおり、さまざまな可能性から検討している」(東芝広報)と、両社は明確に否定はしなかった。


 シャープは2000年代に薄型・軽量ノートPCの「メビウス」や「MURAMASA」を自社ブランドで展開したり、PCと液晶AQUOSを融合した「インターネットAQUOS」を販売したりしていたが、2010年にPC事業から撤退している。

 16年4月に電子機器のEMS(受託製造)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収した後、シャープは鴻海の潤沢な資金を活用できるようになり、昨年12月に、1年4か月で東証1部に復帰するなど「攻め」の経営に転じている。

 一方の東芝は、収益性を重視して赤字事業を見直し、PC事業とテレビ事業の売却に向けて動いている。テレビ事業は昨年11月14日に、完全子会社・東芝映像ソリューション(TVS)の株式の95%を、中国ハイセンスグループに譲渡すると発表した。
 

「BCNランキング」 ノートPCの年間販売台数シェアの推移

  全国の主要家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」のノートPCの年間販売台数シェアの推移(1月~12月)をみると、東芝は2007年にNECを抜いて21.7%で首位に立ち、10年まで5年連続で首位をキープしたが、11年からは再びNECに巻き返されて、15年には富士通にも抜かれて3位に後退している。(BCN・細田 立圭志)