シャープは12月7日、東証1部に復帰した。2016年8月の2部への降格から1年4か月のスピード復活となる。上場通知書の贈呈式を終えたセレモニーで、戴正呉社長は勢いよく鐘を鳴らした。

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東証1部復帰を祝うシャープの戴正呉社長

 液晶テレビ「AQUOS」の製造から販売まで一気通貫の垂直統合モデルで「世界の亀山モデル」と言われるほど一世を風靡したシャープは、2011年7月の地上デジタル放送への完全移行後のテレビ需要の縮小と、韓国や台湾、中国などの液晶パネルメーカーの台頭により経営が急速に悪化した。

 「堺コンビナート」と称する液晶テレビ産業の集積地構想を大阪・堺に打ち立てたが、最新鋭の液晶ディスプレイ工場への巨額投資が重荷となり、16年4月に電子機器のEMS(受託製造)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に買収された。その間、数千人規模の大幅な人員削減や会長を含む経営幹部、技術者の人材流出が続いた。

 一時は産業革新機構による国内家電メーカーとの「日の丸連合」も画策されたが、最終的にシャープは鴻海による買収を選択。16年5月の決算発表で16年3月期の連結決算が最終損益で2559億円の赤字、債務超過になったことが明らかになり、8月に東証1部から2部に降格となった。本社も大阪市阿倍野から堺工場に移転。鴻海から約3888億円の出資を受けて、社長には鴻海グループ副総裁の戴氏が就任した。

 その後は「信賞必罰」による人事制度改革を行うとともに、鴻海のもつグローバル規模での原材料の調達力や販売ネットワークを活用して、17年3月期は営業・経常損益が3年ぶりに黒字化し、17年9月の中間決算で最終黒字を確保。業績はわずか1年あまりで急速に回復した。18年3月期の売上高は2兆5100億円(前年比122.4%)、営業利益は930億円(148.9%)、経常利益は870億円(1247%)、最終利益は690億円(前期は248億円の赤字)を予想する。