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今すぐできる感染防止対策を考える 「食事中のおしゃべりはダメ!」

オピニオン

2021/08/26 19:30

 家電量販店ノジマは2021年4月28日、神奈川県に「マスク飲食推奨用鏡付きポップ」20万個を寄付した。ノジマは今年1月30日~2月28日に実施したチャリティーセールの売り上げの一部総額1億5000万円を1都8県に寄付すると発表し、7月5日の埼玉県で全ての寄付が完了。神奈川県はノジマの寄付の一部をもとにポップを制作、県内の飲食店に配布した。
 

「マスク飲食推奨用鏡付きポップ」の神奈川県贈呈式(左)と、店頭に置かれたポップ

 表側・四角い鏡の下にはノジマのロゴ「Nojima」が入り、ノジマ×神奈川県共同プロジェクトと記載されている。裏側には神奈川県が推奨する飲食時の新マナー「マスク飲食」の説明と動画に飛ぶQRコードが記されている。
 
神奈川県が推奨する「マスク飲食」

 世界的なパンデミックとして、さまざまな新型コロナウイルス感染症対策が始まった頃から盛んに要請された「都道府県を越えた移動の自粛」。個人的には、腑に落ちないと感じている。感染症対策の啓蒙活動は都道府県単位ではなく全国一律で実施すべきで、緊急搬送や入院先のあっせんも都道府県の枠を越えて行うべきと今でも思う。新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」によって新たなステージに入ったと思われる今、神奈川県独自の取り組み「マスク飲食」を改めて紹介したい。

飲食時もマスクを

 マスク飲食とは、食事中も会話をするときも必ずマスクをする新しい飲食のマナー。料理が手元にくるまで(テイクアウト店やフードコートではドリンク類が手渡されるまで)マスクをつけ、食べる際は片方の耳ひも部分をもち、耳からマスクをはずして食べるようアドバイスしている。当然食べ終わったらマスクをつける。食べる際は黙食(だまって食べる)か、ハンカチなどで口元をふさいで会話するなどだ。
 
マスク飲食の具体例

 正直、マスク飲食の実践はかなり難しいと思われる。しかし、デルタ株が市中に蔓延していると思われる現状、飲食店や職場、場合によっては家庭内でも「マスク飲食」や、おしゃべりせずに黙々と食べる「黙食」が求められる。
 
感染拡大初期に周知された「マスク会食」。
会食とは、二人以上で会って同時に食べることを指す

 なお、SNSやブログを通じて、医療関係者から「会食(かいしょく)」の意味が大勢に誤解され、会食した結果、新型コロナウイルスの陽性反応を示す人が後を絶たないと悲鳴が上がっている。「会食」とは高級店での飲食や立食パーティではなく、「二人以上で会って一緒に食べること」を指す。「外食は一人で」「外食よりもできるかぎりテイクアウトで」「二人以上集まった外食(社食、職場で食べる弁当なども含む)ときは互いに黙って」が、経済を回すことが可能な感染症対策だ。通常の店内価格よりたとえ高くとも、配達地域や参入店舗が拡大しつつある飲食デリバリーサービスを頼むのも手だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)