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2万円台の5G・FeliCa対応スマホ「Redmi Note 9T」から考える、PayPayの次の一手

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」の2021年上半期集計(21年1月~6月)で、今年2月26日発売のソフトバンクの5G対応スマートフォン「Redmi Note 9T」がAndroid搭載スマートフォンの機種別ランキングで12位、5G対応機種に限ると1位を記録した。キャリア・容量を合算したシリーズ別ランキングでも、5G対応機種では、「AQUOS sense5G」に次ぐ2位だった。

ソフトバンク独占販売の「Redmi Note 9T
(レッドミー・ノート・ナイン・ティー)」

 最近は、SIMフリーモデルとキャリアモデルを同時、または少し時期をずらして販売するケースが増えているが、Xiaomi(シャオミ)製のRedmi Note 9Tは、ソフトバンクの国内独占販売だ。またソフトバンクにとって、シャオミ製スマホの取扱いは、発売日の時点では初だった。
 

 Redmi Note 9Tは、約6.53インチ フルHD+ディスプレイや、メイン約4800万画素のトリプルレンズカメラ、大容量バッテリーを搭載しながら、機種変更でも2万円程度と安価で、シャオミ端末では初めて「おサイフケータイ」にも対応した。近年、JR東日本は、モバイルSuicaとカード型Suicaで鉄道乗車時のポイント還元率に差をつけ、一部のクレジットカード会社はGoogle Pay限定キャンペーンを実施するなど、FeliCa/NFC搭載端末の利用を後押しする動きが目立つ。Redmi Note 9TやiPhone 7以降を含むFeliCa対応スマホは、おサイフケータイ非対応機種からの買い替えや、行動範囲の拡大に伴い、鉄道の利用機会が増える中学生の初めてのスマホに最適だ。

 また、PayPayが7月1~25日に実施した「夏のPayPay祭」の一部のキャンペーンはソフトバンク/ワイモバイルのスマホユーザー、Yahoo!プレミアム会員のみPayPayボーナスの付与率がアップ。3月1~28日に実施した一つの前の大型キャンペーン、「超PayPay祭」のメインである「最大1,000円相当 20%戻ってくるキャンペーン」では、ソフトバンク/ワイモバイルのスマホユーザーのみ最大付与額を1000円相当から最大3000円相当にアップし、契約解除料がかからない場合、他社からソフトバンクにのりかえ、日常の買い物の支払いにPayPayを利用すると、それだけで3000円相当得する大盤振る舞いだった。
 
「最大1,000円相当 20%戻ってくるキャンペーン」は
利用状況に応じて
PayPayボーナス付与率・付与上限が異なっていた

 現在、KDDIは、au PAYでPontaポイントで還元する「たぬきの大恩返し 夏」キャンペーンの「対象全国チェーン店」「あなたの街の対象au PAY加盟店45社」「ローソン」などの計6キャンペーンで、「超PayPay祭」と同様にau/UQ mobileユーザーのみポイント還元上限を引き上げている(21年8月末時点のau IDに紐づく契約プランで判定)。契約解除料がかからない場合、他社からauまたはUQ mobileにのりかえ、それぞれ還元上限に達するまでau PAY(コード支払い)で決済すると、それだけで追加で合計3000円相当得する計算だ。
 
au PAYの「たぬきの大恩返し 夏」キャンペーンでは
au/UQ mobileユーザーのみ期間中の還元上限が
通常の2倍にアップ(チャージキャンペーン除く)

 ソフトバンクに戻ると、8月1日~9月12日のキャンペーン期間中の日曜日に限り、セブン-イレブンアプリからPayPayで支払うと、決済額の5%のPayPayボーナスを付与するキャンペーンを実施している。付与上限は1回100円相当、期間中1500円相当。

 セブン-イレブンアプリをよく利用するなら、ソフトバンクに乗り換えるか、新規契約するだけで最大1500円相当得する計算となり、このキャンペーンはワイモバイルユーザーを対象外としていることから、狙いは、プレミアムブランドの「ソフトバンク」の新規契約促進・顧客引き止めにあると考えられる。
 
セブン-イレブンアプリ限定・日曜日限定で
5%還元を実施中

 ソフトバンクなど3社によるPayPay、au PAY、そして今回は取り上げなかったNTTドコモのd払いの大型キャンペーンでは、今後、それぞれ自社回線契約者の優遇策を打ち出す可能性が高いとみる。優遇対象にオンライン専用ブランドは含まない。こうした通信事業者側の思惑もあり、冒頭で紹介したRedmi Note 9Tは、ソフトバンクユーザー限定のPayPayの連携特典を手に入れるために最適な1台といえるだろう。また、PayPayは、実店舗向けにコード決済しか提供していないが、次なる一手として、同じZHDグループ傘下となったLINE Payとのコード決済事業の統合の過程で、SuicaやiDなどの「非接触決済」にも拡大する可能性は高いのではないだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。