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“蒸発”したインバウンド、オンラインへ移行 越境ECで人気のジャンルは?

時事ネタ

2020/11/11 18:30

 新型コロナウイルスでインバウンド需要は“蒸発”したが、世界で日本の需要が消えたわけではない。越境EC業界で国内最大級のBEENOSグループによると、日本からの越境EC市場は伸長を続けているという。同社が運営する海外代理購入サービス「Buyee」における2020年度の流通総額は、前年比48.7%増で過去最高。どのような商品に需要があったのか、世界ヒットランキングを公開した。

日本発の越境EC世界ヒットランキングを公開したBEENOS

 Buyeeの海外ユーザーは、118の国と地域で250万人以上。20年の消費傾向として現れたのは、「日本ロス消費」だ。20年に猛威を振るっている新型コロナウイルスは、生活や働き方などが変化し、買い物のスタイルも大きく変わった。特に、訪日外国人客は渡航制限によってほとんど消えた。消費は、リアルからオンラインに移行が進んだ。
 
インバウンド消費に変わり越境EC市場が伸びている

 同社によると、従来から人気のアニメ、ゲームといった日本のコンテンツ以外にも、ライフスタイルに寄り添う商品も日本からECで購入する時代になった。巣ごもりや動画配信サービスなどの影響や自国にないブランド、品質や信頼などのイメージが消費を後押しした傾向がみられたという。

日本発、世界で売れている商品

 日本発商品のヒットランキングは、Buyeeの売上データから作成されたもの。エリア別に抽出されている。まず、米国で最も人気だったのは「おもちゃ、ゲーム」。次いで、「ファッション」「音楽」だった。ポケモンカードなどのコミックやアニメグッズが絶大な支持を得たほか、スニーカー、日本のストリートファッション、ハードルアーなどが人気だった。
 
Buyeeの売上データを基にした日本発の世界ヒットランキング

 東南アジアでも、1位と2位は米国と同じ。特に、人気は『ONE PIECE』だった。3位に「自動車、オートバイ」。バイクやカーパーツが各国に売れたほか、日本メーカー(セイコー、カシオ)の時計やゴルフ用品などがさらに伸長した。東アジアも、トップ2は同様でONE PIECEフィギュアが人気。3位についたのは、「アンティーク、コレクション」だった。日本の陶磁器や一眼レフ、万年筆もヒットした。

 欧州も、1位が同様、2位が「音楽」で3位が「ファッション」だった。ポケモン、ドラゴンボール、遊戯王、MAGICなどのカードゲームが人気で、意外にも盆栽用具や浮世絵、武具に注目が集まった。

 南アジアでは、1位に「自動車、オートバイ」、2位に「家電、AV、カメラ」、3位に「おもちゃ、ゲーム」という並びになった。バイクとカーパーツ、トレーディングカードや眼鏡がヒット。スマートフォン本体やゲームも人気だった。

 BEENOSは、21年のヒット傾向も予測。今後、注目されるのは「熱狂コミュニティ消費」だという。日本のアニメやゲーム、K-POPといったコンテンツを通じて、世界のファンがボーダレスにつながっていることを受け、その流れが加速すると期待している。5Gによって動画配信はさらに盛り上がる見込みで、オンラインにおけるファンのつながりが重視されることになりそうだ。