週末の外出自粛要請でさらなる悪化確実、春のPC市場

【BCN速報値】 全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、3月第3週(3月16~22日)のPC販売台数は前年比92.0%となり、前週の96.7%から一段と悪化した。新型コロナウイルスの対策で3月25日に東京都の小池百合子知事が外出自粛要請を出し、周辺の神奈川県や埼玉県、千葉県、栃木県の知事も連携する形で、週末の土、日の外出自粛要請を発表した。東京の人の流入を抑制する動きが強まったことで、3月第4週(3月23~29日)のさらなる悪化は確実だ。


 BCNランキングのデスクトップとノートを合算したPC販売台数で、2018年11月第1週を100とした指数推移のグラフ(下のグラフ)からも分かるように、例年なら3月は1~4週にかけて需要が盛り上がる。4月からの新生活の準備で、新しいPCを購入するユーザーが増えるからだ。

 18~19年の指数推移をみても、19年3月第1週の137.3~第4週の169.4まで伸びている。しかし、19~20年の指数推移では20年3月第1週の137.8~第3週の152.5まで伸びが弱いことが分かる。

 販売台数の前年同週比は、3月第2週から2週連続の前年割れ。新型コロナ対策では、平日の在宅勤務が推奨されていることから需要の伸びが期待されていたが、中国の工場の操業停止など供給面の影響が時間差で響き、家電量販店の店頭では販売機会の損失が起きている。

 ここに、休日の外出自粛要請が重なって人の動きが制約されることで、販売台数の回復は期待できない状況になっている。BCN総研の木下智裕部長は、3月第4週(3月23~29日)を次のように占う。

 「年度末商戦のピークを迎えるが、品不足が継続しており、首都圏の外出自粛要請もあることから、前年比2桁減は避けられない状況だ」。新型コロナの収束が見通せない中、経済へのダメージも日増しに大きくなっていきそうだ。(BCN・細田 立圭志)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。