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ワークマン、店舗在庫で「店舗受け取り」通販開始 楽天からは撤退

 ワークマンは、店舗在庫による店舗受け取り通販を開始する。新サービスに特化したサイトを3月16日にオープンし、受け取り拠点の強化のため、都心ターミナル駅周辺や空白だった宮崎県にも出店する予定だ。ネット大手に「定価」で負けないプライベートブランドPB製品ラインアップの充実を受け、ネット通販専業に勝てる体制づくりを目指す。

ワークマンが「店舗受け取り通販」の新サイトを3月16日にオープンする

 ワークマンが店舗受け取り通販を強化する理由は大きく分けて四つ。全リアル店舗が好調で出店条件が緩和されたことで、今後10年でさらに400店の新規出店が可能な点。現状でも、ネット通販ユーザーの67%が店舗受け取りを選択している点。宅配コストのかからないので、ネット通販専業に配送コストで負けない点。宅配コストの高騰や人手不足の解消を見込める点だ。

 新たに開発するネット通販サイトの新システムのメリットは多い。ユーザー側には、店舗に在庫がある場合、最短3時間で受け取ることができる、最短で当日配送できる、受け取り時に試着やサイズ変更ができる、人気商品を先行予約できる、店舗在庫を確認できる、などのメリットがある。

 ワークマン側には、ネット通販で注文される製品の約7割が店舗に在庫がある、店舗に在庫がない製品について本部から店舗へ毎日行くチャーター便に載せる(追加コストなし)、ユーザーが店舗在庫を確認できるため、在庫確認の電話が減少するなどのメリットが考えられる。

 また、新サイトでは「ネーム入れ」機能を実装する。サイトとブラザーの刺繍機を連携させ、ユーザーが入力した文字をミシン用データに変換して名入れする仕組みだ。

 店舗の受け取り通販に力を注ぐため、これまでワークマンのネット通販売上の2割を占めていた楽天経由での販売を停止する。販売減の懸念もあるが、楽天経由の販売の9割以上がPB製品だったため、大半のユーザーが新ネット販売サイトに移ると見込んでいる。

 新サイトの初年度の売上目標は30億円。このうち8割以上が店舗受け取りで、フランチャイズ加盟店の売上になる。ネット通販は従来通りのペースで、今後も毎年売上を倍増していくという。(BCN・南雲 亮平)