LG VELVETには4,300mAhの大容量バッテリーが搭載されているので、デュアルスクリーンを装着した状態でも1日中ゆとりを持って使えた。装着した状態で二つの画面はフラットに開く。デュアルスクリーンを360度回転させてスマホと背中合わせにもできる。
専用のLG Dual Screen。USB Type-C端子に装着する
カバーを閉じてもコンパクトなモノクロ表示のディスプレイで時刻や通知アイコンが確認できる。
LG VELVETでは生体認証にスクリーン埋め込みタイプの指紋認証センサーを使う。デュアルスクリーンはスマホのカメラ、マイクや3.5mmイヤホンジャックが隠れないように切り欠きを設けたデザインとしているが、背面や側面に余計な切り欠きはない。基本はスマホに着けっぱなしにした状態で使える専用アクセサリーだ。充電もデュアルスクリーンを装着したまま行えるが、ケース側の端子形状が特殊なのでUSB Type-Cケーブルを使うための専用変換アダプターが同梱されている。
3.5mmイヤホンジャックの箇所が切り欠かれている。ケース側の充電端子は特殊な形状だ
豊富に揃うエンタテインメント&クリエーション機能
LG VELVETはオーディオ・ビジュアルの機能が充実するスマホだ。筆者が注目したポイントをいくつか紹介しよう。まず、再生中の動画コンテンツに最適な立体音響効果を自動選択する機能「LG 3Dサウンド」だ。本体設定から「サウンド」を選び、「音質とサウンドエフェクト」のなかに並ぶ「LG 3Dサラウンド」のチェックをオンにする。映画やアニメ・ドラマを再生すると迫力ある効果音が楽しめた。音楽ライブではボーカルや楽器の音色に鮮度が増す。ニュースやYouTubeの解説動画では人の声がクリアになって聞きやすかった。
LG VELVETのメインカメラはアスペクト比16:9の4K動画撮影に対応する。ニュートラルで自然な画質もさることながら、サウンドのメニューも充実している。奥行き方向への広がりを感じさせる音声が収録できる「ASMR録音(バイノーラル録音)」機能はV60 ThinQ 5Gに続いて搭載する。人の話し声、鳥のさえずりなど特定方向にマイクの集音バランスを振り向けて収録できる「ボイスアウトフォーカス」もある。それぞれの機能を使い分けながら、いつもの風景を歩いて流し撮りしてみるだけでもクリエイティブな動画が撮れる楽しみが得られる。
ASMR録音モードで動画を撮影。何気ない日常の風景も臨場感たっぷりの音と一緒に撮れる
ビデオ会議もはかどる2画面活用法
LG VELVETにデュアルスクリーンを装着すると、それぞれの側に異なるアプリを立ち上げてマルチタスキングが可能になる。クアルコムのハイミドルレンジ端末向けのSoCである「Snapdragon 765G」を搭載しているので、マルチタスク操作のレスポンスはとても機敏で心地よい。動画を見たり、ゲームを遊びながらのWeb検索もサクサクと動いた。
LG VELVETの6.8インチの高精細な有機ELの大画面にも収まりきらない映像はポータブルプロジェクターを使って部屋の壁などに投射して楽しむのもアリだ。LGエレクトロニクスの「CineBeam PH30N」はLG VELVETとワイヤレスでペアリングして、スマホで再生した動画や写真をプロジェクターに遅延なく転送できる「SCREEN SHARE」機能が使える良きコンパニオンデバイスだ。
LG VELVETについてはビジネス系のアプリ、アクセサリーの拡充にも期待したい。二つの画面を活かしながらシステム手帳として機能するアプリ、ノートブックスタイルにして心地よくタイピングできる「ワイドモード」対応のテキストエディタなどソフトウェアの側でその個性に一段と磨きをかけられる余地がまだ沢山あると思う。(フリーライター・山本敦)