業界初、クラウドの映像処理データと連携する東芝「4K液晶レグザ Z740Xシリーズ」

 東芝映像ソリューションは2月5日、業界初のクラウド上で独自のAI超解像処理を施したデータバンクと、テレビ側に搭載する新開発「レグザエンジン Cloud PRO」を連携させた「タイムシフトマシン4K液晶レグザ Z740Xシリーズ」を発表した。

「タイムシフトマシン4K液晶レグザ Z740Xシリーズ」

 65型「65Z740X」と55型「55Z740X」が2月21日から、50型「50Z740X」が5月下旬から発売する。価格はオープンで、税別の実勢価格は、65Z740Xが29万円前後、55Z740Xが21万円前後、50Z740Xが18万円前後の見込み。

 Z740Xシリーズは、全面直下型LEDバックライトパネルを採用。新開発したクラウド連携する「クラウドAI高画質テクノロジー」は次のような仕組みだ。アニメやドラマ、スポーツなどを単なるカテゴリー別ではなく監督やドラマの種類、スポーツの競技などに細分化したり、コンテンツの画質の特徴をとらえたりしながらAI超解像処理した映像調整データバンクを、テレビの電源を入れたときにダウンロードしながら映像処理エンジン「レグザエンジン Cloud PRO」を通じて最適な画質で出力する。

 通常の放送波の番組情報からは、アニメやドラマ、スポーツといった大雑把なカテゴリー情報しかない取得できないが、クラウドAI高画質テクノロジーはクラウドでさらに詳細に分類した最新のデータバングを、視聴するたびにレグザ本体に反映させるイメージだ。例えば、スポーツなら野球や相撲、サッカー、陸上、アニメなら映画や監督、シリーズによってタッチが変わるなどの特徴をとらえながら、それぞれ異なる処理をしたデータをクラウド上に格納している。
 
クラウドAI高画質テクノロジー

 視聴しているユーザーに違和感を与えないよう、ダウンロードした信号をすぐに出力映像に反映させるのではなく、徐々に反映させることもレグザエンジン Cloud PRO側で処理するという。

 ちなみに、見たい番組が後から見られる「タイムシフトマシン」機能の内蔵HDDに録画されている映像も、再生する際にレグザエンジン Cloud PROで映像処理することで、クラウドの上の最新データバンクを反映する。
 
Z740Xシリーズに搭載した「レグザエンジン Cloud PRO」

 クラウドAI高画質テクノロジーは、特番などの単発の新しい番組が登場したときに反応するものではない。ドラマやアニメなど連続する数話を分析した上で、コンテンツの特徴に合わせて最適な超解像処理を施す。また、個人ごとの視聴傾向や好みの応じて映像処理するというものでもない。このあたりは、クラウド側のテクノロジーの進化と連動した、新しい映像処理技術の登場に期待が膨らむところだ。

 なお、クラウドAI高画質テクノロジーは6月のファームウエアのアップデートで対応する予定となっている。

 Z740Xシリーズの映像処理技術ではほかに、「地デジAIビューティPRO」を搭載。多くのユーザーが視聴する地デジの映像シーンで、細かい絵柄部分は精細感をアップさせたり、平坦な部分は滑らかにしたり、文字まわりのモスキートノイズを低減したりして、高精細な映像に仕上げる技術だ。
 
「地デジAIビューティPRO」

 また、「ネット動画ビューティPRO」は動画配信サービスごとに異なるmp4やVP9などの圧縮方式やHDやSD、UHDなどの解像度、24p、30p、60pなどのフレームレートの違いに応じて、最適なパラメータをあてて高画質化する。大画面でもYouTubeなどのネット配信映像などが破綻することなくキレイな映像で視聴することができる。
 
「ネット動画ビューティPRO」
 
「おまかせAIピクチャー」

 ほかにも、「おまかせAIピクチャー」は本体正面に搭載した色温度センサーによって、視聴環境の明るさや色温度の違いをリアルタイムに検出しながら最適な画質に自動調整する。外光が差す明るい昼間にくっきりと鮮やかな画質、夜の電球色のリビングでしっとりとした目に優しい映像に自動調整してくれる。

 音質では、最大音声出力80Wの「クリアダイレクトスピーカー」と「クワッドパッシブ重低音バズーカーウーファー」を搭載した「レグザ重低音バズーカオーディオシステム PRO」による迫力のある重低音が楽しめる。(BCN・細田 立圭志)