【レビュー】BenQのアイケアディスプレイ「EW277HDR」を1か月使って変わったこと

 BenQ(ベンキュー)は、HDR対応の27型フルHDアイケアディスプレイ「EW277HDR」を12月10日に発売した。一足先に1か月間使用できる機会を得たので、仕事で使うディスプレイと取り換えて使ってみると、2週間経った頃から身体や生活に少し変化がでてきた。


HDR対応 27型フルHD アイケア ビデオエンジョイメント ディスプレイ「EW277HDR」を一か月間使ってみた

 EW277HDRは、黒から白までの濃淡をはっきりと表示するハイダイナミックレンジ(HDR)再生に対応した液晶ディスプレイ。Rec.709カバー率は100%、DCI-P3カバー率は93%の広い色域をもち、VAパネル搭載でリアリティのある映像を映し出すことができる。
 

ディスプレイの設定は、画面下部のボタンで操作する

 加えて、「ブライトネスインテリジェンスプラス(B.I.+ : Brightness Intelligence Plus)」技術を搭載。画面の下部にあるセンサで周辺の明かりの環境を読み取り、自動的に明るさや色味を調節することで目の疲れを軽減する。センサがどのように反応しているのかは、画面右下のアイコンで確認できる。アイコンを表示しない設定も可能だ。
 

画面下部のセンサがどのように反応しているのかを、画面右下のアイコンで確認できる

 本体のデザインは、3辺ともスリムベゼルですっきりした外見。UIの部分には、HDRとB.I.+機能のオン/オフのみを切り替えるボタンを搭載しており、動画や写真を確認する際とそれ以外での使い分けが便利になっている。
 

スリムなベゼルですっきり見える
 

HDRとB.I.+機能のオン/オフ操作が一括でできるボタン

ディスプレイを変えた感想、きれいな画面で目の疲れも軽減

 使ってみて最初に驚いたのは、画面の大きさと、高画質な画面表示だ。遠目にも画面に映る内容が確認できるほど高画質で大画面なディスプレイを使うのは初。普段はディスプレイを2枚並べていた作業も1枚で十分になり、自分で撮影した写真も高精細に映るので写真の選定作業ははかどった。

 次に、HDR10に対応するEW277HDRが得意な動画を視聴してみた。イベントの動画を再生してみると、照明の関係で暗い部分があってもHDR再生で人の影がよく見えた。外の風景を映した動画だけでなく、室内イベントなどの明暗の差が大きい動画の視聴時には、HDR対応が最適といえるだろう。

 なお、HDRでの視聴はHDMIケーブルの使用が必須で、HDR規格で撮影されたコンテンツのみに対応する。そこでEW277HDRは、HDRエミュレート機能を搭載。HDR規格外のコンテンツの場合でも、輝度とコントラスト比を自動的に高めることで視聴品質を向上させることができる。
 

動画の視聴も快適

 大画面・高画質の恩恵は、机に向かう姿勢にも影響した。画面と目との距離を離してもきれいに細部まで確認できるため、1か月間使っていると徐々に目を画面に近づけなくなり、姿勢の改善につながった。また、目の疲れからくる肩こりや頭痛が減り、寝つきが良くなったようにも感じる。
 

作業する際に画面に目を近づけなくてもくっきりと見える

 ただ、大画面を使用するのに慣れていない場合、画面の端から端までを一目で確認できないため、視線の移動が小さいディスプレイに比べて大きくなってしまう点が少々気になった。1か月では足りなかったのかもしれない。
 

基本的な接続端子は揃えている

 肩こりや寝つきの悪さの原因は、目の疲れかもしれない。仕事でPCの画面を長時間にわたって見続けなければならない場合は、なおさら、その可能性が高い。マッサージや目もとケアの家電を使い、目をいたわる方法はあるが、時間の確保が難しい場合もある。簡潔な解決策は、目が疲れにくいディスプレイを使うことかもしれない。