コスパ重視のハイアマチュア写真家向け、BenQのHDR対応4Kディスプレイ

新製品

2017/12/07 13:00

 BenQ(ベンキュー)は12月、本格的なアマチュアカメラマン向けに、コストパフォーマンスに優れたハイダイナミックレンジ(HDR)対応の27型4K UHDディスプレイ「SW271」を日本で発売する。高機能・高画質で、遮光フードが付属する。価格は18万円前後の見込み。


BenQ のHDR対応27型4K UHDディスプレイ「SW271」(遮光フード装着時)

 「SW271」は、ヨーロッパ13か国を代表する約30誌のカメラ・映像関連専門誌が主催する「TIPA2016」で、ベストフォトモニターとしてアワードを受賞した「SW2700PT」の上位機種。人気だった性能と費用のバランスの良さをしっかりと継承している。
 

SW271の本体のみ

長所を引き継ぎ、新要素でコスパアップ

 以前から大きく進化したのは解像度だ。「SW271」には、フルHDの4倍という高解像度を誇る「4K UHD」ディスプレイを新たに搭載。加えて、黒から白までの濃淡をはっきりさせるハイダイナミックレンジ(HDR)に対応する。引き続き採用する10億色以上の色を映し出す「10-bitカラーディスプレイ」やAdobe RGBカバー率99%の色再現性と組み合わせることで、一層本物に近い画像の表示が可能になった。
 

FHDとUHDの比較

 さらに、1本のケーブルでビデオ信号とデータを送信できるUSB-Type Cに対応したことで4Kコンテンツの再生や、グラフィックカードの出力データを変えることなくディスプレイ内部の画像処理チップを調整する「ハードウェアキャリブレーション」が快適になっている。キャリブレーションソフトウェアの「Palette Master Element」は健在だ。
 

1本のケーブルでビデオ信号とデータを送信できるUSB-Type Cケーブルに対応

 他のディスプレイメーカーであれば別売りする遮光フードは、前機種と同様に標準装備。画面を縦にしても使える「SW271」には、縦向き用の遮光フードも付いている。
 

横向き用の遮光フードだけでなく、縦向き用の遮光フードも付属する

 また、ディスプレイの設定などを直感的に操作できるホットキーパック(OSDコントローラ)を付属する。ホットキーパックは、Adobe RGBモード、sRGBモード、モノクロモードを簡単に切り替えられるほか、各ボタンには他のモードや明るさ、コントラストといった機能を割りあてられる。
 

各ボタンの機能をカスタマイズできるホットキーパック(OSDコントローラ)

 PCを2台同時に接続してPIP/PBPモードに切り替えると、画面を中央で2分割して、それぞれのPCの画面を個別に表示する「GamutDuo(ガンマデュオ)」機能が有効になる。同じ画像の色味をAdobe RGBモードとsRGBモードで比較するなど、異なる色空間のコンテンツを横に並べて比べることができる。
 

異なる2台のPC画面を同時に出力できる

 画面サイズは27型ワイドで、視野角は178°/178°。アスペクト比は16:9。表示サイズは608.8×355.3mm。表示色はフルカラー約10億7000万色、輝度は350cd/m2。応答速度(G to G)は12ms(5ms)。入出力端子はHDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1、USB-Type C×1(電源供給はなし)、ヘッドホンジャック×1、SDカードスロット×1。ティルト角度は上下20°~-5°。本体サイズは、高さ613.8×幅504.49~610.95×奥行き213.43 mmで、遮光フードを除いた重さは約9.3kg。本体色はグレー。パネルとバックライトを含む3年保証がついている。
 

豊富な接続端子

 費用を抑えつつ高性能なディスプレイを購入できれば、レンズや三脚などのカメラ周辺機器をよりリッチにできるだろう。特に「SW271」は、4K UHDディスプレイを搭載するためドットが非常に細かく、画像の細部が気になっていたカメラマン必見の逸品だ。本格的な機材は高価な場合が多いため、賢く資金を振り分け自分にあった製品を選び抜きたい。