2026.7.29 17:00
スマホ・PC詐欺電話を防いで痴漢対策にも役立つ、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」とは?
近年、特殊詐欺や闇バイト関連犯罪、痴漢被害など、身近な犯罪はますます巧妙化している。そんな中、利用者を増やしているのが警視庁の防犯アプリ「デジポリス」だ。2026年6月1日時点で、ダウンロード数が186万件を超えている。詐欺電話対策機能や痴漢撃退機能を搭載し、「犯罪に遭う前に防ぐ」ことを目的とした総合防犯プラットフォームとして進化している。
警視庁の防犯アプリ「デジポリス」
そこで目を付けたのがスマートフォン(スマホ)だ。利用者が常に携帯しているスマホを通じてリアルタイムで防犯情報を届けることで、多くの人に迅速な注意喚起ができるようにした。
デジポリスのトップ画面
アプリを開くだけで、東京都内で発生している犯罪情報や防犯情報、注意喚起をリアルタイムで確認できる。また、「メールけいしちょう」で配信された情報も自動反映されるため、常に最新の防犯情報を把握できる。防犯情報を「待つ」のではなく、「いつでも手元で確認できる」仕組みを実現したのだ。
国際電話番号ブロックシステム
利用者は一度設定するだけで、不審な国際電話や特殊詐欺に利用された番号への対策が可能だ。最大のメリットは、「怪しい電話に出ない」こと。特殊詐欺の多くは電話に出た瞬間から始まる。しかし、この機能を利用すれば犯人と接触する機会そのものを減らすことができる。
国際電話番号ブロックシステムの提供前は累計約98万ダウンロードだったが、提供後は186万ダウンロードを突破。利用者から高い支持を得ていることが分かる。
痴漢撃退機能
ワンタップで大音量による警告音声を再生できるほか、「痴漢です 助けてください」などのメッセージを画面表示することも可能。さらに周囲の乗客が「ちかんされていませんか?」という画面を被害者に見せることで、声を出さなくても支援できる仕組みも用意されている。
実際、25年7月には痴漢撃退機能を利用した女性が周囲の協力を得て、痴漢犯を現行犯逮捕する事例も発生している。
堅い雰囲気をできるだけ排除
特に高齢者向けには、警察職員がイベント会場などでダウンロードや設定をサポートすることにも取り組んでいる。
また、防犯情報の共有機能や家族との連絡に活用できる「ココ通知」なども搭載されている。高齢の親を持つ家庭にとって、「離れて暮らす家族を守るツール」としても有効といえる。
ココ通知
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防犯意識を社会全体に広げるために誕生
デジポリスは、警視庁が16年3月にリリースした防犯アプリ。開発のきっかけとなったのは、特殊詐欺被害への危機感だった。当時の防犯啓発は高齢者向けが中心だったが、警視庁は「高齢者だけに注意喚起しても限界がある」と判断、被害を防ぐためにはスマートフォンに慣れた子ども世代や孫世代から家族へ働きかけてもらう必要があると開発に踏み切った。そこで目を付けたのがスマートフォン(スマホ)だ。利用者が常に携帯しているスマホを通じてリアルタイムで防犯情報を届けることで、多くの人に迅速な注意喚起ができるようにした。
いつでも手元で確認できる
従来の防犯活動として、チラシ配布や地域巡回などがある。これらは対面で情報を伝えられるメリットがある一方、犯罪発生情報や新たな詐欺手口を、迅速に、広範囲に知らせることは難しい。その弱点をデジポリスが補うというわけだ。
アプリを開くだけで、東京都内で発生している犯罪情報や防犯情報、注意喚起をリアルタイムで確認できる。また、「メールけいしちょう」で配信された情報も自動反映されるため、常に最新の防犯情報を把握できる。防犯情報を「待つ」のではなく、「いつでも手元で確認できる」仕組みを実現したのだ。
利用者急増の理由は「国際電話番号ブロックシステム」
デジポリスの中で注目を集めている機能が「国際電話番号ブロックシステム」だ。最近では、警察官や公的機関を装った特殊詐欺が急増している。特に警視庁によると、特殊詐欺に利用される電話番号の約8割が国際電話番号だったことから、この機能が緊急に実装されたという。
利用者は一度設定するだけで、不審な国際電話や特殊詐欺に利用された番号への対策が可能だ。最大のメリットは、「怪しい電話に出ない」こと。特殊詐欺の多くは電話に出た瞬間から始まる。しかし、この機能を利用すれば犯人と接触する機会そのものを減らすことができる。
国際電話番号ブロックシステムの提供前は累計約98万ダウンロードだったが、提供後は186万ダウンロードを突破。利用者から高い支持を得ていることが分かる。
SNSでも話題の「痴漢撃退機能」とは?
デジポリスには、通勤・通学者から高く評価されている「痴漢撃退機能」も搭載されている。痴漢被害に遭った際、多くの人が声を上げられないという現実がある。満員電車で恐怖や緊張から助けを求められないケースも少なくない。そこで開発されたのが、痴漢撃退機能なのだ。
ワンタップで大音量による警告音声を再生できるほか、「痴漢です 助けてください」などのメッセージを画面表示することも可能。さらに周囲の乗客が「ちかんされていませんか?」という画面を被害者に見せることで、声を出さなくても支援できる仕組みも用意されている。
実際、25年7月には痴漢撃退機能を利用した女性が周囲の協力を得て、痴漢犯を現行犯逮捕する事例も発生している。
防犯アプリとは思えない使いやすさ
警察が提供するアプリというと、「難しそう」「堅そう」と感じる人もいるだろう。しかしデジポリスは、そうした印象を払拭している。警視庁は開発時に堅い雰囲気をできるだけ排除し、親しみやすさを重視。ボタンの色や大きさ、画面レイアウトを工夫し、子どもから高齢者まで直感的に操作できるよう設計されている。
特に高齢者向けには、警察職員がイベント会場などでダウンロードや設定をサポートすることにも取り組んでいる。
家族みんなで使える防犯プラットフォーム
デジポリスは個人利用だけでなく、家族防犯にも役立つ。例えば、親世代が高齢者にアプリをインストールし、国際電話番号ブロックシステムを設定してあげるケースも増えているという。また、防犯情報の共有機能や家族との連絡に活用できる「ココ通知」なども搭載されている。高齢の親を持つ家庭にとって、「離れて暮らす家族を守るツール」としても有効といえる。
デジポリスが目指す未来
デジポリスについて、警視庁では「防犯アプリの先駆けであり続けること」を目標に掲げている。今も社会情勢に応じて機能の追加や改善を続けており、利用者の安全に直結する新たな機能があれば積極的に導入を検討するという。将来的には、東京都内に在住・在勤・在学する全てのスマートフォン利用者が活用し、防犯能力を高めながら安心して暮らせる社会の実現を目指している。スマホ一つで始められる防犯対策として、デジポリスが欠かせない存在となることに期待したい。
佐相 彰彦
「週刊BCN」の記者として入社。その後、副編編集長に就任。編集管理と記事企画を担当する。現在は「BCN+R」の編集・記者として業務に従事。家電やITをベースに、スマホやPCをはじめ、周辺機器やサービスなどを取材している。
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