2026.7.26 18:30
スマホ・PCひかり電話で外からイエデン、Androidでも使いたい――AIが全部教えてくれた[道越一郎のカットエッジ]
自宅の固定電話を外出先から使う「外からイエデン」が面白い。外出先のスマートフォン(スマホ)から自宅の固定電話経由で電話を受発信できる、というものだ。いつも愛用している。電話料金は、どこからかけても全国一律3分8円。海外旅行中でも、日本国内向けなら3分8円で通話できる。スマホは、モバイルデータ通信でもWi-Fiでも、何らかの形でインターネットにつながっていればいい。ただし固定電話には少々条件がある。光回線のNTT系ひかり電話を使っていて、貸与されているひかり電話用ホームゲートウェイ(HGW)が400シリーズ以降(PR-400KIなど以降)である必要がある。最近貸与されたものであれば、おおむね対応しているだろう。ただし、Wi-Fiを使う場合は別途オプションのWi-Fiユニットを付け足すなどで、追加費用がかかる場合もある。
外からイエデンを実現するホームゲートウェイ
(NTT RT-500KI)
NTT系のHGWには、スマホを、コードレスフォンの子機のようにして使う「内線電話」機能がある。専用アプリをスマホにインストールしてHGWとつなげると、自宅内でスマホを固定電話の子機として使える。これを応用したのが外からイエデンだ。HGWにはもともとVPN(Virtual Private Network=仮想専用線)機能が内蔵されている。NTTはおおっぴらに推奨しているわけではないのだが、外からイエデンのような用途に活用できる。これを使い、外出先のスマホとHGWをネット経由でVPN接続し、スマホが自宅内にあるのと同じ状態を作り出すわけだ。スマホを内線と同じ扱いにすることで、固定電話の番号で受発信できるようになる。外からかけても発信元の電話番号は固定電話の番号になり、着信時もスマホに相手の番号が表示される。
ホームゲートウェイの内線設定でスマホを登録。
外からイエデンが使えるようにするための最初の設定だ
実はスマホ側にも制限がある。iPhoneなら、素直にHGWとのVPN設定をすればいい。アプリはひかり電話用に広く使われていて、Android用にも提供されているアプリ「AGEphone」だ。HGWとスマホの設定を完了すれば、外からイエデンが使えるようになる。しかし、Androidは事情が異なる。使えるのはAndroid 11以前の古いバージョンのスマホに限られる。2021年にリリースされたAndroid 12以降のバージョンを搭載するスマホは、そのままでは使えない。理由はVPN方式。NTT系のHGWに搭載されているのは「L2TP/IPsec」のみ。iPhoneではiOSの最新バージョンでも搭載されている。しかしAndroidはセキュリティーが不十分という理由で12以降から削除されてしまった。これではAndroidスマホはつながらない。色々調べたが、スマホ側で解決する方法はなさそうだ。私は基本的にAndroidユーザーなので、これには困った。結局今でも外からイエデン用に、1台古いスマホを用意しているが、どうにかならんものか……。何年も経過しても解決できないままになっていた。
Android スマホのVPN設定画面。左端がAndroid 10で「L2TP/IPsec」が選択できる。
しかし中央にある最新のAndroid 17では「L2TP/IPsec」が消えている。
右端は新たに導入した「WireGuard」の設定画面。設定はQRコードを撮るだけなので簡単だ
ふと思い立って、AIのGeminiに聞いてみることにした。事情を説明してどうにかならんかと。すると、HGWの下にもう一台Wi-Fiルーターをつないで、そのVPNサーバー機能を使うことで解決できるという。まあ、できるかどうかはわからないが、ダメもとでやってみることにした。まずは、この用途に使えて手ごろな価格のWi-Fiルーター選びから。小一時間やり取りしながら選んだのはWi-Fi 6E対応のTP-Link「Archer AXE5400」。WireGuardというVPNに対応するのがポイントだ。最近広く使われるようになったVPN方式だという。ライセンスフリーなので無料で使える。スマホ側にもWireGuardをインストールし、Archer AXE5400の設定画面からQRコードを読み込ませるだけで設定完了、というのも便利だ。
今回新たに導入したTP-Linkの
「Archer AXE5400」
Wi-Fiルーター購入の際、誤って「AX5400」を購入しそうになった。一旦購入ボタンを押してしまって、購入画面をGeminiに見せたところ「それはWireGuard非対応だから買っちゃだめだよ」と怒られてしまった。購入すべきだったのは「AXE5400」。「E」があるとないとでは大違いで、内部チップに大幅な変更があり、EつきのモデルからWireGuard対応になったという。誤購入したのは何とかキャンセルに応じてもらえて、正しい製品を買い直すことができた。「静的IPマスカレード」やら「DDNS」やらと、設定はかなり面倒だったが、全てGemini頼り。疑問があれば、設定画面のスクショを見せて聞いたりして、すべてGeminiの言われるがままに進めた。一通り終わって、いざ接続テスト。緊張の瞬間だ。果たしてつながるのか……。やってみるとあっさり成功。手持ちの、どのAndroidスマホからも、外からイエデンが使えるようになった。こんなにあっさりうまくいくとは少々拍子抜けだ。途中、Geminiは勘違いすることがあったりもしたが、その実力には舌を巻いた。
外からイエデンは、スマホの通話料が安くなって外からでもイエデンが使えるだけでなく、電話による認証にも役立つ。時々登録した電話番号から電話をかけて認証するというサイトがあるが、イエデンの番号を登録している場合、通常、家にいなければ認証できない。しかし外からイエデンなら、外出先からの認証も無事突破できる。常に必要な機能かと言えばそうでもないが、あればあったで重宝するのが外からイエデンだ。うれしい副作用もあった。WireGuardを使ってPCもVPN接続できるようになったからだ。外出先の野良Wi-Fiを使う際でも、VPNでセキュリティーを保ちつつPCをネット接続できるわけだ。しかも無料だ。PCは、L2TP/IPsecでもVPN接続ができるので、以前の環境でもVPNは使えた。しかし、何かと不安定だった。WireGuardは極めて安定している。外からイエデンと無料VPN。チャレンジする価値はあるだろう。(BCN・道越一郎)
写真ギャラリー
(NTT RT-500KI)
NTT系のHGWには、スマホを、コードレスフォンの子機のようにして使う「内線電話」機能がある。専用アプリをスマホにインストールしてHGWとつなげると、自宅内でスマホを固定電話の子機として使える。これを応用したのが外からイエデンだ。HGWにはもともとVPN(Virtual Private Network=仮想専用線)機能が内蔵されている。NTTはおおっぴらに推奨しているわけではないのだが、外からイエデンのような用途に活用できる。これを使い、外出先のスマホとHGWをネット経由でVPN接続し、スマホが自宅内にあるのと同じ状態を作り出すわけだ。スマホを内線と同じ扱いにすることで、固定電話の番号で受発信できるようになる。外からかけても発信元の電話番号は固定電話の番号になり、着信時もスマホに相手の番号が表示される。
外からイエデンが使えるようにするための最初の設定だ
実はスマホ側にも制限がある。iPhoneなら、素直にHGWとのVPN設定をすればいい。アプリはひかり電話用に広く使われていて、Android用にも提供されているアプリ「AGEphone」だ。HGWとスマホの設定を完了すれば、外からイエデンが使えるようになる。しかし、Androidは事情が異なる。使えるのはAndroid 11以前の古いバージョンのスマホに限られる。2021年にリリースされたAndroid 12以降のバージョンを搭載するスマホは、そのままでは使えない。理由はVPN方式。NTT系のHGWに搭載されているのは「L2TP/IPsec」のみ。iPhoneではiOSの最新バージョンでも搭載されている。しかしAndroidはセキュリティーが不十分という理由で12以降から削除されてしまった。これではAndroidスマホはつながらない。色々調べたが、スマホ側で解決する方法はなさそうだ。私は基本的にAndroidユーザーなので、これには困った。結局今でも外からイエデン用に、1台古いスマホを用意しているが、どうにかならんものか……。何年も経過しても解決できないままになっていた。
しかし中央にある最新のAndroid 17では「L2TP/IPsec」が消えている。
右端は新たに導入した「WireGuard」の設定画面。設定はQRコードを撮るだけなので簡単だ
ふと思い立って、AIのGeminiに聞いてみることにした。事情を説明してどうにかならんかと。すると、HGWの下にもう一台Wi-Fiルーターをつないで、そのVPNサーバー機能を使うことで解決できるという。まあ、できるかどうかはわからないが、ダメもとでやってみることにした。まずは、この用途に使えて手ごろな価格のWi-Fiルーター選びから。小一時間やり取りしながら選んだのはWi-Fi 6E対応のTP-Link「Archer AXE5400」。WireGuardというVPNに対応するのがポイントだ。最近広く使われるようになったVPN方式だという。ライセンスフリーなので無料で使える。スマホ側にもWireGuardをインストールし、Archer AXE5400の設定画面からQRコードを読み込ませるだけで設定完了、というのも便利だ。
「Archer AXE5400」
Wi-Fiルーター購入の際、誤って「AX5400」を購入しそうになった。一旦購入ボタンを押してしまって、購入画面をGeminiに見せたところ「それはWireGuard非対応だから買っちゃだめだよ」と怒られてしまった。購入すべきだったのは「AXE5400」。「E」があるとないとでは大違いで、内部チップに大幅な変更があり、EつきのモデルからWireGuard対応になったという。誤購入したのは何とかキャンセルに応じてもらえて、正しい製品を買い直すことができた。「静的IPマスカレード」やら「DDNS」やらと、設定はかなり面倒だったが、全てGemini頼り。疑問があれば、設定画面のスクショを見せて聞いたりして、すべてGeminiの言われるがままに進めた。一通り終わって、いざ接続テスト。緊張の瞬間だ。果たしてつながるのか……。やってみるとあっさり成功。手持ちの、どのAndroidスマホからも、外からイエデンが使えるようになった。こんなにあっさりうまくいくとは少々拍子抜けだ。途中、Geminiは勘違いすることがあったりもしたが、その実力には舌を巻いた。
外からイエデンは、スマホの通話料が安くなって外からでもイエデンが使えるだけでなく、電話による認証にも役立つ。時々登録した電話番号から電話をかけて認証するというサイトがあるが、イエデンの番号を登録している場合、通常、家にいなければ認証できない。しかし外からイエデンなら、外出先からの認証も無事突破できる。常に必要な機能かと言えばそうでもないが、あればあったで重宝するのが外からイエデンだ。うれしい副作用もあった。WireGuardを使ってPCもVPN接続できるようになったからだ。外出先の野良Wi-Fiを使う際でも、VPNでセキュリティーを保ちつつPCをネット接続できるわけだ。しかも無料だ。PCは、L2TP/IPsecでもVPN接続ができるので、以前の環境でもVPNは使えた。しかし、何かと不安定だった。WireGuardは極めて安定している。外からイエデンと無料VPN。チャレンジする価値はあるだろう。(BCN・道越一郎)
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