【作例】望遠でもディテールを鮮明に描写 2億画素&可変ズームの威力
望遠カメラの可変式光学ズームの威力も凄まじい。今回は川向こうにある桜を撮影してみたが、メインカメラの1倍ズームと望遠カメラの4.3倍ズームの写真を比較しても、劣化を感じさせないディテールの再現力を確認することができた。
参考までに望遠カメラのデジタルズームとなる30倍・60倍でも同じ場所から撮影してみたところ、ディテールがつぶれている部分はあるものの、花びらの輪郭や木の模様は十分に描き出していた。
光学ズームは4.3倍までなので、それと比べると見劣りはするものの、デジタル処理も高いレベルで実装されていることがわかる。ちなみにデジタルズームは120倍まで可能だ。
【作例】日常の写真でも「見たまま」を描写
風景だけでなく、日常の人物やフードを対象にした写真の美しさも際立っている。日没後の野外でポートレートモードを試してみたところ、背景のボケや人物との境界はとても自然で、夜景同様に作り込んでいない、ありのままの美しさを感じられた。周囲はだいぶ暗くなっていたが、花や人物の肌の色味は失われることも補完されすぎることもなく、まさに見たままだ。
薄暗い環境でも明るく撮影でき、自然なボケ味や色味も魅力
フードは焼肉屋で生肉を撮影してみたのだが、店内が薄暗かったにも関わらず、淡い赤も深い赤も忠実に再現してくれた。上に乗ったゴマや胡椒の粒感まで伝わってくるディテールの描写も印象的だ。飲食店では1倍ズームだと撮影者の影が入ってしまうことがあるが、17 Ultraは望遠カメラでも寄りの撮影ができるので、応用が効きやすいのもメリットだ。
望遠レンズを使えば、撮影場所の制約に縛られることなく
イメージ通りの写真が撮影できる
アウトカメラの魅力に目が行きがちだが、インカメラも5000万画素という超高解像度で、質感の高い写真を撮影できる。特にPhotography Kit Proを使えば、画面が横向きでも撮影が安定し、手ぶれも抑えられる。
カメラ特化だからこその注意点
Xiaomi 17 Ultraのカメラ性能は、各社の現行モデルと比較しても最上位クラスで、かつ唯一無二の新境地を開拓している。しかし、カメラ特化だからこそ、スマホとしての使い勝手にはいささか妥協を強いられる部分もある。たとえば、ボディの厚みは8.29mmでシリーズ最薄を実現しているが、背面のカメラユニットは可変式設計の望遠カメラを搭載していることもあり、かなり出っ張っている。ケースを装着しても出っ張り自体は残ったままなので、机の上に置くときなどはちょっと取り扱いに慎重にならざるを得ない。
机の上に置くとだいぶ不安定だ
また、すでにユーザーからあがっている声として、本体を振ったとき、カメラユニット内でレンズがカラカラと音を立てるのも少し気になる。これはセンサーと手ブレ補正機構(OIS)がフローティング状態であるゆえに発生するものだが、「故障では?」と勘違いしてしまった人もいるようだ。
最大のネックは、おサイフケータイ(FeliCa)非対応ということだ。すでにモバイル交通カードやスマホによる非接触決済を使っている人にとっては、スマホとしての利便性が後退してしまうため、購入時の大きなハードルになるかもしれない。
「カメラ特化」ではあるが「カメラ全振り」ではない
誤解してほしくないのは、17 Ultraが「カメラ特化」だからといって「カメラ全振り」のスマホではないということだ。今回はカメラにフォーカスしたため、あえて触れなかったが、高性能のSoCであるSnapdragon 8 Elite Gen 5 Mobile Platformや文書作成・画像/動画編集をサポートするXiaomi HyperAIを搭載しており、パフォーマンスは他社のフラグシップモデル並みだ。
高精細な写真を美しく表示できるよう、画面も高精細かつ高輝度(最大3500nits)のディスプレーや6000mAhの大容量バッテリーを搭載しているなど、上記にあげた設計上のクセやFeliCa非対応という点以外は、カメラ以外も非常に優秀と言える。
それにしても、17 Ultraのカメラ体験は本当に楽しかった。レビュー後もいつまでも使っていたくなるような満足度は、最近のスマホではあまり得られなかったものだった。筆者はすでに複数台のスマホを併用しているので、20万円のスマホを新しくお迎えするのは厳しいと感じていたが、「高級コンデジ代わりとして割り切って買っちゃうか?」と本気で悩まされている。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして幅広い業界で取材活動を行う。家電レビュー、業界のキーマンインタビュー、金融サービスの解説、企業の戦略分析などの記事制作が得意。ポイ活セミナーの講師も務め、生活者に役立つ情報を日々発信している。






