【IFA 2017】サムスンが提案する「新たな当たり前」

【ドイツ・ベルリン発】「IFA 2017」の開幕を2日後に控えた8月30日、サムスンはベルリンのTempodromを貸し切って「Your new normal(新たな当たり前)」と題した大規模なプレスイベントを開催した。また1日から開幕した「IFA 2017」では2014年に新設した新ホール「CityCubeの1フロア全部を使ってブース展開をしていた。


CityCubeの1フロア全部を使ってブース展開。
入り口では来場者の顔を撮影し、頭上のスクリーンに製品を集めたモザイク状に表示するコーナーでお出迎え

 プレスイベントの冒頭には、サムスン・ヨーロッパのDavid Lowes CMOが登壇。「消費者からインスピレーションを受け、サムスンはイノベーションを起こしていく。クラフトマンシップや高いコネクティビティに基づいている。サムスンのイノベーションが、新たな当たり前を作り出していく」と口火を切った。
 

サムスン・ヨーロッパのDavid Lowes CMO

 Lowes CMOが示した「新たな当たり前」の一つが新コンセプトの液晶テレビ「The Frame」だ。テレビでありながら、使用していなときにはまるで額縁の絵のような質感で絵画などを表示できるのが特徴だ。今後はギャラリーや博物館と連携し、約1000点のThe Frame向けのアート作品を購入する方針。好きなアートを表示できるCollection機能の充実を図る。IFA 2017ブースでは、美術館風のThe Frameコーナーを設け、そのユニークなコンセプトをアピールしていた。
 

「The Frame」を美術館風に並べ、プロジェクションマッピングを使って
絵画が画面の外から入れ替わるような演出で来場者を楽しませた

 一方、プレミアムテレビ市場では、ヨーロッパで「QLED」テレビのラインアップを拡充する。さらにパナソニック、20世紀FOXと提携し「HDR 10+」の普及を進める。ゲーミング分野では49インチで178度の超広視野角のウルトラワイド液晶ディスプレイ「CHG90」を販売中。ブースでは帯のように広がる湾曲した大きなディスプレイに注目が集まっていた。
 

32:9の超横長ディスプレイを出展。画面の中に吸い込まれそうな錯覚を覚える

 続いて登壇した、サムスンエレクトロニクスヨーロッパ家電事業部のDaniel Harvie 副社長は、二つのドラムが逆方向に回ることで洗濯時間を節約できるQuick Drive搭載のドラム式洗濯機を発表。これも「新たな当たり前になる」と話した。
 

多くのスペースを割いてゲームなどを交えながらQuick Driveの優位性をアピール

 続けてHarvie 副社長は、スティック型のコードレス掃除機「POWERstick PRO」を紹介。150Wの吸引力が電池駆動で40分持続すると、特徴を説明した。ブースでも大きなスペースを割いて仕組みや有用性を説明していた。

 さらに、扉にモニターを付けたラインアップを有する冷蔵庫「Family Hub」シリーズの音声対応を、英語、ドイツ語、フランス語をはじめとしながら対応を拡大すると話した。
 

扉にモニターを内蔵しWindowsなどのアプリと連携し、
家族間のコミュニケーションのハブとしても機能する冷蔵庫「Family Hub」

 冷蔵庫の扉に大型モニターを取り付け、「家庭のハブ」として活用しようとする製品は中国のMidea(美的集団)やドイツのBoshなどでも出展しており、大型冷蔵庫の一つのカテゴリを形成しつつあるようだ。(BCN・道越一郎)