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液晶テレビの買い替え時は? 40型以上が4割超、大画面の有機ELも加わる

時事ネタ

2017/07/09 12:00

 新居に引っ越した30代前半の親戚のリビングで素敵なテレビ台を見た。ウッド調のシンプルなデザインで、ベゼルカラーがブラックのオーソドックスな32型の液晶テレビとレコーダー1台がすっきりと収まっていた。台とテレビのバランスがよく、空きスペースに、バー型のサラウンドシステム(シアターバー)やワイヤレススピーカーを設置しても、なじみそうだった。


テレビとテレビ台は、インテリアを左右する重要な要素だ

 「地デジ元年」といわれた2011年を振り返ってみると、今に続く、スマートフォンの本格的な普及が始まった年だった。世の中の動きやトレンドがわかる「情報源」としてテレビの役割が低下するなか、故障以外の理由で、テレビの買い替えをうながすには、4K、8Kなどの画質や音質といった「機能」より、シンプルに、新居や、模様替えした今のインテリアに合う「デザイン性」をアピールしたほうが響くのではないか。特に、各社が発表した有機ELテレビは、売り場で目立つ「新しくて高いテレビ」で終わりかねない。

ますます進むテレビの大型化 40型以上が4割超える

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、2017年1月~6月の累計で、液晶テレビのシリーズ別販売台数1位は、シャープの「AQUOS H40ラインの32型「LC-32H40」。販売台数の最も多い一番人気の画面サイズ別は32型で、40型、24型、49型、43型と続く。

 ランキング上位に入った製品は、標準ハイビジョンまたはフルHDに対応。4K対応モデルは16位のソニーのX8300Dシリーズの49型「KJ-49X8300D」が最上位、平均単価の倍以上の20万円を超えるプレミアクラスの製品は、ようやく41位に登場する状況で、売れ筋は手頃な価格のスタンダードなモデルだ。
 

 以前は、売れている画面サイズは32型が圧倒的に多かったが(詳しくは<10年間、進まなかった液晶テレビの大画面化 40型4K登場でついにシフト始まる?>を参照)、今は32型と40型台に分散。40/43/45/48/49型をあわせると、わずかながら32型を上回り、今や全体の約4割が40型以上だ。
 

新たな選択肢「有機EL」、ポイントは高いデザイン性

 今年5月、東芝とパナソニックは、初の有機ELテレビを発表した。2015年以降の国内の参入メーカーは4社に増え、一気に注目度が高まった。

 液晶以外のタイプも含めた「薄型テレビ」全体に占める有機ELテレビの販売台数構成比は1月~6月の累計ではわずか0.29%。ただ、月単位で見ると、1月の時点の0.1%から6月は1.02%へ、大幅に拡大。もともと少なかったとはいえ、販売台数も7.4倍に伸びた。

 パナソニックが13年12月でプラズマテレビの生産を終了し、店頭在庫が終了した14年末頃から、薄型テレビは液晶の独壇場だった。各社が発表した50型以上の大画面の有機ELテレビは、いったんは終結した「規格争い」の第2ラウンドの幕開けともいえる。
 

有機ELテレビに限らず、高価格帯モデルは「デザイン性」の高さもアピールポイントの一つだ
(左から、ソニー、パナソニックの有機ELテレビ)

 自発光パネルを採用した有機ELテレビの最大の特徴は、黒の発色の美しさ。しかし、そうした機能性に加え、同サイズの液晶に比べ、高額な価格でも納得できる、薄いパネルを生かしたデザイン性や設置の自由度の高さをアピールしなければ、撤退したプラズマテレビの二の舞いになりかねない。スマートフォンが普及し、ストリーミング方式の動画配信サービスが浸透した今に合った、スペックだけではない、新しいテレビの売り方が求められる。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。