規格争いの決着と価格下落が追い風 激動の08年を制したBDレコーダーは?

特集

2009/01/08 12:30

 次世代DVDをめぐる規格争いの終結で幕を開けた08年は、従来DVDに加え、Blu-ray Disc(BD)の再生・記録に対応した「BDレコーダー」の普及元年といえるだろう。レコーダー全体に占めるBD対応機の販売台数構成比は、08年の始めは2割にも満たなかったが、年末の12月には6割を突破。さらに金額では8割目前まで迫るなど、急ピッチで拡大していった。そこで今回は、「BCNランキング」をもとに、BDレコーダーの08年の年間ランキングを紹介しよう。

  BDレコーダーは、デジタル放送をハイビジョン画質まま、BD-RやBD-REなどの大容量メディアに残せるのが最大の特徴。デジタル放送よりも高精細な市販のBDソフトも再生できる。もちろん、従来のDVDも再生可能だ。さっそく、08年の年間ランキングを見ていこう。集計期間は08年1月1日から12月31日までで、カラーバリエーションは合算して集計した。

BDレコーダー 年間ランキング 2008
順位 メーカー名 シリーズ名 HDD容量
(GB)
販売台数
シェア(%)
1 パナソニック DMR-BR500 250 12.1
2 シャープ BD-HDW22 250 9.5
3 ソニー BDZ-T70 320 8.1
4 ソニー BDZ-T50 250 7.0
5 シャープ BD-HDW25 500 6.5
6 パナソニック DMR-BW730 320 5.8
7 パナソニック DMR-BW800 500 5.7
8 パナソニック DMR-BW830 500 5.3
9 シャープ BD-HD22 250 4.8
10 パナソニック DMR-BW700 250 4.4
11 シャープ BD-HDW15 500 4.3
12 ソニー BDZ-X90 500 3.5
13 ソニー BDZ-T55 320 3.2
14 ソニー BDZ-L70 320 2.8
15 ソニー BDZ-T75 320 2.6
16 ソニー BDZ-L95 500 2.0
17 ソニー BDZ-T90 500 1.7
18 ソニー BDZ-X95 500 1.6
19 ソニー BDZ-A70 320 1.5
20 パナソニック DMR-BW900 1000 1.2

※カラーバリエーションは合算して集計
「BCNランキング」 集計期間:08/1/1-08/12/31 <最大パネル>


 08年に最も売れたBDレコーダーは、パナソニックの08年3月発売の「DMR-BR500」だった。シェアは12.1%で、2位とも2.6ポイント離して堂々の1位に輝いた。「DMR-BR500」は、デジタル放送の2番組同時録画が出来ないシングルチューナーモデルで、HDD容量も250GBと少なめだが、10万円を切る手頃な価格が支持され、BDの普及に弾みをつけた。

パナソニック「DMR-BR500」

 2位は、08年7月発売のシャープの「BD-HDW22」でシェアは9.5%。「DMR-BR500」と同じくHDD容量は250GBだが、こちらは地上・BS・110度CSデジタルチューナーを2基ずつ搭載し、デジタル放送を2番組同時に録画できる、いわゆるダブルチューナーモデルだ。HDD容量500GBの上位モデル「BD-HDW25」も5位に入った。

シャープ「BD-HDW22」

 続いて、3位と4位にはソニーの「Tシリーズ」がランクインした。3位の「BDZ-T70」、4位の「BDZ-T50」ともに、発売は07年11月だが、08年の年間ランキングで上位に食い込んだのはさすが。矢沢永吉さんが出演したCMの「ブルーレイじゃなきゃもったいない」というメッセージが印象に残っている人も多いだろう。

ソニー「BDZ-T70」

 BDレコーダー市場は、昨年夏以来、パナソニック、シャープ、ソニーの3社でほぼ独占する状態が続いている。新たに参入するメーカーも現れたが、08年の年間トップ20は、すべてその3社の製品だった。この年末年始には、セールの目玉商品として6、7万円台で販売されるなど、価格も1年前に比べかなり下がってきている。09年はいよいよ本格的な普及期に入るだろう。HDDの大容量化や、各社とも採用するようになったハイビジョン画質での長時間録画に次ぐ、新しいトレンドは何がくるのだろうか。09年もBDレコーダーの動向に注目したい。(BCN・津江昭宏)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。