ドコモ、「904i」5機種で反撃なるか? 2つの電話番号使い分けサービスも

サービス

2007/04/23 21:22

 NTTドコモは4月23日、第3世代携帯電話「FOMA」の夏モデルとして、「904i」シリーズを5機種を5月から順次発売すると発表した。1台の携帯電話で2台分の電話番号を使い分けられるサービス、定額制の音楽配信に対応し、ゲーム機能なども充実させたのが特徴。MNP(番号ポータビリティ)では苦戦が続くドコモだが、新サービスや端末を武器に「他社に反撃する」(夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長)考え。

 NTTドコモは4月23日、第3世代携帯電話「FOMA」の夏モデルとして、「904i」シリーズを5機種を5月から順次発売すると発表した。1台の携帯電話で2台分の電話番号を使い分けられるサービス、定額制の音楽配信に対応し、ゲーム機能なども充実させたのが特徴。MNP(番号ポータビリティ)では苦戦が続くドコモだが、新サービスや端末を武器に「他社に反撃する」(夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長)考え。


 ラインアップは、NEC製「N904i」、シャープ製「SH904i」、富士通製「F904i」、三菱電機製「D904i」、パナソニックモバイルコミュニケーションズ製「P904i」の5機種。前モデル「903i」までは、マイナーチェンジとして末尾に「S」のついたモデルを挟んでいたが、今回は新シリーズとして開発した。

 「N904i」は、高速通信が可能な3.5世代(3.5G)携帯電話サービス「FOMAハイスピード(HSDPA)」に対応。メイン画面には3インチのワイドVGA液晶を採用した。フルブラウザ機能では英ピクセルの技術を利用、ツールバーなど追加することで使い勝手を高めた。


 「SH904i」は、3インチワイドのQVGAモバイルASV液晶を搭載。ダイヤルキーの上にノートパソコンのタッチパッドのような操作ができる「TOUCH CRUISERパッド」を備えた。カメラで名刺を撮影すると、その情報を読み取り、電話帳に登録する機能なども盛り込んだ。



 「F904i」は、今回発表した夏モデルで唯一ワンセグに対応。縦横比が16:9で、横320×縦432ドットの3.1インチワイドQVGA液晶を搭載し、ディスプレイを横方向に倒すことで、フルサイズでワンセグを視聴することができる。



 「D904i」はスライド開閉タイプで、端末を横に振るだけでメールの表示ができたり、再生中の音楽の曲送りなどを操作できる機能を搭載。ディスプレイは2.8インチのワイドQVGA液晶で、9シリーズでは最薄となる厚さ16.8mmを実現した。「P904i」はメタリック感のある新しいカスタムジャケットを採用。ディスプレイは2.8インチのワイドQVGA液晶。


 5機種ともに、有効320万画素のカメラとGPS機能を搭載。また「メガiアプリ」に対応し、カメラと連動し、オークションに出品したい商品の情報と画像の登録が一度にできる「楽オク出品アプリ」、簡単な操作でモバイルバンキングサービスを利用できる「iアプリバンキング」などのiアプリをプリインストールする。

 904iシリーズの新サービスで目玉となるのが、1台の携帯電話で2台分の電話番号とメールアドレスを使い分けることができる「2in1(ツーインワン)」。Aモード(本契約)、Bモード(追加サービス)、デュアルモード(本・追加契約の同時利用)の3つのモードを用意し、モードを切り替えることで相手に通知する電話番号やメールアドレスだけではなく、電話帳や発着信履歴も自動的に切り替わる。

 本契約で利用している留守番電話やキャッチホンなどのネットワークサービスは追加サービスでも利用できるほか、無料電話分も本契約と追加サービスで共有することが可能。ドコモでは、Aモードはプライベート用、Bモードは仕事用といった使い方を想定しており、一人で2台の携帯を使っているユーザーなどの利用を見込む。従来の契約していた携帯電話の付加サービスとして提供し、基本使用料は月額945円。

 また新たに、定額制の音楽サービス「うた・ホーダイ」を開始する。携帯電話に着うたフルやWMA方式の音楽を直接ダウンロードできるサービスで、当初はナップスタージャパンやUSENなど8社が提供する。サービス対応会社は順次増やしていく計画。

 「D904i」「P904i」「SH904i」の3機種では、内蔵センサーやカメラで端末の傾きなどを検知することで、端末を振ったり、手をかざしたりしてゲームを操作できる「直感ゲーム」機能も搭載。「直感ゲーム」は今後は90Xシリーズ全機種に搭載していく方針。


 夏野執行役員は発表会で「今回はコミュニケーション機能を充実させることで、守りに見えていた(ドコモのイメージ)を覆し、経営陣も一丸となって勝ちにいく」と意気込みを語った。また、「2in1」について「短期間で他社がすぐにマネすることができない革新的なサービス」と自信を見せた。