• ホーム
  • トレンド
  • 賃貸でもテレビは壁掛けにできる? 法律や設置方法、おすすめアイテムを解説

賃貸でもテレビは壁掛けにできる? 法律や設置方法、おすすめアイテムを解説

コラム

2025/10/01 12:14

 テレビは壁掛けにすることで、スッキリとしたおしゃれな空間を演出できます。ただし、賃貸物件に住んでいる場合には注意が必要なうえ、「自分で設置できるの?」「業者に依頼すべき?」といった疑問を持っている方も多いでしょう。


 そこでこの記事では、テレビの取り付け方や壁掛けする際の注意点について解説します。あわせて、賃貸でもテレビを壁掛けできるおすすめの器具や設置方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
 

壁掛けテレビの設置では壁に穴をあける


 テレビの壁掛けとは、壁に専用の金具を設置し、そこへテレビを掛ける取り付け方法のことです。壁掛けテレビを壁に固定するためには、壁に専用の金具を取り付けなければなりません。

 また、取り付けには、ビスなどで部屋の壁に穴をあける必要があります。持ち家の場合は自身の判断で行えますが、原状回復義務が発生する賃貸では注意が必要です。

 賃貸での穴あけについての考え方は、次項で詳しく解説しているため参考にしてください。
 

賃貸での穴の考え方

 テレビを壁掛けする際には、壁に穴をあける必要があります。しかし、賃貸物件に住んでいる場合、入居者は退去時に原状回復義務があるため注意しましょう。

 原状回復義務とは、賃貸物件を退去するときに、物件を入居時の状態に戻す義務のこと。これは借主が故意に生じさせた損傷にのみ発生します。つまり、経年劣化や設備の使用により生じた損傷は、もとに戻す義務はありません。

 賃貸物件の壁に穴をあけてよいかどうかは、穴をあけた原因や賃貸借契約書の内容によって異なります。もし、テレビを壁掛けしたいのであれば、まずは大家や管理会社へ相談しましょう。

 一般的に原状回復義務が発生しない壁の穴の例は、以下のようなものです。

画びょうやピンであけた穴
エアコン設置による穴


 一方で、原状回復義務が発生する壁の穴の例には、以下のようなものがあります。

くぎやネジであけた穴
壁を殴ってあけた穴


 原状回復をめぐるトラブルのガイドラインでは、くぎやネジによる穴は原状回復義務にあたると記載されています。それらの穴は範囲も広く、通常使用以上の傷になっている可能性があるためです。さらに、壁の下地部分を損傷している可能性も否定できません。

 あくまでも物件や大家によって条件が異なるため、大家や管理会社への確認が必要です。

参考:【国土交通省|住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

 賃貸物件でテレビを壁掛けにする場合は、これらの考え方やガイドラインを理解し、契約書の内容をしっかりと確認しつつ、大家や管理会社と相談のうえで実施することでトラブルを避けることができます。
 

取り付け方法


テレビを壁に取り付ける方法には、主に以下2つがあります。

業者に依頼して取り付ける
自分で取り付ける


 それぞれの取り付け方法について、詳しく見ていきましょう。
 

業者に依頼して取り付ける

 壁掛けテレビを取り付けるには工事が必要なため、業者に依頼するのが一般的です。

 業者に依頼すれば、適切な方法で安全にテレビを取り付けてもらえるので、「自分でやるのは不安」という方は、利用を検討しましょう。

 なお、業者に依頼をする場合の費用相場は、4万~10万円です。ただし、取り付けるテレビの大きさや壁の素材、金具の種類などによって値段は変わるので注意しましょう。作業時間は、2時間程度見ておけば問題ありません。

 ちなみに、壁掛けテレビが取り付け可能な壁素材は、石膏ボード・コンクリート・タイル壁です。壁の造りに応じて金具の固定方法が異なってくるため、費用にも違いが生じます。

 石膏ボード壁の場合、壁裏の柱がある場所へビスを打つことで金具を固定するのが一般的です。取り付けたい場所に柱がないと、壁を補強をする必要が出てきてしまい、別途料金が発生してしまいます。

 コンクリートやタイルの場合は、そもそも壁の強度が強くビスを打てません。そのため、専用の道具で金具を固定していくことになり、別途費用がかかります。

 業者と自宅の壁の素材、テレビの大きさなど総合的に見て、費用がどれくらい発生するかを検討することが重要です。
 

自分で取り付ける

 壁掛けテレビは自分で取り付けることも可能です。手順は、以下を参考にしてください。なお、作業は必ず2人以上でするようにしましょう。

 ここでは、壁面の裏に間柱がある石膏ボード壁の場合を想定して説明します。

 まずは、テレビ背面にあるネジ穴にテレビの壁掛け金具を取り付けましょう。ネジ穴のサイズや形はテレビによって異なるので、必ずその形に対応している壁掛け金具を選んでください。

 続いて、間柱を探しましょう。石膏ボードの壁では、柱がない部分にテレビを設置すると強度上危険なため、ボード壁の裏側にある間柱にテレビを設置しなければなりません。

 なお、間柱は壁紙の表面を見るだけではどこにあるかわからないので、下地探知器などを使って探しましょう。間柱の場所がわかったら、マスキングテープなどで上の壁には、ネジをあけるためのマーキングを行ってください。

 次に、テレビを引っ掛けるためのウォールプレートを壁に固定します。間柱の位置に正確に設置してください。

 最後に、2人以上でテレビをしっかり抱えて、取り付け金具をウォールプレートにはめ込みます。最初に上部を引っ掛けて、下部を合わせてからボルトで完全に固定してください。これで壁掛け作業は完了です。
 

壁寄せスタンドや突っ張り棒も検討する


 賃貸物件で、壁に穴をあけたくないという人には、「壁寄せスタンド」をおすすめします。壁寄せスタンドとは、テレビを掛けるタイプのテレビ台のことです。スタンドを組み立ててテレビを引っ掛けるだけで、テレビを壁掛け風に設置可能です。

 壁寄せスタンドのメリットには、取り付け工事がいらないことや穴をあけなくて済むこと、設置場所を自由に決められることなどが挙げられます。

 「賃貸物件だから壁掛けテレビが無理」と諦めていた人でも、壁を傷つけずに壁掛けテレビ風に部屋を演出可能です。

 また、最近では突っ張り棒タイプの壁掛けツールも多く登場しています。突っ張り棒タイプの壁掛けツールは、天井から床に向けて突っ張り棒で柱を立て、そこにテレビを引っ掛けるタイプのこと。

 多少奥行きはできますが、原状回復も簡単かつ、耐久力もあるので手軽にテレビを壁掛けできるのがメリットです。
 

おすすめの器具

 壁掛けテレビで使うおすすめの取り付け器具を紹介します。特に一つめは、ホッチキスで壁に固定できるため、賃貸にお住まいの人にもおすすめです。
 

STARPLATINUM「TVセッター壁美人 TI300 Lサイズ」


 STARPLATINUM「TVセッター壁美人 TI300 Lサイズ」は、ホッチキスで壁に固定可能なテレビ用金具です。

 取り付け方法は、付属の芯を打ち込んでテレビを引っ掛けるだけ。穴は目視でもわからないほどの大きさなので、賃貸でも安心して取り付けられます。また、耐荷重は25kgとTVを支えるには十分です。

出典:【STARPLATINUM「TVセッター壁美人 TI300 Lサイズ」
 

August8「FLOAT 賃貸OK!壁掛けテレビ金具」


 August8の「FLOAT 賃貸OK!壁掛けテレビ金具」は、初心者でも簡単にテレビを壁掛けできる石膏ピンタイプの壁掛けツールです。

 設置方法は、太さ0.9mmの石膏ピンを壁に打ち込んで金具を固定し、そこにテレビを引っ掛けるだけ。耐荷重も50kgと非常に頑丈なうえ、テレビと壁の隙間はわずか2.5cmと、スタイリッシュな仕上がりが特徴です。

出典:【August8 「FLOAT 賃貸OK!壁掛けテレビ金具」
 

ニトリ「Nポルダ TVスタンド 引き出し付き (幅80cm ミドルブラウン)」


 ニトリの「Nポルダ TVスタンド 引き出し付き (幅80cm ミドルブラウン)」は、突っ張り棒で上下を固定することでテレビを壁掛けできるアイテムです。

 テレビを壁掛けできるほか、引き出しも付いているので、リモコンやゲーム機などの収納にもぴったり。耐荷重も50kgと十分で、大きなテレビも安心して壁に設置できます。

出典:【ニトリ 「Nポルダ TVスタンド 引き出し付き (幅80cm ミドルブラウン)」
 

まとめ


 賃貸でテレビを壁掛けにする場合、原状回復義務の観点から「壁に穴をあけても良いか」が大きなポイントになります。基本的にくぎやネジによる穴は修繕対象となるため、まずは大家や管理会社に確認することが大切です。

 また、設置の際は業者に依頼すれば安全かつ確実ですが、費用は数万円とかかるのが一般的です。一方で、壁寄せスタンドや突っ張り棒タイプ、ホッチキスやピンで固定できる金具などを使えば、壁を傷つけずに壁掛け風のレイアウトを楽しめます。

 賃貸で壁掛けテレビを導入する際は、費用・強度・退去時のことを踏まえて、自分に合った方法を選びましょう。