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カラーでも1万円台の攻防――競争激化するページプリンター[道越一郎のカットエッジ]

データ

2026/06/28 18:30

 ページプリンターの販売が徐々に拡大している。現在、プリンターの販売台数のうち、85.2%を占めるのはインクジェットプリンター。一方、2023年5月に6.9%だったページプリンターの構成比は、この5月で9.0%と勢力を増している。23年5月を100とするページプリンターの販売台数指数でも、この4月で140.0、5月では123.5と2桁成長。販売前年同月比も、この4月が台数105.2%、金額109.3%だったのに続き、5月では台数111.5%、金額112.8%と揃って2桁増の勢い。一昨年大きく伸びた反動で、昨年は前年割れ基調だったが、ここにきて再び勢いを取り戻している。全国2400の家電量販店やオンラインショップの実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。

ページプリンターの販売前年比(%)

 市場の大半を占めるインクジェットプリンターは、少部数の印刷用途や年賀状印刷で大いに活用されてきた。写真印刷など高精細画像の印刷が可能である一方、印刷速度が遅く、長期間放置するとインク詰まりが発生し、印刷できなくなってしまうトラブルも散見される。近年の年賀状じまいの動きなども受け出番が減っていることもあり、販売は伸び悩んでいる。一方、ページプリンターは、1枚の印刷速度が速く、長期間放置しても問題なく印刷できる。テレワークの広がりなどもあって、支持する層が広がってきた。さらに、近年ではカラー印刷に対応しながら、2万円前後(税抜き、以下同)と格安の製品も登場し始めている。画像が粗く写真印刷には向かないものの、カラーの資料印刷程度には十分使える出力品質がある。こうした変化もページプリンターの勢力拡大に一役買っている。
 
ページプリンターの販売台数メーカーシェア(%)

 メーカー別の動きを見ると、ブラザーとキヤノンがトップ争いを繰り広げている。23年5月ではブラザーが販売台数シェア63.3%を握り、圧倒的に強かった。しかし、2位キヤノンが徐々にシェアを伸ばし、24年11月に45.3%でブラザーを抜いて1位に立った。これ以降、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げた。昨年9月にブラザーが56.4%と過半を占めて以降は、ブラザー優勢で推移している。シェア変動の大きな要因は価格差だ。23年5月では、ブラザーの平均単価はキヤノンより1万4200円も安かった。しかし、24年11月では2100円安まで両社の価格が接近。25年2月にはキヤノンが逆に1000円安いという逆転現象も起きている。しかしブラザーは低価格攻勢を強め、この5月では4800円安を記録。シェア回復につなげた。
 
ページプリンターの販売台数シェアTOP10(2026年5月)

 現在、カラー印刷ができるページプリンターの販売台数構成比は33.2%、平均単価は4万2000円。モノクロモデルの1万9100円と比べると倍以上だ。しかし、前述の通り2万円前後の低価格カラーモデルが人気で、こうした製品がカラーページプリンターの構成比を押し上げている。ページプリンター全体で5月現在の売れ筋モデルを見ると、ダントツで売れているのが、ブラザーの「JUSTIO HL-L2460DW」。販売台数シェア11.8%と唯一2桁シェアを獲得した。モノクロモデルながら平均単価が1万2000円と格安だ。次いで同じくブラザーの「JUSTIO HL-L3240CDW」が8.2%で2位。こちらはカラー印刷対応で平均単価は2万500円。カラーモデルの平均単価の半額だ。競合キヤノンにも低価格カラープリンターがある。販売台数シェア5.5%で6位の「Satera LBP621C」。平均単価は2万円を切る1万7300円だ。ページプリンターの売れ筋モデルは1万円台から2万円台の攻防戦。低価格化によって、インクジェットプリンターの牙城を少しずつ削り始めている。(BCN・道越一郎)
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