民間託児所が人気 利用予約数はこの約1年で3倍に

暮らし

2026/05/01 14:00

 産後ケアの利用率が全国で約1割にとどまるなか、「頼りたいのに頼れない」という母親の声が浮き彫りになっている。こうした課題に対し、申請不要・手ぶらで今すぐ気軽に預けられる一時預かり専門託児所「カラフル」(埼玉県川口市)が支持を集めている。産後のわずらわしさを徹底的に取り除いたサービスとして、利用予約はこの1年で約3倍に増加しており、5月20日には「『ママのひとやすみ』ケアイベント」を開催する予定。

託児所の先生たち

5月20日にイベント開催 要申し込み

 出産後の母親を支える「産後ケア」の利用率が、全国的に約1割にとどまっていることが課題となっている。「産後ケア」は、出産後の母親の心身の回復や育児不安の軽減を目的に、助産師や看護師などが休養や育児サポートを行う制度で、自治体が主体となり整備が進んでいる。産後の母親は、夜間の授乳や夜泣きによる慢性的な睡眠不足、慣れない育児への不安、社会からの孤立感などから、心身ともに限界に近い状態に置かれやすい時期とされている。

 産後1か月までの母親の約10人に1人が産後うつのリスクが高いとされ、妊娠・育児期の親の約半数が「孤立を感じている」という調査もある。それにもかかわらず、自治体が行っている「産後ケア」は、申請や予約の煩雑さ、利用までの時間的負担が壁となり、余裕のない産後の母親が「頼りたいのに頼れない」状況を生んでいる。制度は整いつつあるものの、現場の母親に届ききっていない現実がある。

 そこで、産後の母親が「今すぐ」「気軽に」頼れる託児所として、「カラフル」では、申請や事前準備の負担を極力なくした一時預かりサービスを提供しており、利用者が増加している。園長自身が保育士として約10年間現場に立ち、3人の子育てを経験するなかで「保育」と「子育て」はまったく違うと実感したことが託児所開設の原点。ワンオペ育児や夜泣きによる慢性的な睡眠不足、自分の体調や気持ちを後回しにせざるを得ない毎日を経験したことで、「ママが元気で余裕があれば、家庭全体が明るくなる」と感じたという。

 「カラフル」では、仕事や病院といった理由がある時だけでなく、「今日は休みたい」「少し一人になりたい」といった気持ちでも、気兼ねなく預けられる場所を目指した。具体的には、着替え、ミルク、布団などはすべて園で用意し、離乳食からランチまで提供しているため、手ぶらで来てそのまま預けられる仕組みになっている。実際に、利用予約数はこの約1年で3倍に増加。とくに昨年秋以降は「今日は寝たい」「少し休みたい」といった理由での利用が増えている。預けることへの罪悪感が薄れたことで、結果的に育児への前向きさや、家庭内の空気の改善につながっている。さらに、母親が安心して休める場所があることで、産後うつや孤立の予防にもつながっている。
 
託児所の雰囲気

 永野園長は、「産後のお母さんは、想像以上に頑張りすぎている。理由がなくても、元気がなくても、頼っていい。カラフルは『今しんどい』に応える場所でありたいと思っている」とコメントしている。

 なお、5月20日には、カラフル園内で「『ママのひとやすみ』ケアイベント」を開催する。子どもを無料で預かる間、母親が首肩ほぐし・耳つぼジュエリー・骨盤ケアの中から1つを選び、30分のケアで自分のための時間を過ごせるイベントとなっている。開催時間は10時から15時頃まで。事前申込制で、参加料金は1回2000円。